更新日:2026.03.16>ダイエット・肥満
漢方で3か月3kg減|肥満症症例を専門家が解説【BMI・基礎代謝自動計算表つき】

漢方を活用したダイエット症例をご紹介します。
在宅勤務が続き、運動量が減ったことで体重が増えてしまった――そんなお悩みで来局された50代男性の症例です。食事量は変わらなかったものの活動量が減り、BMIが25を超えて肥満の状態となっていました。
そこで、富士堂では体質に合わせた漢方薬をお出しし、生活習慣の見直しを行った結果、3か月で3kgの減量に成功しました。
この記事では、
- 肥満症とは?|定義と原因
- 症例|用いた漢方薬と経過
- 考察|肥満治療と漢方の位置づけ
- ダイエットに漢方を取り入れる際の注意点
- よくあるご質問(Q&A)
を担当した薬剤師が丁寧に解説します。
1. 肥満症とは?|定義と原因
❶肥満と肥満症の違い
肥満は体に脂肪が蓄積し、体重が増加した状態を指します。主な原因としては、食べ過ぎや運動不足が挙げられます。
一方で肥満症は、単なる体重増加にとどまらず、糖尿病や高血圧などの健康被害がすでに出ている、あるいは内臓脂肪が過剰に蓄積している状態を意味します。
❷BMIと肥満による健康リスク
肥満度は一般的にBMI(Body Mass Index)で評価されます。
計算式は BMI=体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m) で、日本人では25以上で「肥満」、35以上で「高度肥満」とされます。
肥満の原因となる脂肪には「内臓脂肪」と「皮下脂肪」があります。
- 内臓脂肪:腸間膜に蓄積し、脂質異常症・糖尿病・高血圧・脂肪肝などの原因となる。
- 皮下脂肪:皮膚のすぐ下に蓄積し、睡眠時無呼吸症候群や変形性関節症を引き起こすことがある。
近年では、肥満は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予後不良リスク因子としても注目されています。
BMI自動計算表
BMI =
—
❸基礎代謝と肥満の関係
肥満を理解するうえで、基礎代謝も欠かせない概念です。基礎代謝とは、呼吸・体温維持・内臓機能など、生命を維持するだけで消費されるエネルギーのこと。何もしなくても1日に消費されるカロリーの約60〜70%を占めます。
基礎代謝が低いと、同じ食事量でもエネルギーが余りやすく、脂肪として蓄積されやすい体になります。加齢・筋肉量の低下・極端な食事制限などが基礎代謝を下げる主な要因です。逆に言えば、基礎代謝を高めることが肥満予防・改善の根本的なアプローチとなります。
基礎代謝量は性別・年齢・身長・体重によって個人差があります。自分の基礎代謝を把握することが、無理のないカロリー管理の第一歩です。
基礎代謝自動計算表
歳
cm
kg
2. 症例|3か月で3kgのダイエットに成功
❶患者情報
- 年齢・性別:30代男性
- 身長・体重:175cm、80.0kg
- BMI:26.1(肥満に該当)
- 主訴:
① 代謝が悪く血行不良を感じる、ダイエットを希望
② 気圧変化による頭痛、眼精疲労
❷初回相談時
主訴
- 代謝が悪い、血行不良、ダイエット希望
- 気圧変化による頭痛、眼精疲労
経過
- コロナ禍で在宅ワークになってから運動不足となり、体重が2年半で5kg増加。食事量は以前と変わらない。
- 昔から雨の1〜2日前になると頭痛あり。側頭部から後頭部にかけて絞られるような痛みと不快感がある。
平素の状態
- 吐き気なし、下痢なし。
- 眠気・だるさ・頭痛を感じる。
- ストレスは特に自覚なし。
- 冷え:下肢(足首〜足先)。
- 口・喉:乾燥気味。
- 上半身:首・肩こりあり。
生活習慣
- 睡眠:早朝覚醒あり。寝た気がせず、6〜7時間の睡眠。
- 便通:1日3回、普通便。
- 尿:1日7回。残尿感はあるが、泌尿器科の検査で膀胱に残尿はなし。
- 水分摂取:1,000mL程度。常温水とホットコーヒーをよく飲む。
評価
- 脈:沈2、遅2、実大3、緩2。
- 腹:腹壁中、腹力やや硬、腹直筋の緊張強い。
- 舌:正常紅、歯痕なし。苔はやや湿で薄白。
治療方針
全身の代謝を改善する。
漢方薬
煎じ薬:五積散、血府逐瘀湯
❸2回目相談時
- 服用後しばらく軟便になったが改善。
- 気圧変化による頭痛は今のところなし。
- 尿の回数も減った気がし、残尿感も感じない。
- 体重は変わらず。
- 食事では噛む回数・量・スピードに注意するよう心がけている。
漢方薬
煎じ薬:五積散、血府逐瘀湯
❹3回目相談時
- 体重はやや減少した気がするが、具体的な数値は不明。
- 便通は問題なし。
- 運動:週3〜4回実施するようになった。
- 食事:噛む回数を増やし、食事量が減ってきた。
- 頭痛:漢方開始後は全く出ていない。
- 健康診断で中性脂肪が高めと指摘され、経過観察中。
- 血圧は低めから正常範囲内。
漢方薬
煎じ薬:五積散、血府逐瘀湯、田七人参
❺4回目相談時
- 体重は初回受診時より約2kg減少。
- 便通:1日1回、普通。
- 肩こり:少し残存。
- のどの痛みは改善。
- 花粉症はあるが、今年はまだ症状が出ていない。
漢方薬
煎じ薬:五積散、血府逐瘀湯、田七人参
❻5回目相談時
- 体調良好。
- 体重はさらに1kg減量。
- ダイエット目的で食事量を減らし、週に数回の運動も継続。
- 患者本人の希望で漢方薬は一旦中止し、経過観察とした。
3. 考察|肥満治療と漢方の位置づけ
肥満の治療において最も重要なのは、ライフスタイルの改善です。
主な治療法には、食事・運動・行動療法が挙げられます。
具体的には、総エネルギー量を抑えつつ必要な栄養素を摂取すること、有酸素運動で基礎代謝を高めること、肥満に関係しそうな日々の行動をチェックすることなど、さまざまなアプローチがあります。
食事に関しては、野菜・果物・穀物などの植物性食品の摂取、オリーブオイルの常用、低脂肪乳製品の常食といった 地中海式ダイエット が世界的に注目されています。ただし、一律ではなく、その人の体質に合った食事法を見つけることが大切です。
漢方薬はあくまで 代謝を上げるサポート、便通改善のサポート の役割にとどまります。根本的な改善には、食生活や運動など日常生活を見直し、持続的に改善していくことが最も重要といえるでしょう。
4. ダイエットに漢方を取り入れる際の注意点
漢方薬は体質改善や代謝サポートに役立ちますが、使い方を誤ると効果が得られない、あるいは副作用につながることがあります。以下の点に注意が必要です。
自己判断での長期服用は避ける
漢方薬には体質との相性があります。合わない処方を続けると、効果が出ないだけでなく、胃腸の不調などを招くこともあります。
既往歴や他の薬との併用に注意
西洋薬やサプリメントとの飲み合わせによっては、思わぬ作用が出る場合があります。必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
生活習慣の改善と並行することが重要
漢方薬はあくまで補助的な役割です。食事・運動・睡眠などの生活習慣を整えてこそ、持続的なダイエット効果が期待できます。
効果の現れ方には個人差がある
「どのくらいで痩せますか?」という質問をよくいただきますが、体質や生活習慣により経過は異なります。早い方では1〜2か月で変化を感じる場合もありますが、半年単位で取り組むケースもあります。
5. まとめ
在宅勤務による運動不足から体重が増加したこちらの30代男性の症例では、漢方薬(五積散・血府逐瘀湯・田七人参)と生活習慣の見直しを組み合わせることで、約3か月で3kgの減量に成功しました。
肥満治療の基本は食事・運動などのライフスタイル改善です。
漢方薬は、代謝のサポートや便通の改善など、体質に合わせた補助的な役割を果たします。
ダイエットに漢方を取り入れる際は、自己判断ではなく専門家に相談しながら継続することが大切です。体質に合った方法を選ぶことで、無理なく持続的に成果を得られる可能性が高まります。
6. よくあるご質問(Q&A)
Q1. 漢方薬だけで本当に痩せられますか?
A: 漢方薬は代謝や便通をサポートし、体質改善を目的としています。食事や運動と併用することで効果が出やすくなります。
Q2. ダイエットに効果的な漢方薬にはどんな種類がありますか?
A: 体質や太り方によって合う漢方薬は異なります。例えば、むくみや水分代謝の低下には「防已黄耆湯」、便秘やお腹の張りには「防風通聖散」、冷えや血行不良がある方には「当帰芍薬散」などが用いられます。
Q3. 漢方を飲むとどのくらいで効果が出ますか?
A: 早い方では1か月ほどで体の軽さや便通の改善を感じることがあります。体重減少として数字に表れるのは2〜3か月以上かかることが多く、体質や生活習慣によって個人差があります。
Q4. 漢方薬と他の薬やサプリを一緒に飲んでも大丈夫ですか?
A: 一部の漢方薬は、血圧の薬や利尿剤、サプリメントとの併用で作用が重なることがあります。自己判断せず、必ず薬剤師や専門家に相談してください。
Q5. 漢方薬のダイエットはリバウンドしませんか?
A: 漢方薬は体質改善を目的としているため、食事制限だけのダイエットよりリバウンドしにくいと考えられます。ただし、生活習慣が元に戻れば再び体重が増える可能性はあるため、食事に気を配ることや運動の継続が大切です。
7. 富士堂の漢方が選ばれる理由
- オーダーメイドの治療
体質や症状を丁寧に確認し、あなたに合った処方をご提案します。 - 豊富な臨床経験
年間7,000名以上の患者様にご相談いただいている専門家が対応します。 - 安心の品質管理
信頼できる国内メーカーの生薬のみを使用し、安全性を徹底しています。 - オンライン相談対応
LINE・WeChat・Teamsで全国どこからでも相談可能。薬は配送にも対応します。 - カウンセリングの流れ
ご予約 → ご相談 → 漢方薬の選定 → ご確認・お会計 → 調剤・お渡し(発送)
➤ 初回相談は予約優先制。お気軽にご相談ください。
■漢方相談予約・お問合せ>>「お問い合わせ(LINE,WeChat,メールフォーム)」
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参考資料
漢方求真 許志泉著 桐書房, pp.66, 264.
漢方業務指針 日本薬剤師編 改訂4版 じほう, pp.97
病気がみえるvol.3 糖尿病・代謝・内分泌(第5版) 肥満症
体重調節における運動・身体活動効果と食事効果 岸本裕歩 健康支援第14巻2号 15-22, 2012
Jan Aaseth et. al. Diets and drugs for weight loss and health in obesity-An update. Biomedicine & Pharmacotherapy. Vol. 140, Aug. 2021, 111789.
Llamas-Velasco. et.al. Obesity-A Risk Factor for Psoriasis and COVID-19. Actas Dermosifiliogr. 2021 Jun; 112(6): 489-494.
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