更新日:2025.12.26喘息・気管支炎・呼吸器疾患
気管支の不調に効く漢方薬とは?咳・喘息・炎症の改善法を専門家が解説

冬になると咳が長引く、息苦しい、喉がヒリヒリする――それは気管支が弱っているサインかもしれません。気管支の炎症や咳は、外気の乾燥や冷え、免疫力の低下が重なることで悪化します。
この記事では、気管支の不調として現れやすい「咳・痰・息苦しさ・喘息傾向」をまとめて扱い、「気管支の不調の原因」「体質別の特徴」「漢方薬によるアプローチ」について、富士堂漢方薬局の専門家が詳しく解説します。長引く咳や痰、喘息傾向などでお悩みの方は、体質から見直してみましょう。
1. 気管支の不調とは?|主な症状と原因を解説
冬になると「咳が長引く」「息がしづらい」「痰が切れない」「喉の奥がヒリヒリする」といった訴えが増えます。これらは単なる風邪の名残とは限らず、気管支(空気の通り道)の粘膜が刺激に弱くなり、炎症や過敏状態が続いているサインかもしれません。
気管支の不調は、感染やアレルギーといったきっかけに、冷え・乾燥・ストレス・免疫力低下などの土台が重なることで悪化しやすく、症状の出方も人によって異なります。
❶気管支の役割と咳のメカニズム
気管支は、鼻や喉を通って肺に入る空気の通り道で、枝分かれしながら肺の奥へつながっています。気管支の内側は「粘膜」で覆われ、異物(ウイルス、ホコリ、花粉、煙など)を捕まえて外へ出す防御機能を担います。
咳はその代表的な防御反応です。気道が刺激されたとき、体は咳反射を起こして気道内の分泌物や異物を外へ排出しようとします。つまり咳そのものは、体が自分を守ろうとする反応です。
ただし、炎症が続いたり、粘膜が乾燥してバリア機能が落ちたりすると、必要以上に咳が出やすい状態(過敏)になり、夜間や会話中、入浴後、冷気を吸った時などに咳が止まらなくなることがあります。
❷気管支トラブルの主な原因
気管支の不調は、原因が1つとは限りません。多くは「引き金」と「背景(体の状態)」がセットで存在します。
1)ウイルス感染・アレルギー
急性の気管支炎はウイルスが原因であることが多く、炎症で気道が腫れ、粘液(痰)が増えて咳が出ます。
また、花粉・ハウスダストなどのアレルギー刺激でも気道が過敏になり、咳や痰、喘鳴(ゼーゼー)につながることがあります。
2)冷え・乾燥による粘膜防御の低下
冷たい空気や乾燥は粘膜の負担になり、咳反射が起こりやすくなります。冬に「外に出ると咳が出る」「暖房の効いた部屋で喉が痛い」といった方は、この要素が関与していることが少なくありません。
3)ストレス・免疫低下(自律神経の乱れ)
忙しさが続く、睡眠不足、ストレスが強い——こうした状況では回復力が落ち、炎症が長引きやすくなります。さらに自律神経が乱れると、喉の違和感や咳の過敏が強まり、「検査では大きな異常がないのに咳が続く」という状態につながることもあります。
4)喫煙・大気汚染などの外的要因
タバコの煙や粉じん、刺激性ガスなどは気道を直接刺激し、炎症・痰・咳を助長します。慢性的に続く場合は、呼吸器疾患の鑑別も重要になります。
漢方的な導入(考え方)
同じ「咳」でも、乾いた咳なのか、痰が絡むのか、冷えで悪化するのか、熱感や喉の痛みが強いのかで、体の偏りは変わります。漢方では、咳を症状として見るだけでなく、体の「冷え・乾燥・熱・湿(痰)」のバランスの乱れとして捉え、体質に合わせて整える発想をとります。
❸代表的な症状
気管支の不調では、次のような症状がよく見られます。ご自身のタイプを把握することで、どんな治療法を選択するかの判断精度が上がります。
よくある症状の例
- 乾いた咳:コンコンと続く/喉がヒリつく/声が枯れる
- 痰がからむ咳:痰が切れない/咳払いが増える
- 息苦しさ・胸の詰まり:階段で息が上がる/胸が重い
- 夜間の咳:寝る前〜夜中に悪化/眠れない
- 喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー):呼吸時に音がする(喘息傾向のサインになり得ます)
受診の目安(重要)
咳は自然に改善することも多い一方、長引く咳には結核などの鑑別が必要なケースもあります。目安として「咳が2週間以上続く」場合は医療機関への相談が推奨されています。
また、強い息苦しさ、血痰、高熱が続く、胸痛が強いなどがある場合は早めに受診しましょう。
2. 気管支炎・咳の治療法|西洋医学と漢方の違い
咳や痰、息苦しさは「気管支が炎症を起こしている」サインである一方、原因は風邪(ウイルス)・アレルギー・喘息・逆流・乾燥・ストレスなど多岐にわたります。治療を選ぶ際は、いま起きている炎症を抑える(対症)のか、再発しやすい体の土台を整える(体質・背景要因)のか、両方の視点で整理すると迷いが減ります。
なお、咳が続く場合は「受診の目安」も重要です。たとえば胸部感染症の文脈では、血の混じる痰・3週間以上続く咳・強い息苦しさ・強い胸痛などがあれば医療機関への相談が推奨されています。
❶西洋医学での治療(抗生物質・去痰薬・鎮咳薬など:対症療法が中心)
西洋医学ではまず、肺炎など緊急度の高い病態を除外しつつ、症状の強さ・経過・合併症(喘息、COPD など)に応じて治療が組み立てられます。急性気管支炎は「大気道の炎症による咳」が中心で、肺炎が疑われる所見(息切れ、頻呼吸、頻脈、肺の異常所見など)があれば画像検査を検討します。
主な治療の考え方
- 抗生物質:風邪の原因の多くはウイルスによるものであり、ウイルス感染には抗生物質は効果を示しません。そのため、「こじらせた咳」と感じる場合であっても、合併症のない急性気管支炎では、抗菌薬を 日常的には使用しないと考えられています。
- 鎮咳薬:夜間の咳で眠れないなど、生活に支障がある場合に短期的な対症として検討されます。
- 去痰薬:痰が絡む、切れにくい場合に使用され、気道分泌の排出を助ける位置づけです。
- 吸入薬(気管支拡張薬・吸入ステロイド等):喘息・咳喘息が背景にある場合、炎症と気道過敏性のコントロールが重要になります。
- 支持療法:加湿、水分摂取、刺激物(喫煙・香料・粉塵)回避など、粘膜への負担を減らすケアが土台になります。
受診の目安(実務的)
「ただの風邪」と決め打ちせず、咳が3週間を超える/血痰/息苦しさが強い/胸痛がある/妊娠中/高齢/基礎疾患・免疫低下がある場合は早めの相談が推奨されています。
❷漢方から見た「気管支の不調」の考え方(体質+原因にアプローチ)
漢方では、咳を「止める/出さない」だけでなく、
- 乾燥で粘膜が傷ついて咳が出る(潤い不足)
- 冷えで水分代謝が落ち、薄い痰が増えて咳が続く(冷え+水滞)
- 熱がこもり、黄色い痰・喉の痛み・炎症が前に出る(熱)
- ストレスや緊張で喉が詰まり、咳が誘発される(気滞・自律神経)
のように、症状の出方と体の反応パターン(体質・病態)をセットで捉えて処方を選びます。
以下の処方は代表例です。
| 方剤名 | 主な体質・症状 | 特徴・ポイント |
| 麦門冬湯 | 乾いた咳・喉の痛み/痰が少ない | 乾燥によって喉や気道の粘膜が刺激され、空咳が続くタイプで用いられることが多い処方です。痰がほとんど出ない、あるいは切れにくい乾いた咳を和らげることを目的とします。 |
| 柴朴湯 | 咳・痰・喉の違和感/ストレスで悪化しやすい | 気分のふさぎや咽喉部の違和感を伴うタイプに用いられ、気の滞りや不安緊張の影響が強い咳に適応が示されています。 |
| 小青竜湯 | 冷えによる咳/水っぽい痰・鼻水を伴う | 冷えを背景に、サラサラした痰や鼻水が多く、咳が続くタイプで選ばれやすい代表的な処方です。体を温めながら、水分代謝の偏りを整えることで、薄い痰が絡む咳や、寒さで悪化する咳を和らげることを目的とします。体に熱がこもっているタイプや、痰が黄色く粘る場合には不向きなことがあります。 |
| 清肺湯 | 黄痰・熱感・炎症性の咳/痰が多く切れにくい | 粘り気のある痰が多く、炎症を伴う慢性的な咳に用いられることが多い処方です。COPDや慢性気管支炎などでみられる「痰の多い慢性的な咳」によく用いられます。 |
| 半夏厚朴湯 | 咽喉閉塞感(のどの詰まり)/しわがれ声・神経性の咳 | のどの異物感を伴うタイプに適応が示され、自律神経ストレス由来の咳で候補になります。 |
❸漢方薬の選び方と服用上の注意(安全面の補足)
1)「咳のタイプ」を先に分けると選びやすいです
- 乾いた咳(痰が少ない/喉がヒリつく/夜に出る):潤す方向(例:麦門冬湯)
- 痰が多い咳(切れにくい/黄色い痰/熱っぽい):熱・炎症と痰の整理(例:清肺湯)
- 冷えで悪化する咳(水っぽい痰・鼻水も出る):温めて水分代謝を整える方向(例:小青竜湯)
- 緊張・ストレスで誘発(喉の詰まり感、ため息、声枯れ):気の巡り・自律神経の調整(例:半夏厚朴湯、柴朴湯)
2)自己判断の長期連用は避け、経過で微調整します
咳は「良くなったと思ったらぶり返す」を繰り返しやすい症状です。漢方でも、急性期は炎症・痰・気道刺激を整理し、落ち着いたら粘膜保護や再発予防へと段階を分けて設計するほうが安定します。
3)併用・体質・持病で注意が必要なケースがあります
- 併用薬(吸入薬、鎮咳薬、抗アレルギー薬など)がある
- 妊娠中・授乳中、小児、高齢
- 心疾患・高血圧・腎疾患などの基礎疾患がある
- 服用して発疹・かゆみ等の症状が出た
このような場合は、医師・薬剤師等に相談することが添付文書でも促されています。
3. 富士堂の気管支治療|SCI方証医学による体質別アプローチ
咳や痰、息苦しさは「気管支の炎症」という共通の言葉で語られがちですが、実際には 乾燥で粘膜が荒れている咳と、痰が絡んで気道が塞がる咳、冷えで悪化する咳、ストレスで誘発される咳では、体の反応も、必要な手当ても変わります。
富士堂では、症状だけを見て一律に鎮咳するのではなく、「なぜその人の気管支が弱っているのか」を、SCI方証医学(症状・体質・病の三側面)で整理し、再発しにくい形へ整えていきます。
❶SCI方証医学における気管支症状の見立て
SCI方証医学では、気管支の不調を S(症状)×C(体質)×I(病) で立体的に把握します。ここを丁寧に組み立てることで、「咳の止め方」ではなく「呼吸の質を取り戻すための道筋」が明確になります。
S(症状):いま、呼吸器で何が起きているか
まずは咳をひと括りにせず、以下のように現象を具体化します。
- 咳の質:乾いた咳/湿った咳(痰が絡む)/発作性(止まらない)/会話で誘発
- 痰の特徴:量、色(透明・白・黄)、粘り、切れやすさ
- 時間帯・誘因:夜間、寝る前、入浴後、冷気、暖房、運動、ストレス、花粉・ホコリ
- 伴う症状:喉の痛み、声枯れ、喘鳴(ゼーゼー)、胸の詰まり、息苦しさ、微熱、倦怠感
ここで重要なのは、「いつ・何で悪化するか」を拾うことです。これがC(体質)とI(病態)の推定精度を左右します。
C(体質):気管支が不調になりやすい土台はどこにあるか
次に、同じ刺激でも咳が長引きやすい人/短期間で治まりやすい人の差を作る土台を整理します。気管支領域では、代表的に次のような体質傾向が見られます。
麻黄体質…気道の過敏性が高く、発作的に咳が出やすいタイプ
➤ 気管支が刺激に反応しやすく、冷気や乾燥などをきっかけに、気道が狭くなり、咳が急に出たり、息苦しさを感じやすい体質です。
ゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴を伴うこともあり、いわゆる「気道過敏」「喘息傾向」が前面に出やすいのが特徴です。
半夏体質…痰が絡み、気道が詰まりやすいタイプ
➤ 水分代謝が滞りやすく、みぞおちや胸、咽頭部に水湿や痰が停滞しやすい体質です。痰が多い、咳払いが増える、胸や喉につまった感じがするといった症状が出やすく、痰が気道の通りを妨げることで、咳が長引く傾向があります。
柴胡体質…ストレスで咳が誘発されやすいタイプ
➤ 胸脇苦満(胸から季肋下にかけての張りや痞え)を伴い、気の巡りが滞りやすい体質です。ストレスや精神的緊張が続くと、自律神経の影響を受けやすくなり、喉の違和感や咳が敏感に出やすくなる傾向があります。
このように、気管支の不調も単に「咳を止める」「痰を切る」だけでなく、「なぜこの人は気管支症状が長引きやすいのか」を体質の土台から整理することで、対症的な対応とあわせて、再燃や慢性化を防ぐための治療設計が可能になります。
I(病):咳、痰を固定化・再燃させる病(西洋医学の病名、症候群、中医学病名)は何か
最後に、咳や痰の不調が長引いたり、毎年繰り返したりする背景にある病名(西洋医学の病名、症候群、中医学病名)を捉えます。特に多いのは、次のような病名です。
気管支喘息、咳喘息、慢性気管支炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、副鼻腔炎(後鼻漏を含む)、アレルギー関連疾患、逆流性食道炎(GERD)、感染後咳嗽など
❷診察・治療の流れ
富士堂では、気管支の相談でも「咳を止める薬を出す」で終わらせず、背景要因まで含めて設計します。
1)カウンセリング
- いつから、どのような咳か(乾・湿・発作性)
- 悪化条件(夜間、入浴後、冷気、会話、運動、花粉、ストレス)
- 痰の性状(色・量・粘り)と、息苦しさの有無
- 睡眠、ストレス、食事、胃腸の状態、冷え、疲労度
- 既存治療(吸入薬、抗アレルギー薬、去痰薬など)と反応
2)舌・脈・呼吸の観察
自覚症状だけでなく、体の反応として現れる所見を確認し、「乾燥優位か/痰優位か」「冷えが強いか/熱が強いか」「緊張・過敏が前面か」を立体的に判断します。
3)方剤選定
咳は波が出やすいため、富士堂では段階を意識します。
- つらい時期:咳・痰・炎症・過敏を整理し、睡眠を守る
- 落ち着いてきたら:粘膜保護、冷え対策、回復力の底上げ、再燃予防へ重点移動
必要に応じて、加湿、飲み物・食事、入浴、就寝環境などの養生もセットで提案します。煎じ薬は、体質に合うと「粘膜の守り」を実感しやすいと感じる方もおり、状態・生活に合わせてエキス剤と使い分けます。
4)経過確認
季節・生活ストレスで揺れやすいのが気管支症状の特徴です。富士堂では状態の変化を見ながら処方を微調整し、「良くなったり悪くなったり」の振れ幅を小さくすることを重視します。オンライン相談にも対応しており、継続しやすい形でフォローします。
※息苦しさが強い、喘鳴がある、発熱が続くなどの場合は、医療機関での検査・治療が優先されます。吸入薬など既存治療がある方は、その方針と矛盾しない形で、体質面の支援を組み立てます。
❸他院との違い
富士堂が目指すのは「その場の鎮咳」だけではありません。
咳が長引く方ほど、背景に 冷え・乾燥・痰の停滞・自律神経の乱れ・回復力低下 が重なっており、対症だけでは再燃の悪循環から抜けにくくなります。
富士堂ではSCI方証医学にもとづき、咳のタイプを整理し、体質に合わせて漢方薬を選定、そして免疫や自律神経、生活環境も含めて再発予防も見据えてプランを立てていきます。
4. 症例紹介|気管支炎・咳の改善例
症例|30代女性:コロナ後に空咳が再発。ストレスで増悪する咳が2か月で改善
>>ストレスが原因と考えられる咳症状、2ヵ月の漢方治療で改善(元記事)
新型コロナ感染後に咳が長引き、いったん寛解したものの、翌夏に空咳が再発した30代女性。PCR陰性で、鎮咳薬(コデイン)・去痰薬・吸入薬でも改善せず来局されました。冷気・乾燥に加え、電車内やストレス時に悪化しやすく、緊張しやすい性格、動悸、睡眠の悪さ、過呼吸既往などから「気道の過敏」だけでなく、自律神経ストレスの関与が疑われる状態でした。
初期は粘膜保護・鎮咳の観点で煎じ薬(蘇子降気湯→麦門冬湯追加)を試すも十分な反応が得られず、咳の出方と背景要因を再評価して柴朴湯+桔梗石膏へ調整。その後、多忙・過緊張が続く中で痰の増加や声枯れが前面に出てきたため、精神面と痰の偏りを同時に整える目的で竹茹温胆湯へ切り替えたところ、痰量の減少とともに咳の勢いも軽快しました。仕事の山場を越えたタイミングも重なり、最終的には半夏厚朴湯(顆粒)で安定化し、6週間で咳・痰がほぼ消失、2か月で終了となりました。
この症例は、検査で大きな異常がなく西洋薬が効きにくい咳でも、「咳のタイプ(乾・湿・過敏)」と「ストレス・生活背景」をセットで捉え直すことで改善の道筋が立つこと、また処方を固定せず段階的に組み替えることが有効になり得ることを示しています。
5. よくある質問(Q&A)
Q1:漢方で気管支炎や喘息は治りますか?
➤ 漢方は、咳や炎症を一時的に抑えるだけでなく、咳が長引く背景(冷え・乾燥・痰の偏り・ストレスなど)を体質から整えることを目的にします。喘息は重症度や治療歴によって対応が異なるため、吸入薬などの治療を自己判断で中断せず、医療機関の方針と整合する形で併用・体質改善を進めるのが基本です。
Q2:咳が長引いても病院に行かなくて大丈夫?
➤ 咳が長引く場合は受診をおすすめします。特に、息苦しさが強い、喘鳴(ゼーゼー)、高熱、胸痛、血痰、体重減少がある場合は早めに医療機関へ相談してください。検査で緊急性の高い病気を除外したうえで、体質改善として漢方を組み合わせると進めやすいです。
Q3:子どもでも漢方薬は飲めますか?
➤ 小児でも使用される漢方薬はありますが、年齢・体格・体質・咳の原因によって選び方が大きく変わります。自己判断での服用は避け、必ず医師・薬剤師など専門家に相談してください。特に喘鳴や呼吸困難がある場合は医療機関での評価が優先です。
Q4:漢方は市販薬と併用できますか?
➤ 併用できるケースは多いですが、薬の種類によっては注意が必要です。鎮咳薬・去痰薬・抗アレルギー薬・吸入薬などを使用中の方は、症状の経過や副作用リスクを踏まえて調整します。併用するときは、服用中の薬をすべて伝えたうえで相談してください。
Q5:どのくらいで効果が出ますか?
➤ 体質や咳のタイプによります。急性の咳で体質に合う場合は比較的早く変化を感じることもありますが、咳が長引いている・再発を繰り返すケースでは、状態に合わせた処方調整をしながら数週間〜数か月単位で安定化を目指すことが一般的です。
Q6:富士堂ではどのように相談できますか?
➤ 問診で咳の出方(乾いた咳/痰が絡む/夜間悪化など)と生活背景(冷え・乾燥・ストレス・睡眠)を確認し、舌・脈なども含めて体質を評価したうえで処方を組み立てます。経過を見ながら微調整し、再発しにくい状態を目指します。オンライン相談も含め、継続しやすい形でのフォローが可能です。
Q7:発熱がないのに咳が続くのはなぜですか?
➤ 発熱がなくても咳が続くことは珍しくありません。感染が落ち着いた後に気道だけが過敏になっている、アレルギー(花粉・ハウスダスト)や乾燥で刺激されている、胃酸逆流(逆流性食道炎)、ストレス・自律神経の乱れ、後鼻漏(鼻水が喉へ落ちる)など原因は幅広いです。長引く場合は検査で原因を整理しつつ、漢方では「乾燥」「痰」「気道過敏」「ストレス」などの偏りを見立てて整えます。
Q8:夜だけ咳が出る(寝る前・明け方に悪化)のはなぜ?
➤ 夜間は体温や自律神経の変化、横になることで痰や鼻水が喉へ回りやすくなること、寝室の乾燥・冷気などが重なり、咳が出やすくなります。胃酸逆流が関与している場合もあります。夜間の咳が続くと睡眠の質が落ちて回復力が下がるため、環境調整(加湿・冷気対策)と併せて体質面のケアを検討すると良いです。
Q9:痰が絡む咳と乾いた咳、漢方の選び方は違いますか?
➤ 違います。乾いた咳は「潤い不足・粘膜の荒れ」が背景にあることが多く、潤して鎮める方向の処方を検討します。一方、痰が絡む咳は「痰の停滞(湿)」や炎症(熱)が関与しやすく、痰をさばく・熱を整理するなど別の設計が必要です。同じ咳止め発想で選ぶと合わないこともあるため、咳の質(乾・湿)をまず分けるのがポイントです。
Q10:咳喘息と喘息の違いは?漢方でも対応できますか?
➤ 一般に、咳喘息は「咳が主症状」で喘鳴が目立たないことが多く、喘息は「喘鳴(ゼーゼー)や呼吸困難」を伴いやすいとされます。いずれも適切な評価と治療が重要で、自己判断で吸入薬などを中断しないでください。漢方は、医療機関の治療と並行して、冷え・乾燥・痰・ストレスなどの背景を整え、再発しやすさを下げる目的で活用されることがあります。
Q11:喉のイガイガ・咳払いが止まらないのは?
➤ 喉の粘膜の乾燥、後鼻漏、胃酸逆流、声の使いすぎ、ストレスによる咽喉頭の過敏などで起こることがあります。咳払いが続くと粘膜がさらに刺激されて悪循環になりやすいため、原因の切り分けが大切です。漢方では、潤い不足・気の滞り・痰の停滞といった偏りを見立て、喉の違和感と咳反射の過敏を同時に整える方針を立てます。
Q12:コロナ後の咳(感染後咳嗽)は漢方で改善できますか?
➤ 漢方薬での改善は十分にあり得ることであり、実際に富士堂でも数例の治療経験があります。(症例ピックアップ:漢方を用いた新型コロナウイルス肺炎治療の実例)
感染後は炎症が引いた後も気道過敏が残り、乾燥や冷気、ストレスで咳が続くことがあります。漢方では、咳の質(乾いた咳/痰が絡む)と体質(潤い不足・冷え・自律神経の乱れなど)を合わせて調整します。
Q13:病院で異常なしと言われたのに咳が続きます。どう考えればいい?
➤ 検査で大きな病気が除外されたのは重要な安心材料です。そのうえで、気道過敏、乾燥、アレルギー、後鼻漏、胃酸逆流、ストレス・自律神経の影響など機能的な要因が残っている可能性があります。富士堂では、咳の出方と生活背景を丁寧に整理し、体質(冷え・陰虚・痰湿・気滞など)に合わせて処方を段階的に調整し、ぶり返しにくい状態を目指します。
6.カウンセリングの流れ
ご予約 → ご相談 → 漢方薬の選定 → ご確認・お会計 → 調剤・お渡し(発送)
- ご予約:お電話、LINE、メールフォームからご予約ください。初回相談は60〜90分程度お時間をいただきます。
- ご相談:現在の症状、体質、生活習慣などを詳しくお伺いします。舌診、腹診なども行い、総合的に体質を判断します。
- 漢方薬の選定:SCI方証医学に基づいた体質分析を行い、最適な処方をご提案します。効果や服用方法についても丁寧にご説明します。
- ご確認・お会計:処方内容と費用をご確認いただき、ご納得いただいた上でお会計となります。
- 調剤・お渡し(発送):煎じ薬の場合は調合に少しお時間をいただきます。店頭でのお渡し、またはご指定の住所への配送も可能です。
初回相談後、2〜4週間後に経過を確認し、必要に応じて処方を調整します。継続的なフォローアップにより、より効果的な治療を実現しています。
➤ 初回相談は予約優先制。お気軽にご相談ください。
■漢方相談予約・お問合せ>>「お問い合わせ(LINE,WeChat,メールフォーム)」
■オンライン相談について詳しくはこちら>>「オンライン漢方相談|来店なしでお薬お届け」
7. まとめ|気管支の不調は「冷え」と「乾燥」を整えることから
気管支の炎症や咳は、単に「風邪が治っていない」というよりも、呼吸器の防御機能(粘膜の潤い・線毛運動・免疫の働き)が弱っているサインとして現れていることが少なくありません。特に冬は、冷気と乾燥で粘膜が傷つきやすく、そこに疲労やストレスが重なることで、咳が長引いたり、ぶり返したりしやすくなります。
西洋医学では鎮咳薬や去痰薬、吸入薬などで症状をコントロールしていきますが、「乾いた咳なのか」「痰が絡むのか」「冷えで悪化するのか」「ストレスで誘発されるのか」といった咳のタイプによって、必要なケアは変わります。ここを整理せずに対症だけを繰り返すと、改善してもまた戻るという波が続きやすくなります。
冬の咳が長引く、気管支炎を繰り返す、喘息傾向で悪化しやすい、検査で大きな異常はないのに咳が止まらない――こうしたお悩みがある方は、体質から見直すことで改善の糸口が見つかることがあります。まずは一度、富士堂へご相談ください。
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