更新日:2025.12.24皮膚科:アトピー・皮膚炎・蕁麻疹・乾癬など
乾燥に効く漢方薬とは?|原因から体質別の改善法まで専門家が解説

冬になると肌のかさつきや喉の乾燥が気になる方が増えます。乾燥は外気の湿度だけでなく、体内の「潤いバランス」が乱れているサインでもあります。
本記事では「乾燥の原因」「体質別の特徴」「漢方薬による改善方法」を、富士堂漢方薬局の専門家が詳しく解説します。
肌・喉・全身の乾燥でお悩みの方は、自分の体質を理解し、根本から整えるヒントにしてください。
乾燥とは?|症状と原因を解説
冬になると「肌が粉をふく」「喉がイガイガする」「目が乾いて疲れやすい」といった乾燥の悩みが増えます。乾燥は単なる水分不足に見えますが、実際は外気の影響だけでなく、体の内側で潤いを保つ力が落ちているサインとして現れることも少なくありません。
ここでは、乾燥の症状の出方と原因を整理し、「自分の乾燥はどこから来ているのか」を把握するためのヒントを解説します。
乾燥の定義と主な症状
乾燥とは、皮膚や粘膜、あるいは体内の潤いが不足し、バリア機能や働きが低下している状態を指します。特徴は「カサつき」だけではなく、喉・目・腸など粘膜にも現れることです。
乾燥でよくみられる症状(部位別)
- 肌・頭皮:粉をふく、つっぱる、白い皮むけ、肌荒れ、かゆみ、赤み、ヒリつき
- 唇・口:唇が割れる、口が渇く、口内がネバつく、口臭が気になる
- 喉・気道:喉のイガイガ、空咳(乾いた咳)、声枯れ、夜間の咳
- 目・鼻:目の乾き、ゴロゴロ感、充血、鼻の乾燥や鼻血
- 腸:便が硬い、コロコロ便、便秘、いきみにくい
- 全身:のぼせやすい、ほてる、寝汗、手足が熱い、眠りが浅い
ここで押さえたいのは、乾燥は「肌の表面が乾く」だけでなく、体の内側の潤い不足として、咳・便秘・不眠など別の形で出ることがある、という点です。
乾燥の原因(外的・内的要因)
乾燥の原因は大きく「外的要因」と「内的要因」に分けられます。外側の環境を整えることはもちろん重要ですが、対策しているのに乾く場合は、内側の要因も疑うと改善の道筋が見えやすくなります。
外的要因(環境・刺激)
- 冬の低湿度:空気中の水分が少なく、皮膚・粘膜から水分が奪われやすい
- 暖房による乾燥:室内が乾き、喉・目・肌の乾燥が進みやすい
- 洗いすぎ・摩擦:熱い湯、強い洗浄剤、ゴシゴシ洗い、頻回の手洗いでバリアが落ちやすい
- 紫外線・花粉・ほこり:刺激が蓄積し、炎症や赤みを伴う乾燥につながることがある
内的要因(体の状態)
- 血液循環や水分代謝の低下
水分を巡らせて届ける力が落ちると、摂取しても必要な場所に潤いが行き渡らず、末端の乾燥や冷え、便秘などを伴うことがあります。
- 加齢・ホルモンバランスの変化
年齢やホルモン変動により、皮脂や粘膜の分泌が変化し、乾燥が進みやすくなります。特に季節の影響を受けやすい方は、毎年同じ時期に悪化しがちです。
- 睡眠不足・ストレス
睡眠が浅い、忙しさが続く、緊張が抜けない、といった状態では、体の回復力が落ち、乾燥やほてりが強まる方もいます。「水分を摂っているのに乾く」「夜になると口や喉が渇く」タイプは、この影響が隠れていることがあります。
ここで漢方の考え方として重要なのが、体の内側の潤い不足=「陰虚(いんきょ)」という概念です。陰虚タイプでは、単に潤いが不足するだけでなく、相対的に熱が目立ちやすくなり、ほてり・寝汗・手足の熱感・口渇などがセットで出ることがあります。外側の保湿だけでは追いつかない場合は、内側から整える視点が必要になります。
乾燥体質の特徴(チェックリスト)
乾燥は誰にでも起こり得ますが、体質的に乾燥しやすい方には一定の傾向があります。以下の項目に当てはまる数が多いほど、乾燥体質の可能性が高いと考えられます。
乾燥体質チェック
- 肌がつっぱりやすく、粉をふきやすい
- 唇が割れやすい、口が渇きやすい
- 喉がイガイガしやすく、乾いた咳が出やすい
- 目が乾きやすく、夕方に疲れやすい
- 便が硬く、便秘になりやすい
- 夜に口や喉の渇きが気になる
- 寝汗をかきやすい、または眠りが浅い
- 手足が冷える一方で、ほてりやすい
- ストレスが続くと、乾燥や肌荒れが悪化しやすい
- 冬だけでなく、通年で乾燥しやすい
3つ以上当てはまる方は、外側の対策(加湿・保湿)だけでなく、内側の潤いバランスにも目を向けると改善が早くなることがあります。
次のセクションでは、乾燥に対して西洋医学が得意なアプローチと、漢方が得意なアプローチの違いを整理し、「どんなタイプにどの対策が合いやすいか」を具体的に解説します。
乾燥対策の西洋医学的治療と漢方の違い
乾燥のつらさは、肌のカサつきだけでなく、喉の違和感や乾いた咳、目の疲れ、便秘など幅広く現れます。対策を考えるときに重要なのは、「外側から守るべき乾燥」と「内側の潤いバランスを整えるべき乾燥」を切り分けることです。
西洋医学と漢方は、得意なアプローチが異なります。どちらか一方が正解というより、症状と目的に応じて使い分けることで、改善が早くなるケースが多いです。
西洋医学での対処法
西洋医学の乾燥対策は、基本的に外的アプローチ(外側から補う・守る)が中心です。乾燥で傷ついた皮膚や粘膜のバリアを立て直し、刺激を減らすことで症状を落ち着かせます。
代表的な対処
- 保湿剤(スキンケア)
肌の水分蒸発を抑え、バリア機能を補います。乾燥が強い時期は油分が多いタイプ、刺激に弱い方は低刺激タイプなど、状態に合わせて選びます。
「入浴後すぐ」「洗顔・手洗い後すぐ」など、タイミングを固定して継続することが重要です。
- 点眼薬・保湿ケア(目の乾燥)
目の乾燥は疲れやすさやゴロゴロ感につながるため、点眼や環境調整(PC作業時の瞬き、室内の湿度)と併用します。
- 加湿・生活環境の調整
室内の湿度を整え、喉・鼻・肌から奪われる水分を減らします。寝室の乾燥対策は、夜間の口渇や乾いた咳がある方ほど効果を実感しやすいです。
- 皮膚炎や強いかゆみがある場合の治療
乾燥が進むと炎症やかゆみを伴いやすくなります。赤み・湿疹・掻き壊しがある場合は、炎症を鎮める治療を組み合わせて悪循環を断ちます。
西洋医学の強みは、即効性と再現性が高い点です。いま起きている乾燥や炎症を「早く落ち着かせる」目的で、非常に合理的な選択肢になります。
漢方薬での乾燥治療
漢方は、乾燥を「外気のせい」だけでなく、体の内側の状態(潤いの不足、熱の偏り、気血の不足など)として捉え、体内から整えることを得意とします。
特に「保湿や加湿をしているのに乾く」「冬だけでなく通年乾く」「乾燥と一緒に便秘・咳・ほてり・不眠がある」タイプは、内側の偏りが関与していることが多く、漢方の考え方が役立ちます。
乾燥への漢方アプローチは大きく分けて三方向あります。
- 潤す(潤いを補う):喉・気道・皮膚・腸などの乾きを内側から補う
- 熱を冷ます(乾きと熱を鎮める):ほてり・口渇・寝汗など熱を伴う乾燥を整える
- 気血を補う(巡らせて保つ力を上げる):潤いを作り、届け、保つ土台を整える
以下は、乾燥でよく用いられる代表的な処方例です。
| 方剤名 | 主な体質・症状 | 特徴・ポイント |
| 麦門冬湯 | 乾いた咳・喉の痛み・喉の乾燥 | 潤いを補い、乾いた刺激を鎮めます。喉のイガイガや空咳が続くタイプに検討されます。 |
| 白虎加人参湯 | 体に熱がこもり、喉や口が乾く | 体内の熱と乾きを同時にケアします。口渇・ほてりが目立つタイプで検討されます。 |
| 六味地黄丸 | 加齢による乾燥・夜ののぼせ・寝汗 | 腎陰を補って全身の潤いを支えます。通年乾燥しやすい/夜に悪化しやすいタイプで用いられます。 |
| 当帰飲子 | 皮膚の乾燥・かゆみ・下半身の冷え | 血を補い、皮膚や粘膜の潤いを守ります。乾燥とかゆみがセットの方に検討されます。 |
| 潤腸湯 | 便秘傾向・乾燥肌・コロコロ便 | 腸の潤いを整え、排便を促します。乾燥と便秘が同時にあるタイプに向きます。 |
漢方は「この薬=乾燥に効く」と一律に決めるのではなく、乾燥の背景が陰虚(潤い不足)なのか、熱が強いのか、気血が足りないのかを見立てて選ぶのがポイントです。
漢方薬の飲み方・注意点
漢方の効果を引き出すためには、処方選びがとても重要です。自己判断せず、専門家に相談するのが望ましいでしょう。
乾燥の背景は様々で、自己判断で万が一、体質に合わない漢方薬を服用した場合、悪化する・副作用が起きるなどの懸念があります。また、服用中の薬との併用や、妊娠・授乳中、小児、高齢の方は特に個別判断が必要です。乾燥が強い背景に、皮膚炎・感染・内科疾患などが隠れている場合もあるため、長引く場合は医療機関での評価も含めて検討しましょう。
漢方薬の剤形について
漢方薬には、煎じ薬・エキス顆粒・錠剤など様々な剤形があり、その中でも体質改善や乾燥のように時間をかけて整えたい症状では、煎じ薬をおすすめすることが多いです。一方、エキス顆粒や錠剤などは持ち運びに適しており、忙しい方や出先で手軽に飲みたい場合におすすめです。
煎じ薬の特徴
生薬を煮出すことで有効成分が抽出されやすく、体質に合うと比較的早く変化を実感される方もいます。乾燥のように「潤いの底上げ」を狙う場合、じわじわと効いて、その状態が持続しやすいと感じる方も少なくありません。症状の変化に合わせて生薬の構成や量を細かく調整しやすいのも、煎じ薬ならではの利点です。
※ただし、ライフスタイルやご希望に応じて、エキス顆粒など他の剤形を選ぶことも可能です。無理なく続けられることも、漢方治療では大切な要素になります。
「外側のケアで守る」ことと「内側から潤いを立て直す」ことを両輪で考えると、乾燥対策はうまく進みやすくなります。次のセクションでは、富士堂がSCI方証医学にもとづいて、乾燥をどのように見立て、体質別にどう整えていくかを具体的に解説します。
富士堂の乾燥治療|SCI方証医学による体質アプローチ
乾燥は「保湿をしているのに改善しない」「冬だけでなく通年つらい」「肌だけでなく喉や便秘にも出る」など、症状の出方が人によって大きく異なります。
富士堂では、乾燥を単なる水分不足として扱うのではなく、症状(S)・体質(C)・病(I)の三側面から整理し、いま起きている乾きと、その背景にある潤いバランスの乱れを同時に整えていきます。これを体系化したのが、富士堂独自の診療理論「SCI方証医学」です。
SCI方証医学における「乾燥」の捉え方
SCI方証医学では、乾燥を「肌がかさつく」「喉が渇く」といった一点だけで判断しません。
乾燥は、潤い不足、熱の偏り、気血の不足、水分代謝の停滞などが複合して起きることが多く、同じ乾燥でも最適な方針が変わるためです。
S(症状):今、どこが、どう乾いているか
まずは、乾燥の出方を具体的に言語化します。ここが曖昧だと、後段の体質判定と処方選びがブレます。
- 乾燥の部位:肌(顔・手・すね)、唇、喉、目、鼻、腸(便が硬い)など
- 乾燥の質:粉をふく、つっぱる、ひび割れる、ヒリつく、かゆみを伴う、赤みが出る
- 時間帯・誘因:入浴後、就寝前、暖房の部屋、マスク、長時間の会話、PC作業後、季節の変わり目
- 併発症状:乾いた咳、声枯れ、便秘、のぼせ、寝汗、不眠、疲れやすさ など
乾燥は「肌が乾く」だけでなく、喉・目・腸などにも現れることがあります。症状の地図を広く描くことで、体質の推定精度が上がります。
C(体質):乾燥を起こしやすい土台はどこにあるか
次に、同じ環境でも乾燥が出やすい人/出にくい人の差を作る体質の土台を整理します。乾燥では、代表的に次のようなタイプが見られます。
・地黄体質…潤いを保つ力が弱い
➤小腹不仁(下腹部が上腹部より柔らかく力がない状態)がベースにあり、ほてり、乾燥、下半身の力が入りにくい、便秘傾向といった症状を伴うことが多いタイプです。加齢とともに現れやすく、体を潤す水分や血液を蓄える力が弱くなっていき、肌のカサつきに加えて、喉の渇き、髪のパサつき、目の乾きなども出やすく、夜間や環境変化で悪化しやすいのが特徴です。
・柴胡体質…気の巡りが滞ることで起こる乾燥
➤胸脇苦満(胸からわき腹にかけての張りや詰まり感)があり、気の流れが慢性的に滞りやすいタイプです。巡りが悪くなると、必要な場所に水分や栄養が届かず、局所的な乾燥が起こりやすくなります。ストレスで症状が悪化しやすく、肌荒れや乾燥とともに、イライラ、胸やわき腹の張り、眠りにくさなどを伴うことが多いタイプです。
このように、乾燥を潤すだけで終わらせず、なぜその人は乾きやすいのかを体質レベルで整理するのがポイントです。
I(病):乾燥を固定化・再燃させる病(西洋医学の病名、症候群、中医学病名)は何か
最後に、乾燥が長引いたり、毎年繰り返したりする背景にある病名(西洋医学の病名、症候群、中医学病名)を捉えます。乾燥で多いのは、次のような傾向です。
乾燥性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、口唇炎、ドライアイ、ドライマウス、便秘症、更年期障害、シェーグレン症候群など
このように、S(症状)・C(体質)・I(病)を重ねて分析し、その人に合う生薬の組み合わせを論理的に絞り込みます。その結果、「潤すべき乾燥なのか」「熱を冷ますべき乾燥なのか」「補って支えるべき乾燥なのか」が明確になり、処方選びの精度が上がります。
カウンセリングから治療への流れ
富士堂では、乾燥の相談でも「乾いているから保湿」だけで完結させません。症状の背景にある体質や生活要因まで含めて設計するため、カウンセリングのプロセスを丁寧に踏みます。
1)問診
- いつから、どこが、どの季節・時間帯に悪化するか
- 暖房、入浴、洗浄剤、化粧品、マスク、職場環境などの外的刺激
- 睡眠、ストレス、食事、便通、冷え、月経、更年期など全身の状態
- 既存の対策(保湿、加湿、点眼、内服薬)と反応
2)舌・脈・皮膚の観察
自覚症状だけでなく、体の反応として現れる所見を確認し、陰虚・血虚・気虚などの見立てを立体的に行います。肌の状態(粉ふき、赤み、掻き壊し)も重要な情報になります。
3)方剤選定
乾燥が強い時期は「潤いを補う」「熱を鎮める」「炎症を抑える」など優先順位を整理し、落ち着いてきたら「土台の補強」「再燃予防」へ重点を移すなど、段階を分けて設計します。必要に応じて、入浴・保湿・食事・睡眠など養生のポイントも併せて提案します。
4)経過確認
乾燥は季節や生活ストレスで揺れやすい症状です。富士堂では、状態の変化を見ながら処方を微調整し、毎年のぶり返しを減らす運用を重視します。
また、オンライン相談にも対応しており、忙しい方や遠方の方でも継続しやすい形でフォローしていきます。
富士堂での治療の特徴
富士堂が重視しているのは、外側のケアだけで乾燥をその場しのぎにしないことです。
もちろん保湿や加湿など外的対策は重要ですが、乾燥が繰り返す方ほど、内側の潤いバランス(陰虚・血虚・気虚など)に課題が残っていることが多くみられます。
SCI方証医学にもとづく体質分析により、乾燥を「潤す」だけでなく、巡らせて保ち、再燃しにくい状態へ整えることを目指します。
また、乾燥は美容領域(肌の質感、メイク崩れ、くすみ)や婦人科領域(ホルモン変動、月経周期、更年期)とも関連しやすい症状です。こうした背景も含めて設計し、生活の中で無理なく続けられる改善プランを組み立てています。
症例紹介|乾燥体質の改善例
富士堂では、肌や喉の乾燥、乾いた咳、便秘など「乾き」に関わるお悩みのご相談を多数お受けしています。乾燥は外気の影響だけでなく、体内の潤いバランスや自律神経・ホルモン変動とも関連しやすく、長引くほど生活の質を下げやすい症状です。
ここでは症例を1つピックアップしてご紹介します。リンク先に詳細があるため、あわせてご覧ください。
症例|60代女性:10年以上続く乾燥性皮膚炎(全身のかゆみ・口渇・不眠を伴う)
>>乾燥性皮膚炎の痒みが漢方薬で軽快、自律神経の乱れも改善(元記事)
50歳頃(更年期)から冬に背中の乾燥とかゆみを伴う湿疹が出るようになり、年々悪化して「冬だけ」から「夏以外の季節」、最終的には一年中ひどいかゆみへと移行した60代女性の症例です。皮膚はカサカサに乾燥し、範囲も背中から腹部・胸部へ拡大。さらに、口渇、イライラ、不眠、集中力・記憶力低下など、皮膚症状に付随する全身症状も目立っていました。
富士堂では、乾燥性皮膚炎を「皮膚だけの問題」としてではなく、潤い不足と炎症(熱)の偏り、そしてそれに伴う自律神経の乱れまで含めて総合的に評価しました。治療は、血を養い潤いを補うことに加え、炎症(熱毒)を鎮めてかゆみを止める方針で設計。服用開始後は2週間でかゆみの軽快を実感し、喉の渇きや精神面の不調も改善。最終的に約1年間の治療で症状が安定し、治療終了となりました。
この症例から分かるのは、乾燥が長期化すると「冬の乾燥」から「通年の皮膚炎」へ進展し、さらに不眠やイライラなど全身状態にも影響し得るということです。外側の保湿や外用薬だけで改善が難しい場合は、体質を踏まえた内側からのアプローチが有効な選択肢になります。
よくある質問(Q&A)
Q1. 肌の乾燥は漢方薬で改善できる?
➤ はい、体質と原因が合えば改善が期待できます。乾燥は外気の影響だけでなく、体内の「潤い不足(陰虚)」「血の不足(血虚)」「回復力の低下(気虚)」などが関係することがあり、漢方ではそれらを整理して内側から整えます。保湿など外側ケアと併用することで、改善の実感が出やすくなります。
Q2. 喉の乾燥や声枯れにも効果があるの?
➤ 喉の乾燥・イガイガ・乾いた咳などが「潤い不足」タイプで起きている場合、漢方が選択肢になることがあります。特に冬の乾燥、会話量が多い、暖房環境で悪化するなどのケースは、外側の加湿・のどケアに加えて内側からの調整が有効な場合があります。
Q3. 冬だけでなく通年乾燥するのはなぜ?
➤ 環境要因(空調・紫外線・洗浄の刺激)に加えて、体質(陰虚・血虚・気虚)やホルモン変動、睡眠不足・ストレスなどが重なっている可能性があります。保湿や加湿をしても改善しにくい場合は、「体内の潤いを保つ力」自体が落ちているケースもあるため、体質面からの見立てが役立ちます。
Q4. どのくらいで効果が出るの?
➤ 早い方は1〜2週間で「乾き方」や「喉の違和感」「便通」などの変化を感じることがありますが、体質改善として安定させるには1〜3か月以上かけて評価することが多いです。季節・睡眠・ストレスで揺れやすいため、症状の波を見ながら処方やケアを調整します。
Q5. 他の薬やサプリと併用できる?
➤ 併用できることは多いですが、自己判断での組み合わせは避け、服用中の薬・サプリはすべて共有してください。漢方は複数生薬から成り、市販薬との重複や体質とのミスマッチが起きることがあります。安全性を優先して、目的と優先順位を整理してから設計するのが安心です。
Q6. 富士堂ではどう漢方薬を選ぶの?
➤ 問診に加えて舌・脈・皮膚の観察などを通じて見立てを行い、漢方薬での内側からのケアと、必要に応じて保湿などの外側からのケアを平行して行います。オンライン相談・宅配にも対応しているので忙しい方や遠方の方も安心してご相談いただけます。
Q7. 水分をとっているのに口が渇くのはなぜ?
➤「飲水量が足りない」以外にも、口呼吸、空調、カフェイン・アルコール、ストレス、加齢、服薬(薬の副作用)など原因が幅広いです。また、体のバランスが崩れて水分を保持する力が弱っている、体に熱がこもって水分が消耗されやすくなっている、気の巡りが悪く水分が必要な場所に届きにくいといった体質的な背景が関わっていることもあります。
Q8. 保湿剤は何を選べばいい?いつ塗るのが効果的?
➤ 基本は「低刺激で継続できるもの」を選び、入浴後や洗顔・手洗い後など、乾く前に早めに塗るのが効果的です。乾燥が強い時期は油分が多めのタイプ、刺激に弱い方は香料などが少ないタイプが向きます。ポイントは症状が落ち着いている時期も保湿を続けてバリアを育てることです。
Q9. 室内の湿度は何%が目安?加湿しすぎは良くない?
➤ 目安は「乾燥しにくく、過剰にもなりにくい範囲」に保つことです。加湿は喉・鼻・肌の乾燥対策として有効ですが、上げすぎると結露やカビなど別の問題が起きやすくなります。湿度計で確認しながら、寝室・リビングなど生活時間の長い場所を中心に調整するのがおすすめです。
Q10. 子どもでも漢方で乾燥対策できる?
➤小児でも飲める漢方薬はあります。ただし、年齢・体重・体質・併用薬によって選び方が変わるため、自己判断は避け、専門家へ相談すると安全です。
Q11. 煎じ薬とエキス(顆粒)の違いは?どちらが良い?
➤ 煎じ薬は生薬を患者さん個人に合わせて調整するためより実感を感じやすい傾向にあります。一方、エキス剤(顆粒や錠剤など)は手軽で継続しやすいのが強みです。乾燥対策は継続が結果に直結するため、症状の重さと生活スタイルを踏まえて、続けられる形を優先して選ぶのが現実的です。
Q12. 更年期・加齢で乾燥が増えるのはなぜ?
➤ ホルモン変動や加齢により、皮膚や粘膜の潤いを保つ力が変化しやすく、乾燥が目立ちやすくなるためです。肌だけでなく、喉・口・腸などに乾きが出ることもあります。外側ケアで守りつつ、体質(陰虚・血虚・気虚など)を踏まえた内側からの調整を組み合わせると改善が安定しやすくなります。
まとめ|乾燥対策は「潤いを補う」だけでなく「巡らせる」ことが大切
乾燥は、単に「水分が足りない」という話ではありません。外気の低湿度や暖房などの環境要因で悪化しやすい一方で、実際には体の内側で潤いを作る・届ける・保つ力が落ちていることで、肌や喉、腸などに乾きとして現れているケースも多いです。
そのため、水分補給や保湿を頑張っているのに改善しない場合は、「潤いを補う」だけでなく、体の中で潤いを巡らせる仕組みそのものを立て直す視点が重要になります。
西洋医学のケアは、保湿剤・点眼・加湿などの外的アプローチでバリア機能を守り、症状を落ち着かせるのが得意です。これは乾燥対策の土台として欠かせません。
一方、漢方は、乾燥の背景にある体質(陰虚・血虚・気虚など)や、熱の偏り、回復力の低下を整理し、内側から潤いバランスを整えることを得意とします。肌のカサつきだけでなく、喉のイガイガ、乾いた咳、便秘、眠りの浅さなど、乾燥に付随する悩みがある方ほど、体質面の見立てが改善の鍵になります。
富士堂では、方証医学(SCI方証医学)にもとづき、症状(S)・体質(C)・病(I)を重ねて分析し、外側ケアと内側治療をセットで設計します。いま困っている乾きを早く落ち着かせるだけでなく、季節の変わり目や忙しい時期にぶり返しやすい波を小さくし、安定した状態を目指します。
肌・喉・全身の乾きを感じる、保湿や加湿をしても改善しにくい、通年で乾燥が続く、乾燥と一緒に便秘や不眠がある――こうしたお悩みがある方は、まずは体質から整える選択肢を検討してみてください。富士堂では、あなたの生活の中で無理なく続けられる改善プランを一緒に組み立てていきます。
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