2025.07.17不妊症・不育症・産後ケア
不妊治療に柴苓湯が選ばれる理由|効果・服用法・注意点など
柴苓湯(さいれいとう)は、体内の余分な水分を排出する働きと免疫システムのバランスを整える効果が期待できる漢方薬です。「なかなか着床しない」「流産を繰り返してしまう」「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断された」など、妊娠に悩む多くの女性の悩みをサポートしてくれます。
この記事では、柴苓湯の基本情報から妊活における効果、正しい服用方法、注意点まで、妊活中の女性に役立つ情報を詳しく解説していきます。
柴苓湯とは?
柴苓湯は、「小柴胡湯」と「五苓散」を組み合わせた漢方薬で、12種類の生薬を含みます。体内の水分バランスを整え、免疫機能を調整する効果があります。
主に体力が中程度の方に適しており、のどの渇き、むくみ、尿量減少を伴う水様性下痢や急性胃腸炎、暑気あたりに効果が期待できます。
最近では、腎炎やネフローゼ症候群といった難病に加え、自己免疫異常が原因の不妊症や習慣性流産の治療薬としても注目されています。
柴苓湯の効果・作用
柴苓湯の主な効果は、「利水作用」と「抗炎症作用」の2つです。利水作用とは、体内の水分バランスを調整し、余分な水分を排出する働きのこと。これにより、むくみの改善や水様性下痢の症状緩和が期待できます。
また、抗炎症作用については、体内のステロイド分泌を促進することで炎症を抑える効果が報告されています。この作用は、自己免疫疾患や炎症性疾患の症状改善に期待されています。
具体的には、以下のような症状に効果が期待できます。
- むくみの改善(水分代謝の促進)
- 夏バテによる体調不良
- 水様性下痢
- 急性胃腸炎
- 自己免疫疾患に関連する症状
妊活中の女性には、子宮内膜環境の改善や免疫バランスの調整を通じて、受精卵の着床をサポートする効果が期待できます。
柴苓湯の成分と特徴
柴苓湯は、「小柴胡湯」の7種類の生薬(柴胡、半夏、黄芩、人参、甘草、大棗、生姜)と「五苓散」の5種類の生薬(沢瀉、猪苓、蒼朮、茯苓、桂皮)からなる複合処方です。
それぞれの生薬が以下のような効果を期待できます。
生薬名 | 読み方 | 主な作用・効果 |
柴胡 | さいこ | ・自律神経の調整
・ストレス軽減 ・解熱作用 |
半夏 | はんげ | ・胃腸の働きを助ける
・痰を取る |
黄芩 | おうごん | ・抗炎症作用 ・熱を冷ます作用 |
人参 | にんじん | ・気を補う
・体力増進 |
甘草 | かんぞう | ・生薬同士のバランスを整える ・抗炎症作用 |
大棗 | たいそう | ・気血を補う ・精神安定作用 |
生姜 | しょうきょう | ・体を温める
・胃腸の働きを助ける |
沢瀉 | たくしゃ | ・利水作用
・むくみの改善 |
猪苓 | ちょれい | ・利水作用
・むくみの改善 |
蒼朮 | そうじゅつ | ・水分代謝を整える
・胃腸機能を高める |
茯苓 | ぶくりょう | ・利水作用
・精神安定作用 |
桂皮 | けいひ | ・体を温める
・血行促進 |
柴苓湯は、これらの生薬が相乗的に働き「免疫調整」「水分代謝改善」「炎症抑制」などの効果を発揮します。特に体内の余分な水分を排出する作用と炎症を抑える作用を併せ持ち、むくみや自己免疫疾患など様々な症状の改善に役立ちます。
SCI方証医学における柴苓湯の特徴とは?
従来の漢方医学における一般的な柴苓湯の特徴について解説しました。
しかし、実際の臨床現場では、それだけでは個々の症状や体質に対して柴苓湯が適応するかどうかを判断するには、情報が十分でないことも少なくありません。
そこで富士堂漢方薬局では、富士堂漢方医学研究所の許志泉先生による長年の研究と臨床経験をもとに提唱された「SCI方証医学」の視点を導入しています。
このアプローチにより、柴苓湯証を以下のようにより明確に定義し、実際の臨床判断に活かしています。
症候(Symptom) | 主症:①胸脇苦満 ②吐き気・嘔吐、食欲不振 ③口渇、尿不利、浮腫
客症:往来寒熱、下痢、頭痛、めまい、胃部振水音、腹痛、肩こり など |
体質(Constitution) | 柴胡体質、半夏体質、桂枝体質、柴胡・半夏・桂枝の複合体質、不明体質 |
病(Illness) | 胃腸性感冒、急性胃腸炎、暑気あたり、腎炎、ネフローゼ、中耳炎、潰瘍性大腸炎、アレルギー性鼻炎、免疫性不妊、頭痛症、メニエール病 など |
※SCI方証医学とは・・従来の中医学・漢方医学を西洋医学の概念と結合させて、「証候・体質・病」から客観的に「証(漢方特有の診断枠)」を分析・検証するメソッド。
柴苓湯が不妊治療に効果を発揮する理由
柴苓湯は、「免疫調整作用」「水分代謝改善作用」を持ち、妊娠に必要な体内環境を整えていきます。柴苓湯が不妊治療にどのように効果を発揮するのか、以下で詳しく解説していきます。
免疫異常による着床障害
着床障害は不妊症の主な原因の一つで、特に自己免疫異常によるものは治療が難しいとされています。自己免疫異常とは、本来は体を守るはずの免疫システムが自分の組織を攻撃してしまう状態です。
妊娠では、母体は胎児(半分は父親の遺伝子を持つ)を「異物」と認識しないよう免疫システムが調整されます。しかし、自己免疫異常があるとこの調整がうまくいかず、受精卵が子宮内膜に着床できなかったり、着床しても流産してしまうことがあります。
柴苓湯に含まれる「小柴胡湯」の成分には、以下の効果が期待できます。
- ステロイド類似の働きをする
- 体内の免疫バランスを調整する
- 自己免疫が原因の着床障害や不育症(習慣性流産)の改善に役立つ
このように柴苓湯は免疫異常による着床障害を改善し、妊娠の成立と継続をサポートする効果が期待できます。
水分代謝の改善と血流促進
柴苓湯は、水分代謝の改善と血流促進の効果も期待できます。
体内の余分な水分が滞ると、むくみだけでなく、骨盤内の血流も悪化。その結果、子宮や卵巣に十分な酸素や栄養が届かず、その機能が低下してしまいます。
柴苓湯の作用
- 五苓散の成分(沢瀉、猪苓、茯苓など)→強い利水作用→体内の余分な水分を排出
- 小柴胡湯の成分(柴胡、黄芩、半夏など)→免疫調整、抗炎症、胃腸機能の改善
これらの作用により、骨盤内の血流が改善され、子宮内膜環境が整います。子宮内膜に十分な血液が供給されることで、内膜の厚さや質が向上し、受精卵が着床しやすい環境が整うのです。
特に柴苓湯は、水分代謝の不良を改善し、体内の余分な水分や熱を調整することで、不妊症の改善に役立つとされています。その結果、基礎体温の安定や排卵機能の正常化が期待できることがあります。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)への効果
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、月経不順や不妊の主な原因となる疾患で、柴苓湯はこの症状に効果が期待できる漢方薬です。
PCOSでは、卵巣に多数の未熟な卵胞が存在し、正常な排卵が起こりにくくなっています。また、男性ホルモンの過剰分泌やインスリン抵抗性なども伴うことがあります。
柴苓湯には、水分代謝を整える作用と免疫調整作用があり、これらの作用によってホルモンバランスの改善が期待できます。特に非肥満のPCOS患者では排卵率が高く、単一発育卵胞が促されやすくなり、多胎妊娠などの副作用も少ないという利点もあります。
男性不妊への効果
柴苓湯は、男性不妊に対しても効果が期待できる漢方薬です。
不妊治療というと女性側の問題に焦点が当てられがちですが、実際には男性側の要因も大きな割合を占めています。男性不妊の主な原因は、「精子の数の減少」「運動率の低下」「形態異常」などです。
柴苓湯に含まれる生薬の効果
- 柴胡、黄芩など:抗炎症、ホルモンバランスの改善
- 茯苓、蒼朮、沢瀉など:精巣周囲の水分代謝を改善→血流の改善
柴苓湯は副作用が比較的少なく、上記のような作用によって精子の生成環境の改善が期待できます。
柴苓湯の正しい服用方法
柴苓湯の効果を最大限に引き出すには、正しい服用方法を知ることが大切です。適切なタイミングや量、期間を守って服用することで、より効果的に不妊治療をサポートできます。
服用のタイミング
柴苓湯は一般的に1日3回、食前または食間(食事と食事の間)に服用するのが基本です。食前は食事の約30分前、食間は食事の約2時間後が目安となります。胃腸の弱い方は食後の服用でも問題ありません。
服用時は、コップ1杯程度の水またはぬるま湯で飲むようにしましょう。冷たい飲み物での服用は避け、できるだけ常温かぬるま湯で飲むことをおすすめします。
また、不妊治療中の方は、月経周期に合わせた服用方法も効果的です。例えば、月経開始から排卵期までは別の漢方薬(当帰芍薬散など)を服用し、排卵後から柴苓湯を服用するという方法もあります。
ただし、自分の体質や症状に合わせた最適な服用方法については、必ず漢方専門医や薬剤師に相談してから進めることをおすすめします。
服用量の目安
柴苓湯の一般的な服用量は、エキス剤の場合、1回1包を1日2~3回に分けて服用します。顆粒タイプや煎じ薬の場合は、それぞれの製品の用法・用量に従ってください。
体格や体質、症状の程度によって適切な量は異なるため、医師や薬剤師の指示に従うことが重要です。特に初めて服用する場合は、少量から始めて体の反応を見ながら調整していくことをおすすめします。
服用期間
漢方薬は即効性よりも、長期的に服用することで体質を改善する特徴があります。柴苓湯の効果は個人差がありますが、一般的に2~3ヶ月程度の継続服用で効果を実感する方が多いです。
不妊治療目的の場合は、3~6ヶ月の継続服用が推奨されます。体質改善には時間がかかるため、短期間で効果がないからといって諦めずに継続することが大切です。
ただし、1ヶ月服用しても症状がよくならない場合や逆に体調が悪化する場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。また、妊娠が判明した場合は、速やかに医師に相談し、服用継続の可否を確認してください。
柴苓湯の副作用と注意点
柴苓湯は比較的安全性の高い漢方薬ですが、いくつかの副作用や注意点があります。漢方薬は「自然のもの」という印象がありますが、適切な用法・用量を守り、体調変化に注意しながら服用することが重要です。
一般的な副作用
柴苓湯の一般的な副作用としては、以下が挙げられます。
- 皮膚症状:発疹、発赤、かゆみ、蕁麻疹など
- 消化器症状:胃部不快感、吐き気、食欲不振、下痢など
- 全身倦怠感
これらの症状は比較的軽度で、服用を続けるうちに改善することが多いです。もし症状が持続する場合は、医師に相談をしてください。
注意すべき副作用
以下の症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し医師に相談してください。
- 肝機能障害:発熱、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、全身倦怠感
- 間質性肺炎:発熱、空咳、息切れ(※インターフェロン製剤を投与中は間質性肺炎の副作用が出やすいため、柴苓湯は服用しない)
- 偽アルドステロン症:むくみ、血圧上昇、手足のしびれ
- ミオパチー:筋肉痛、脱力感、だるさ
これらの副作用は稀ではありますが、発生した場合は深刻な健康被害につながる可能性があります。早期発見と適切な対応が重要です。
服用に際し、特に注意が必要な人
- 著しく体力が衰えている方
- 妊婦または妊娠している可能性がある方(医師に相談が必要)
- 肝機能障害の既往がある方
- 熱証の強い方(のぼせやほてりが強い方)
- 他の薬を服用中の方(医師に相談が必要)
特に妊娠中の服用については、医師と十分に相談した上で判断することが重要です。また、柴苓湯に含まれる甘草の過剰摂取は、偽アルドステロン症などの副作用リスクを高める可能性があるので注意が必要です。
他の薬との相互作用
柴苓湯と併用禁忌の薬剤はありませんが、他の漢方薬との併用については注意が必要です。特に、構成生薬が重複する漢方薬との併用は、副作用のリスクが高まる可能性があります。
医師や薬剤師と十分に相談した上で、服用の是非を慎重に判断してください。
柴苓湯と併用するのがおすすめの漢方薬
柴苓湯は単独でも効果的ですが、症状や体質に合わせて他の漢方薬と併用することで、より効果を高められる可能性があります。ただし、漢方薬の併用は必ず専門医の指導のもとで行うことが重要です。自己判断での併用は避け、必ず漢方専門医や薬剤師に相談してから進めてください。
妊娠中の体調維持をサポート:子福茶(富士堂漢方薬局オリジナルの漢方茶)
富士堂漢方薬局オリジナルの「子福茶」は、安胎・止血作用のある生薬をブレンド。柴苓湯と併用することで、良好な妊娠中の体調コントロールを期待できます。
妊活中の女性はもちろん、妊娠初期の不安定な時期を過ごしている方にもおすすめです。流産を3回経験した患者さんが、バイアスピリンと子福茶を併用して無事に出産に至った症例も報告されており、安心して妊娠期間を過ごすためのサポートとして役立ちます。
血流促進・止血作用:田七人参
田七人参は、血流改善と止血作用を同時に持つ貴重な生薬です。この相反する作用を併せ持つことで、血栓防止に効果が期待できます。
- 免疫性の不育症(抗精子抗体陽性、抗リン脂質抗体症候群など)の改善
- 免疫性疾患を合併している方の症状緩和
- アレルギー疾患の症状軽減
柴苓湯との併用で、免疫調整と血流改善の相乗効果も期待できる場合があります。
冷え改善・血行促進:当帰芍薬散
当帰芍薬散は、冷え性や血行不良を改善する効果が期待できる漢方薬です。特に下半身の冷えや生理痛、貧血傾向のある方に適しています。
当帰芍薬散に含まれる「当帰」「川芎」などの生薬には、血行を促進し体を温める作用があります。これにより、冷えによる血行不良が改善され、子宮や卵巣への血流が増加します。血流が良くなることで、生殖器官に十分な酸素や栄養が届き、正常な機能を維持できるようになります。
柴苓湯と当帰芍薬散を併用することで、柴苓湯の水分代謝改善・免疫調整作用と、当帰芍薬散の血行促進・冷え改善作用が相乗的に働き、より効果的な妊活が期待できます。特に、冷えと免疫の問題を同時に抱える方におすすめの組み合わせです。
月経不順改善、ホルモンバランス調整:加味逍遥散
加味逍遥散は、ストレスによる自律神経の乱れを整え、ホルモンバランスを調整する効果が期待できる漢方薬です。特にイライラや不安感、不眠などの精神的症状を伴う月経不順に効果的です。
加味逍遥散に含まれる「柴胡」「薄荷」などの生薬にはストレスを緩和し、「肝」のはたらきを改善する作用があります。東洋医学では、肝は「気」の巡りを調整する臓器とされており、「肝」のはたらきが改善されることで気の巡りが良くなり、ホルモンバランスも整いやすくなります。
柴苓湯と加味逍遥散を併用することで、柴苓湯の水分代謝改善・免疫調整作用と、加味逍遥散のストレス緩和・ホルモンバランス調整作用が相乗的に働き、より効果的な妊活が期待できます。特に、ストレスや精神的な不調を感じながら妊活を行っている方におすすめの組み合わせです。
ストレス緩和、リラックス:半夏厚朴湯
半夏厚朴湯は「気」の流れを改善し、ストレスによる身体症状を和らげる漢方薬です。「半夏」「厚朴」「蘇葉」などの生薬が気の巡りを改善し、胸の詰まった感じを解消します。これによりストレスによる身体症状が緩和され、心身のリラックス効果が期待できます。
柴苓湯と半夏厚朴湯を併用することで、柴苓湯の水分代謝改善・免疫調整作用と、半夏厚朴湯のストレス緩和・気の巡り改善作用が相乗的に働き、より効果的な妊活が期待できますよ。
妊活中はどうしてもストレスがたまりやすいものです。ストレスは自律神経のバランスを乱し、ホルモン分泌にも悪影響を及ぼします。半夏厚朴湯でストレスを緩和しながら、柴苓湯で体内環境を整えることで、より良い妊活結果につながる可能性があります。
生理痛など、血行不良による症状が気になる場合:桂枝茯苓丸
桂枝茯苓丸は、血行を促進し、「瘀血」(おけつ:血の滞り)を改善する漢方薬です。特に、生理痛や月経不順、子宮筋腫や子宮内膜症などがある方に効果が期待できます。
桂枝茯苓丸に含まれる「桂皮」「牡丹皮」「桃仁」などの生薬には、血行を促進し、瘀血を改善する作用があります。これにより、子宮内の血液循環が改善され、子宮環境が整います。また、ホルモンバランスの乱れによる症状も緩和される効果が期待できます。
柴苓湯と桂枝茯苓丸を併用することで、柴苓湯の水分代謝改善・免疫調整作用と、桂枝茯苓丸の血行促進・瘀血改善作用が相乗的に働き、より効果的な妊活が期待できますよ。特に、免疫の問題と瘀血の問題を同時に抱える方におすすめの組み合わせです。
富士堂漢方薬局では、桂枝茯苓丸を使ってホルモンバランスを整え、妊娠に成功した症例も多数あります。体質や症状に合わせて、専門家に相談しながら適切な漢方薬を選ぶことが大切です。(症例ページはこちら)
柴苓湯に関するよくある質問
妊活中の方からよく寄せられる、柴苓湯に関する質問にお答えします。
Q1:柴苓湯は不妊治療に効果がある?
柴苓湯は、自己免疫疾患など免疫に問題があってなかなか妊娠できない方に効果が期待できます。特に「抗リン脂質抗体症候群」などの自己免疫的背景による不育症や、慢性子宮内膜炎が疑われる場合に用いられることが多いです。
ただし、すべての不妊症の方に効果があるわけではなく、体質や症状に合わせた処方が重要です。自己判断での服用は避け、必ず漢方専門医または薬剤師に相談した上で服用を開始することをおすすめします。
Q2:柴苓湯はいつまで服用すべき?
不妊治療目的の場合、一般的には3ヶ月程度の継続服用で体質改善の兆候が現れ始め、ホルモンバランスの改善や排卵の正常化には6ヶ月程度の服用が理想的とされています。
漢方薬は即効性よりも、長期的に服用することで体質を改善する特徴があります。効果を実感するまでに時間がかかることが多いため、短期間で効果がないからといって諦めずに継続することが大切です。
ただし、個人の状態によって異なるため、必ず医師や薬剤師の指導のもとで服用を継続するようにしましょう。
また、1ヶ月服用しても症状がよくならない場合や、逆に体調が悪化する場合は服用を中止し、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
Q3:不育症に柴苓湯が効果的な理由は?
不育症(習慣性流産)に柴苓湯が効果的な理由は、主に免疫調整作用にあります。柴苓湯は「小柴胡湯」と「五苓散」の合剤であり、小柴胡湯の成分はステロイド類似作用を持ち、炎症や自己免疫が関与する疾患に効果が多数報告されています。
特に、自己免疫異常による不育症では、母体の免疫系が胎児を「異物」として攻撃してしまうことが原因となります。柴苓湯はTh1/Th2サイトカインバランスを調整し、自己抗体価を減少させることで、この免疫異常を改善する効果が期待できます。
また、柴苓湯に含まれる柴胡、半夏は東洋医学的には「疏肝解鬱」の生薬とされており、不育症患者のストレス対策としても有効と考えられています。妊娠・出産への不安やストレスは免疫系にも影響を与える可能性があるため、精神面のサポートも重要です。
このように、柴苓湯は免疫調整作用とストレス緩和作用の両面から、不育症の改善に効果を発揮すると考えられています。
Q4:男性も柴苓湯を服用した方がいい?
男性不妊に対しても柴苓湯が効果的な場合がありますが、男性の体質に合わせた漢方処方が必要です。自己判断せず、専門医の診察を受けることをおすすめします。
柴苓湯は、精巣の水分代謝改善や抗炎症作用などにより、精子の質がよくなる可能性があります。特に精子の運動率や形態異常の改善に効果があるとされています。
ただし、男性の不妊原因は様々であり、すべてのケースに柴苓湯が適しているわけではありません。不妊治療は夫婦で取り組むことが大切ですので、男性も積極的に漢方専門医や薬剤師に相談をしてみてください。
柴苓湯で不妊治療をサポート!富士堂漢方薬局にご相談ください
柴苓湯は、水分代謝の改善と免疫調整作用を通じて、不妊治療をサポートする効果が期待できる漢方薬です。特に、自己免疫異常による着床障害や多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、不育症などに効果を発揮します。
富士堂漢方薬局では、一人ひとりの体質や症状に合わせた漢方薬の処方と、きめ細やかなサポートを提供しています。妊活に関する不安や疑問があれば、ぜひ専門家に相談して自分に合った漢方薬を見つけてください。
妊活は焦らず、体と心の健康を大切にしながら、一歩一歩進んでいきましょう。
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