2025.07.16漢方&富士堂のいろいろ
桂枝茯苓丸で妊活!効果的な使用法と注意点を解説
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は、骨盤内の血流を促進し、子宮や卵巣の環境を整えることで妊娠しやすい体づくりをサポートする漢方薬です。「生理不順が続く」「冷えやすい」「婦人科系の不調がなかなか改善しない」といった妊活中の女性の悩みに寄り添い、特に血行不良やホルモンバランスの乱れが気になる方に多く選ばれています。
この記事では、桂枝茯苓丸の基本情報から妊活への具体的な効果、正しい服用方法や注意点、体験談まで、妊活中の方に役立つ情報を詳しく解説していきます。
桂枝茯苓丸とは?
桂枝茯苓丸は、女性の血行不良や瘀血(おけつ)を改善する漢方薬です。体内の「血」の流れを整え、特に「瘀血」の状態を改善します。
瘀血とは、血液の流れが停滞している状態のこと。これにより「肩こり」「頭痛」「手足の冷えや冷えのぼせ」「生理痛や生理不順などの婦人科系トラブル」「肌のくすみやシミ」「むくみ」といった様々な不調が引き起こされます。また、慢性的な疲労感や眼精疲労、肌荒れなども瘀血による症状として現れることもあります。
桂枝茯苓丸は、この瘀血を取り除き血行を促進することで、妊活に適した体内環境づくりをサポートします。
桂枝茯苓丸の効果・作用
桂枝茯苓丸は、「駆瘀血作用」「血行促進作用」を併せ持つ漢方薬。具体的には以下のような効果が期待できます。
- 血液の流れを改善する
- ホルモンバランスの調整
- 月経関連症状の改善
- 冷え性の改善
- 子宮筋腫の治療をサポートする
下記で、詳しく解説していきます。
血液の流れを改善する
桂枝茯苓丸は、毛細血管を含む全身の血流を促進し、血液の滞り(瘀血)を改善する効果が期待できます。特に「桂皮」「牡丹皮」「桃仁」という生薬がこの作用を担っています。
これらの生薬の働きにより、長年の冷えや血行不良によって生じた瘀血が改善され、子宮や卵巣への血流がUP。血流が良くなることで、生殖器官に十分な酸素や栄養が届き、正常な機能を維持できるようになります。
瘀血は、様々な婦人科トラブルの原因となるため、妊活中の女性にとって血行改善はとても重要です。桂枝茯苓丸による瘀血の改善は、妊活成功への重要なステップとも言えます。
ホルモンバランスの調整
桂枝茯苓丸は全身の「血」の巡りを整えることで、ホルモンバランスの乱れに伴う様々な症状を緩和します。
「血」の流れが改善されると、ホルモンの分泌や代謝も正常化し「生理不順」「月経痛」「PMS」などの症状が軽減されます。特に、ストレスや生活習慣の乱れによってホルモンバランスが崩れている方に効果的です。
桂枝茯苓丸で、この「血」の流れを整えることで、女性ホルモンの自然なリズムを取り戻し、妊娠しやすい体内環境づくりをサポートしてくれます。
月経関連症状の改善
桂枝茯苓丸には、女性特有の月経トラブルを改善します。
桂枝茯苓丸に含まれる「芍薬」には鎮痛作用があり、生理痛やお腹の張りを和らげます。また「牡丹皮」「桃仁」の駆瘀血作用により、経血の塊や黒ずみが改善され、スムーズな月経を促してくれます。
月経トラブルは、妊娠のしやすさに直結する問題。桂枝茯苓丸で月経サイクルが整うことで、排卵の質も向上し、妊娠の可能性も高まることが期待できます。
冷え性の改善
桂枝茯苓丸には、血管を広げて手足の先まで血液の流れを良くする効果が期待できます。特に「桂皮」という成分が体を内側から温め、手足の冷えを含む全身の冷え性を改善します。
この漢方薬は、「冷えのぼせ」と呼ばれる症状にも効果的です。冷えのぼせとは、足腰などの下半身が冷えているのに、顔や上半身だけがほてる状態のこと。この症状は血液の滞り(瘀血)が原因のケースが多く、桂枝茯苓丸の血液の流れを改善する作用によって解消されていきます。
また、冷え性が改善されると基礎体温も安定しやすくなります。妊活中は、低温期と高温期がはっきり分かれた基礎体温グラフを作ることが重要ですが、桂枝茯苓丸は、そのサポートにも役立つとされています。
子宮筋腫の治療をサポートする
桂枝茯苓丸には瘀血を取り除く駆瘀血(くおけつ)作用があり、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患の改善に効果が期待できます。
「桃仁」「牡丹皮」の強力な駆瘀血作用により、子宮内の血液の滞りが解消され、徐々に子宮筋腫が小さくなることがあります。また「茯苓」には利水作用があり、むくみを改善して全身の代謝を高める効果も期待できます。
さらに、子宮筋腫に伴う貧血にも効果的。「芍薬」の補血作用により血を増やし、貧血症状を緩和します。子宮筋腫や子宮内膜症は妊娠の妨げになることが多いため、これらの症状を改善することで、妊娠の可能性をより高めることが期待できます。
桂枝茯苓丸の成分と特徴
桂枝茯苓丸は、5種類の生薬からなる複合処方です。それぞれの生薬が以下のような効果を期待できます。
生薬名 | 読み方 | 主な作用・効果 |
---|---|---|
桂皮 | けいひ | ・体を温める
・血行促進 ・発散作用(熱や痛みを取る) |
茯苓 | ぶくりょう | ・利水作用(余分な水分を排出)
・精神安定作用 |
牡丹皮 | ぼたんぴ | ・血行促進
・熱を冷ます<br>・消炎作用 |
桃仁 | とうにん | ・血行促進
・瘀血(おけつ)を改善する |
芍薬 | しゃくやく | ・筋肉の緊張緩和
・鎮痛作用 ・血を補う作用 |
桂枝茯苓丸は、これらの生薬が相乗的に働き「血流改善」「ホルモンバランスの調整」「冷えの緩和」などで、子宮環境を整えて妊活を多方面からサポートします。特に「瘀血(おけつ)」と呼ばれる血液の滞りを改善する作用が強く、妊娠しやすい体づくりに役立ちますよ。
SCI方証医学における桂枝茯苓丸の特徴とは?
従来の漢方医学における一般的な桂枝茯苓丸の特徴について解説しました。
しかし、実際の臨床現場では、それだけでは個々の症状や体質に対して桂枝茯苓丸が適応するかどうかを判断するには、情報が十分でないことも少なくありません。
そこで富士堂漢方薬局では、富士堂漢方医学研究所の許志泉先生による長年の研究と臨床経験をもとに提唱された「SCI方証医学」の視点を導入しています。このアプローチにより、桂枝茯苓丸証を以下のようにより明確に定義し、実際の臨床判断に活かしています。
症候(Symptom) | 主症:①瘀血症 ②のぼせ・赤ら顔 ③下肢の冷え客症:上半身の熱感、上熱下冷、頭痛、肩こり、目の充血、動悸、めまい、局部の疼痛、腫れ、浮腫、下腹部の張り感、精神症状(不安、イライラ、月経前症状)など |
---|---|
体質(Constitution) | 桂枝体質、不明体質 |
病(Illness) | 婦人疾患(月経困難症、子宮筋腫、不妊症、更年期障害など)、神経性疾患、眼疾患、皮膚疾患、痔疾、睾丸炎、前立腺肥大、下肢静脈瘤、坐骨神経痛、過活動膀胱、腰痛 など |
※SCI方証医学とは・・従来の中医学・漢方医学を西洋医学の概念と結合させて、「証候・体質・病」から客観的に「証(漢方特有の診断枠)」を分析・検証するメソッド。
桂枝茯苓丸の妊活への効果
桂枝茯苓丸は、瘀血(おけつ)による血行不良を改善して子宮環境を整える漢方薬です。血液の滞りを解消し、妊娠しやすい体づくりをサポートする漢方薬として効果が期待できます。
血行改善
桂枝茯苓丸は、全身の血液循環を改善して瘀血(おけつ)と呼ばれる血液の滞りを解消します。配合生薬である「桂皮」「牡丹皮」「桃仁」には血行を促進する作用があり、「芍薬」は筋肉の緊張を和らげ、血管の状態を良くしてくれます。
これにより、長年の冷えや血行不良によって生じた瘀血が改善され、子宮や卵巣への血流がUP。血流が良くなることで、子宮や卵巣に十分な酸素や栄養が届き、正常な機能を維持できるようになります。
その結果、卵子の質向上につながり、受精卵が着床しやすい環境に。特に、瘀血が原因で妊娠しにくい状態にある女性におすすめです。血液の滞りを解消し、全身の血行を改善することで、妊娠しやすい状態へと整えていきます。
子宮環境の改善
桂枝茯苓丸には、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患を改善する効果が期待できます。これらの疾患は瘀血が関与していることが多く、桂枝茯苓丸の駆瘀血作用によって症状が緩和されます。
特に「桃仁」「牡丹皮」の強力な駆瘀血作用により、子宮内の血液の滞りが解消され、徐々に子宮筋腫が小さくなることもあります。また、「茯苓」には利水作用があり、むくみを改善して全身の代謝を高める効果も期待できます。
桂枝茯苓丸による血流改善効果は、子宮環境全体を整えて妊活をサポートしてくれますよ。
着床のサポート
桂枝茯苓丸には、子宮内膜の質を向上させ、受精卵の着床をサポートする効果が期待できます。この漢方薬は子宮や卵巣への血液循環を改善することで、子宮内膜の状態を整え、受精卵が着床しやすい環境を作り出します。
血液循環が良くなると、子宮内膜は適切な厚さを維持し、栄養が豊富に行き渡るようになります。その結果、受精卵が子宮内膜にしっかりと定着し、妊娠が継続しやすくなるのです。
子宮内膜の状態は妊娠成立においてとても重要な要素。桂枝茯苓丸による血流改善効果は、子宮内膜の「質」と「量」の両面を整え、受精卵が着床しやすい理想的な環境づくりをサポートしてくれます。特に冷えや血行不良が原因で着床に課題を抱える方には、高い効果が期待できますよ。
桂枝茯苓丸の正しい服用方法
桂枝茯苓丸の効果を最大限に引き出すためには、正しい服用方法を知ることが重要です。適切なタイミングや量、期間を守って服用することで、妊活効果を高めることができますよ。
服用のタイミング
桂枝茯苓丸は、一般的に1日3回、食前または食間(食事と食事の間)に水または白湯で服用するのが基本です。食前は食事の20~30分前、食間は食後2時間以上経過した空腹時が目安となります。胃腸の弱い方は食後の服用でも問題ありません。
また、妊活中の方は月経周期に合わせた服用方法も効果的です。例えば、月経開始から排卵期までは「桂枝茯苓丸」を服用し、排卵後から次の月経までは「温経湯」に切り替えるという方法があります。これにより、周期に合わせた効果的なサポートが期待できます。
ただし、自分の体質や症状に合わせた最適な服用方法については、必ず漢方専門医や薬剤師に相談してから進めることをおすすめします。
服用量の目安
桂枝茯苓丸の一般的な服用量は、エキス剤の場合、1回1包(約1.8g)を毎食前/間/後のいずれかで1日3回です(胃腸の弱い方は食後がおすすめ)。顆粒タイプや煎じ薬の場合は、それぞれの製品の用法・用量に従ってください。
体格や体質、症状の程度によって適切な量が異なるため、漢方専門医や薬剤師に相談することが大切。自己判断での増量は避け、専門家のアドバイスを受けながら進めていきましょう。
服用期間
漢方薬は即効性よりも、長期的に服用することで体質を改善する特徴があります。桂枝茯苓丸の効果は個人差がありますが、一般的に1~3ヶ月程度の継続服用で効果を実感する方が多いです。
妊活目的の場合は、3~6ヶ月の継続服用がおすすめ。効果を実感するまでに時間がかかることが多いため、短期間で効果がないからといって諦めずに継続することが大切です。
ただし、1ヶ月服用しても症状がよくならない場合や、逆に体調が悪化する場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。また、桂枝茯苓丸は血流を良くする効果が高いため、妊娠後の継続についても専門家に必ず相談するようにしてください。
桂枝茯苓丸の副作用と注意点
桂枝茯苓丸は比較的安全性の高い漢方薬ですが、いくつかの副作用や注意点があります。漢方薬は「自然」のものでも適切な用法・用量を守り、体調変化に注意しながら服用することが大切です。
一般的な副作用
桂枝茯苓丸の一般的な副作用としては、以下が挙げられます。
- 皮膚症状:発疹、かゆみなど
- 消化器症状:胃部不快感、吐き気、食欲不振、下痢など
- 体を温める作用によるのぼせやほてり
これらの症状は軽度の場合は、服用を続けるうちに自然に改善することもあります。もし症状が持続する場合は、医師に相談をしてください。
注意すべき副作用
肝機能障害(発熱、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、全身倦怠感)の症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し医師に相談してください。
上記の副作用は稀ではありますが、発生した場合は深刻な健康被害につながる可能性があります。早期発見と適切な対応が重要です。
服用を避けるべき人
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方
- 体力が著しく低下している方
- 肝機能障害の既往がある方
- 熱証の強い方(のぼせやほてりが強い方)
- 他の薬を服用中の方(医師に相談が必要)
特に妊娠中の方で、桂枝茯苓丸に含まれる「桃仁」「牡丹皮」は、子宮収縮作用が一部の研究で報告されているため、、流早産のリスクが高まる可能性があります。
また、体内に熱がこもっている「実熱」タイプの方が桂枝茯苓丸を服用すると、のぼせや頭痛などの症状が悪化することがあるため注意が必要です。
他の薬との相互作用
桂枝茯苓丸と併用禁忌の薬剤はありませんが、他の漢方薬との併用については注意が必要です。特に、構成生薬が重複する漢方薬との併用は、副作用のリスクが高まる可能性があります。
また桂枝茯苓丸は、血液をサラサラにする作用があるため、抗凝固薬(ワーファリンなど)を服用している方は、出血傾向が強まってしまうこともあります。
いずれの場合も、医師や薬剤師と十分に相談した上で、服用の是非を慎重に判断してください。
桂枝茯苓丸と併用するのがおすすめの漢方薬
桂枝茯苓丸は妊活に効果的な漢方薬ですが、症状や体質に合わせて他の漢方薬と併用することで、より効果を高められる可能性があります。ただし、必ず漢方専門医や薬剤師の指導のもとで行ってください。
冷え・疲労・貧血改善:婦宝当帰膠
婦宝当帰膠は、「冷え」「疲労感」「貧血症状」がある方におすすめです。
桂枝茯苓丸の血行促進効果と婦宝当帰膠の補血作用によって、より効果的に体を温めて血液の質を改善できます。特に生理周期が安定しない方や、生理痛が強い方に試してみてほしい組み合わせです。
血行促進・止血作用:田七人参
田七人参は、血流を良くする作用と止血作用を同時に持つ生薬。桂枝茯苓丸と併用することで、血行促進効果がさらに高まり、血栓防止も期待できます。
特に血行不良が顕著な方や、血液の質に問題があると考えられる方におすすめです。
粘膜改善・利水作用:薏苡仁(ヨクイニン)
薏苡仁は、子宮頸部異形成など粘膜異常がある場合に効果が期待できます。
桂枝茯苓丸の瘀血改善作用に加え、薏苡仁の利水作用や抗炎症作用によって、子宮環境をより健全に保つことができます。また、肌荒れやニキビなどの皮膚症状にも効果が期待できます。
卵巣機能改善:動物性生薬(鹿茸など)
鹿茸などの動物性生薬は、卵巣機能の低下が妊活の障害となっている方におすすめ。桂枝茯苓丸と併用することで、卵巣機能の改善と血行促進の両面からアプローチできます。
特に、年齢を重ねた方やホルモン検査で卵巣機能の低下が見られる方に、試してみて欲しい組み合わせです。
冷え改善・子宮内膜強化:温経湯
温経湯は、体を芯から温めて血行を促進することで、冷えによる不調を改善する漢方薬。桂枝茯苓丸と温経湯を併用することで、より強力な温熱効果と血行促進効果が期待できます。
温経湯には子宮への血流を改善し、子宮内膜を厚くする効果も期待できます。その結果、受精卵の着床環境が整い、妊娠の可能性もUP。特に手足の冷えや下腹部の冷えを強く感じる方、子宮内膜が薄いと診断された方におすすめです。
桂枝茯苓丸の瘀血改善作用と温経湯の温熱作用が組み合わさることで、冷えからくる血行不良を根本から改善し、子宮環境を整えられますよ。
ストレス軽減・自律神経調整:加味逍遙散
加味逍遙散は、精神的ストレスが妊娠の妨げになることを軽減する漢方薬。イライラや不安感を和らげ、心身の安定をもたらします。
妊活中はどうしてもストレスがたまりやすく、それがホルモンバランスを乱してしまい、排卵や着床に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。桂枝茯苓丸の血行促進効果と加味逍遙散のストレス軽減効果を組み合わせることで、身体面と精神面の両方からアプローチできます。
特に仕事や家庭のストレスを抱えている方、不眠やイライラを感じることが多い方におすすめです。
桂枝茯苓丸と似た効果を持つ、類似薬との使い分け
桂枝茯苓丸と似た効果を持つ漢方薬もありますが、症状や体質によって使い分けることが大切です。
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
のぼせ、イライラ、便秘がある場合におすすめ。桂枝茯苓丸よりも体力のある方で、便秘傾向の強い方に適しています。
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
桂枝茯苓丸が合う患者様で、さらに精神不安・冷え・疲れやすさがある場合に効果が期待できます。より総合的なアプローチができますよ。
折衝飲(せっしょういん)
月経痛など、下腹部の疼痛がある場合に効果が期待できます。痛みの症状が強い方に適しています。
富士堂漢方薬局で桂枝茯苓丸を使った患者様体験談
富士堂漢方薬局で桂枝茯苓丸を中心とした治療により、症状改善と妊娠に至った患者様の体験談をご紹介します。
患者様ステータス
項目 | 詳細 |
---|---|
年齢 | 30代 |
症状 | ・胃の不調<br>・肌荒れ、あごニキビ<br>・生理周期不安定 |
治療期間 | 4ヶ月半 |
最終ステータス | ホルモンバランスが整い、自然妊娠成功 |
症例ページ | https://kampo-fujidou.com/2021/04/10/ |
行った治療
こちらの患者様には、胃の不調・ニキビ・生理不順に対し「桂枝茯苓丸」「半夏瀉心湯」「麦芽」「折衝飲」の4種類の漢方薬を組み合わせた治療を行いました。漢方服用後の経過は以下の通りです。
服用1ヶ月目:
- 胃もたれ・下痢が解消→半夏瀉心湯を中止
- あごニキビが消失
服用2ヶ月目:
- 生理周期が短縮(50日→39日)
- 生理痛が軽減 → 折衝飲を中止
服用3ヶ月目:
- 生理周期が36日に安定
- 参茸補血丸を追加(卵巣機能向上)
服用4ヶ月目:
- 自然妊娠を確認 → 桂枝茯苓丸・麦芽を中止
- 参茸補血丸を段階的に減量
結果
30代の女性患者様は、漢方薬による体質改善に取り組んだ結果、長年悩んでいた胃の不調やニキビが改善されただけでなく、生理周期も整い自然妊娠に至ることができました。
今回のケースから、漢方薬で体全体のバランスを整えることが、妊娠しやすい体づくりにつながる可能性があることがわかります。
特に、桂枝茯苓丸は血の巡りを良くする効果、麦芽はホルモンバランスを整える効果が期待できるため、今回の患者様の体質や症状に合っていたと考えられます。
桂枝茯苓丸に関するよくある質問
妊活中の方からよく寄せられる、桂枝茯苓丸に関する質問にお答えします。
Q1:桂枝茯苓丸は妊娠中も使える?
桂枝茯苓丸には「桃仁」「牡丹皮」という生薬が含まれており、流早産の危険性があるため妊娠中の服用は避けましょう。
また、桂枝茯苓丸は血行を促進する作用が強いため、妊娠が判明した時点で服用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。妊娠初期は特に注意が必要です。
Q2:桂枝茯苓丸はホルモンバランスを整える働きがある?
桂枝茯苓丸は、全身の「血」の巡りを整えて血行不良を改善する効果ができます。血液循環が良くなることでホルモンの分泌や代謝も正常化し、ホルモンバランスの乱れに伴う様々な症状(生理不順、月経痛、PMSなど)を緩和する作用があります。
特に、瘀血(おけつ)と呼ばれる血液の滞りが原因でホルモンバランスが乱れている場合に効果が期待できます。血行が改善されることで女性ホルモンの自然なリズムを取り戻し、妊娠しやすい体づくりをサポートしてくれますよ。
Q3:桂枝茯苓丸は子宮筋腫に効く?
桂枝茯苓丸には、瘀血(おけつ)を取り除く駆瘀血(くおけつ)作用があり、子宮筋腫や子宮内膜症など、瘀血が関与する婦人科疾患の改善に用いられる漢方の一つです。
「桃仁」「牡丹皮」の強力な駆瘀血作用によって、子宮内の血液の滞りが解消され、徐々に子宮筋腫が小さくなることがあります。また、子宮筋腫に伴う貧血にも効果的で、「芍薬」の補血作用により血を増やし、貧血症状も緩和します。
ただし、効果の現れ方には個人差があり、筋腫の大きさや状態によっても異なります。医師と相談しながら服用を進めることをおすすめします。
Q4:桂枝茯苓丸を飲んではいけない人は?
以下の方は桂枝茯苓丸の服用を避けてください。
- 妊娠中または妊娠の可能性がある女性
- 体力が著しく低下している方
- 肝機能障害のある人や既往歴がある方
- 熱証の強い方(のぼせやほてりが強い方)
特に妊娠中の方は、桂枝茯苓丸に含まれる「桃仁」「牡丹皮」が子宮収縮作用を持つため、流早産のリスクが高まる可能性があります。また、体内に熱がこもっている「実熱」タイプの方が服用すると、のぼせや頭痛などの症状が悪化することがあるため注意が必要です。
Q5:桂枝茯苓丸の効き目はいつから?
桂枝茯苓丸の効果が現れ始める時期は個人差がありますが、一般的には服用開始から2~3週間程度で変化を感じ始め、1~3ヶ月程度で症状改善が期待できます。
桂枝茯苓丸が体質に合っていれば、血行の改善や月経の状態の変化(経血の色や量、痛みの軽減など)を感じる方が多いです。肌の調子が良くなったり、冷えやむくみが改善されたりする変化も現れますよ。
もし、1ヶ月以上飲み続けても効果が感じられにくい場合は、担当医や薬剤師に相談しましょう。
Q6:桂枝茯苓丸を長期間飲み続けるとどうなる?
漢方薬は即効性の薬ではないため、数週間から数ヶ月にわたって服用し続けることで徐々に体質が改善していきます。しかしまれではありますが、長期服用による副作用として、肝機能障害が報告されています。
効果があった場合もそうでない場合も、1ヶ月を経過したタイミングで医師や薬剤師に服用を相談しましょう。効果の現れ方や体質によっては、別の漢方薬や治療法に切り替えるといった判断をする場合もあります。
また、長期間にわたって服用し続けることで胃腸がダメージを受け、消化器系の異常につながる可能性も。そのため、もともと胃腸が弱い方やお腹を下しやすい方は体調を見ながら服用を続ける必要があります。
Q7:桂枝茯苓丸は排卵日や生理中も飲み続けても大丈夫?
基本的に、排卵日や生理中も桂枝茯苓丸を飲み続けても問題ありません。
むしろ、桂枝茯苓丸は月経不順や月経痛の改善、瘀血の除去などの効果が期待されるため、生理周期を通して継続的に服用することで効果が得られやすくなります。
ただし、個人の症状や体質によって最適な服用方法は異なるため、医師や薬剤師に相談の上で判断することをおすすめします。また、妊娠が判明したら必ず服用を中止し、医師に相談してください。
桂枝茯苓丸を使った妊活の疑問は富士堂漢方薬局にお任せ
桂枝茯苓丸は、瘀血(おけつ)や血行不良に悩む女性にとって心強い味方となる漢方薬です。血液の滞りを解消し、子宮環境を整えることで、自然な形で妊娠力を高められます。
しかし、漢方薬は個人の体質や症状に合わせて選ぶことが大切。富士堂漢方薬局では、一人ひとりの体質や症状に合わせた漢方薬の処方と、きめ細やかなサポートを提供しています。妊活に関する不安や疑問があれば、ぜひ専門家に相談して自分に合った漢方薬を見つけてください。
妊活は焦らず、体と心の健康を大切にしながら、一歩一歩進んでいきましょう。
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