2023.09.11>産前・産後ケア
産後・流産後の不調にオススメの漢方【産後抜け毛・産後うつ】
「産後、抜け毛が酷くてショックです。」
「腰痛と便秘に悩まされています。」
「すぐにイライラしてしまって気持ちのコントロールができません。」
富士堂漢方薬局では、不妊治療や妊活の治療とともに、産後・流産後の不調のケアも数多くいたしております。
出産後6~8週間を産褥期(さんじょくき)と言い、分娩時の出血と痛みによってダメージを受けた母体に疲労や体力低下が見られる時期です。
漢方ではこの時期を気・血を消耗したために、気虚や血虚になりやすい状態と考えます。ホルモンバランスの崩れ、育児による疲れ、睡眠不足、不安などが重なり、産後鬱にもなりやすいです。
また、一時的に良くなっても産後の腹痛や腰痛が2、3年経った頃に再度現れ、慢性化するケースもあります。産後の体は大切に、無理せず少しずつ元の生活に戻していくようにしましょう 。
今回はそんな産褥期によく使われる漢方薬を紹介します。
産後は気虚・血虚・瘀血の状態が続いています。出産時に大量の体力を消耗することで気虚になり、また出血が原因で血虚と気虚に。さらには悪露や胎盤などの組織の残留による瘀血も同時にみられます。
◇よく使われる漢方薬◇
芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)
効能:産後の神経症・体力低下、月経不順
瘀血の症状がそれほど強くない方に使います。
血虚に当帰・地黄、気虚に白朮・陳皮、瘀血に牡丹皮・益母草の生薬が効果的です。
貧血を補い、悪露瘀血を去り、脾胃の調子を整えるため、産後の諸症によく応用されます。
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
効能:血の道症、産後の体力低下、月経不順
気虚・血虚・瘀血三者を一気に解消する漢方です。
上記の「芎帰調血飲」の瘀血解消の力を強化する生薬、牛膝・桃仁・紅花が加わります。
産後のからだを整え、産後の神経症、血の道症、乳汁不足、月経不順、手足のしびれ、ヒステリー、産後の腰痛、頭痛、食欲不振、産褥下肢血栓症などの改善が期待できます。
漢方では毛髪を「毛は血の余り」と言い、血が不足した状態(血虚)になると、毛も弱くなり、脱毛や白髪が出やすくなると考えます。更に、育児ストレスで末梢血流が悪くし、毛の栄養状態が悪くなることも脱毛の原因になります。
◇よく使われる漢方薬◇
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
効能:病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血
人参・白朮・茯苓・甘草は気を補い、脾胃消化器系の働きをよくします。
当帰・川芎・芍薬・地黄は気血の巡りをよくし、乾燥した皮膚を潤し、毛嚢機能改善します。
桂枝・黄耆はそれらの作用を補強し、脱毛を治療します。
人参養栄湯(にんじんようえいとう)
効能:病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血
基本的には「十全大補湯」と同じですが、睡眠障害や食欲低下がみられる方によく用います。
産後の瘀血証により、気血を巡らせるための道が塞がり、気滞の状態になります。さらに気虚状態で、自ら滞っている道を修復する力が弱く、産後鬱になりやすいです。
◇産後鬱によく使われる漢方薬◇
抑肝散(よっかんさん)
効能:虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症
釣藤鈎・柴胡・甘草が一緒になって肝気の緊張を緩解し、神経の興奮を鎮めます。
当帰は肝血を潤し、肝の血行を良くし、血虚を治します。
川芎は肝血をよく疎通させます。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
効能:体質虚弱な婦人で、肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症
抑肝散が合う方よりもイライラし、怒りやすい方に使用します。
加味帰脾湯(かみきひとう)
効能:虚弱体質で血色の悪い人の次の諸症:貧血、不眠症、精神不安、神経症
不眠・疲れを強く感じる方に使用します。
流産は昔から「小産」と言うように、小さい(軽い)出産という意味です。
流産後の不調は基本的には産後と同じです。気虚・血虚・瘀血の症状はいずれも軽い傾向にあり、治療期間は産後と比べ短く、1~2ヶ月ほどで回復が見込めます。
富士堂漢方薬局では、産後・流産後の不調に対しておからだに合う漢方薬をお選びします。お悩みの方はぜひご相談ください。
通院のお時間がとれない方、体調不良で通院困難な方などにはオンライン相談もおすすめしております。
>>不妊症から卒業の道(不妊症症例・卒業したママ達の体験談)
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「腰痛と便秘に悩まされています。」
「すぐにイライラしてしまって気持ちのコントロールができません。」
富士堂漢方薬局では、不妊治療や妊活の治療とともに、産後・流産後の不調のケアも数多くいたしております。
出産後6~8週間を産褥期(さんじょくき)と言い、分娩時の出血と痛みによってダメージを受けた母体に疲労や体力低下が見られる時期です。
漢方ではこの時期を気・血を消耗したために、気虚や血虚になりやすい状態と考えます。ホルモンバランスの崩れ、育児による疲れ、睡眠不足、不安などが重なり、産後鬱にもなりやすいです。
また、一時的に良くなっても産後の腹痛や腰痛が2、3年経った頃に再度現れ、慢性化するケースもあります。産後の体は大切に、無理せず少しずつ元の生活に戻していくようにしましょう 。
今回はそんな産褥期によく使われる漢方薬を紹介します。
産後ケアの基本|芎帰調血飲、芎帰調血飲第一加減
産後は気虚・血虚・瘀血の状態が続いています。出産時に大量の体力を消耗することで気虚になり、また出血が原因で血虚と気虚に。さらには悪露や胎盤などの組織の残留による瘀血も同時にみられます。
◇よく使われる漢方薬◇
芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)
効能:産後の神経症・体力低下、月経不順
瘀血の症状がそれほど強くない方に使います。
血虚に当帰・地黄、気虚に白朮・陳皮、瘀血に牡丹皮・益母草の生薬が効果的です。
貧血を補い、悪露瘀血を去り、脾胃の調子を整えるため、産後の諸症によく応用されます。
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
効能:血の道症、産後の体力低下、月経不順
気虚・血虚・瘀血三者を一気に解消する漢方です。
上記の「芎帰調血飲」の瘀血解消の力を強化する生薬、牛膝・桃仁・紅花が加わります。
産後のからだを整え、産後の神経症、血の道症、乳汁不足、月経不順、手足のしびれ、ヒステリー、産後の腰痛、頭痛、食欲不振、産褥下肢血栓症などの改善が期待できます。
産後脱毛|十全大補湯、人参養栄湯
漢方では毛髪を「毛は血の余り」と言い、血が不足した状態(血虚)になると、毛も弱くなり、脱毛や白髪が出やすくなると考えます。更に、育児ストレスで末梢血流が悪くし、毛の栄養状態が悪くなることも脱毛の原因になります。
◇よく使われる漢方薬◇
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
効能:病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血
人参・白朮・茯苓・甘草は気を補い、脾胃消化器系の働きをよくします。
当帰・川芎・芍薬・地黄は気血の巡りをよくし、乾燥した皮膚を潤し、毛嚢機能改善します。
桂枝・黄耆はそれらの作用を補強し、脱毛を治療します。
人参養栄湯(にんじんようえいとう)
効能:病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血
基本的には「十全大補湯」と同じですが、睡眠障害や食欲低下がみられる方によく用います。
産後鬱|抑肝散、加味逍遥散、加味帰脾湯
産後の瘀血証により、気血を巡らせるための道が塞がり、気滞の状態になります。さらに気虚状態で、自ら滞っている道を修復する力が弱く、産後鬱になりやすいです。
◇産後鬱によく使われる漢方薬◇
抑肝散(よっかんさん)
効能:虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症
釣藤鈎・柴胡・甘草が一緒になって肝気の緊張を緩解し、神経の興奮を鎮めます。
当帰は肝血を潤し、肝の血行を良くし、血虚を治します。
川芎は肝血をよく疎通させます。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
効能:体質虚弱な婦人で、肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症
抑肝散が合う方よりもイライラし、怒りやすい方に使用します。
加味帰脾湯(かみきひとう)
効能:虚弱体質で血色の悪い人の次の諸症:貧血、不眠症、精神不安、神経症
不眠・疲れを強く感じる方に使用します。
流産後の不調
流産は昔から「小産」と言うように、小さい(軽い)出産という意味です。
流産後の不調は基本的には産後と同じです。気虚・血虚・瘀血の症状はいずれも軽い傾向にあり、治療期間は産後と比べ短く、1~2ヶ月ほどで回復が見込めます。
富士堂漢方薬局では、産後・流産後の不調に対しておからだに合う漢方薬をお選びします。お悩みの方はぜひご相談ください。
通院のお時間がとれない方、体調不良で通院困難な方などにはオンライン相談もおすすめしております。
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