2023.02.09漢方知識
漢方医学からみる冬の隠れ脱水
脱水症の予防と言えば夏の話だと思われがちですが、実は冬も脱水しやすい季節です。ただ、夏と比べ感じにくいため、「隠れ脱水」であると言えるでしょう。
今回は冬の脱水について、「原因」「病状」「対策」の3項目から見ていきたいと思います。
①摂取する水分量の減少
夏と比べ喉が渇きにくいため、水分を摂る意識が弱くなります。
②汗の不感蒸泄(ふかんじょうせつ)
空気が乾燥することにより、体の中、表面からの水分の蒸発量が多くなります。
不感蒸泄とは皮膚や粘膜、呼気から蒸発する水分のことを指します。逆に、汗など目に見えるものは有感蒸泄といいます。
③長風呂
気温が低く、冷えていると感じやすいため、湯船に長く浸かり、その結果、汗として水分が失われます。
④運動量の低下
寒い冬は体を動かすことが億劫に。その結果、血行不良や下肢のむくみを招きます。循環量が低下するため、むくみが出つつ、脱水状態になることもあります。
①肺燥
気道の繊毛運動の低下、咽頭痛や風邪や喘息などの呼吸器疾患の発生や増悪につながります。
②気陰不足
ふらつき・眩暈・頭痛・意欲低下・だるさなどの症状を引き起こします。
③瘀血
脱水は脳梗塞や心筋梗塞の発症に関係あります、特に高血圧や動脈硬化や糖尿病のある方に、その発症の可能性が高くなります。
隠れ脱水になる前に防ぐことが大事になります。
①水分補給
口の渇く前に水分を補給しましょう。食事の時にも水分やスープ類などを摂りましょう。
②加湿
加湿器などを使い、部屋の湿度を50%前後にしましょう。冬は湿度が30%以下の日が多く、暖房器具を使うことでより下がります。
③長風呂を避ける
長すぎるお風呂は避けましょう。お風呂の途中や後にすぐに水分を補給しましょう。
④適度な運動
血液循環を良くし、体内の水分代謝能力もアップします。
⑤フルーツを摂る
みかんやりんごなどのフルーツを適量摂りましょう。ミネラルの補給になるし、高血圧にもよいでしょう。ただし、摂り過ぎは禁物です。
⑥漢方薬を取り入れる
麦門冬・天門冬・知母・山薬・甘草などは肺陰を補って体を潤わせます。
当帰・地黄・芍薬・川芎などは皮膚や全身に潤いをもたらし、血行を改善させます。
さらに、病態に合わせて牡丹皮・桃仁・紅花・牛膝などで瘀血を取り除き、黄連・黄芩・山梔子・黄柏などでこもった熱毒をとります。
また、黄耆・茯苓・朮・防已などは浮腫み、人参・五味子などは疲労倦怠を解消します。
寒い日が続きますが、隠れ脱水に気を付けて冬を乗り越えていきましょう。
【関連項目】
>>記事「漢方医学からみる冬の健康」
>>記事「入浴で疲れを癒やしてリラックス|漢方薬局の入浴パック」
■オンライン相談について>>「オンライン漢方相談|来店なしでお薬お届け」
■漢方相談予約・お問合せ>>「お問い合わせ(LINE,WeChat,Skype,メールフォーム」
今回は冬の脱水について、「原因」「病状」「対策」の3項目から見ていきたいと思います。
1.原因
①摂取する水分量の減少
夏と比べ喉が渇きにくいため、水分を摂る意識が弱くなります。
②汗の不感蒸泄(ふかんじょうせつ)
空気が乾燥することにより、体の中、表面からの水分の蒸発量が多くなります。
不感蒸泄とは皮膚や粘膜、呼気から蒸発する水分のことを指します。逆に、汗など目に見えるものは有感蒸泄といいます。
③長風呂
気温が低く、冷えていると感じやすいため、湯船に長く浸かり、その結果、汗として水分が失われます。
④運動量の低下
寒い冬は体を動かすことが億劫に。その結果、血行不良や下肢のむくみを招きます。循環量が低下するため、むくみが出つつ、脱水状態になることもあります。
2.病状
①肺燥
気道の繊毛運動の低下、咽頭痛や風邪や喘息などの呼吸器疾患の発生や増悪につながります。
②気陰不足
ふらつき・眩暈・頭痛・意欲低下・だるさなどの症状を引き起こします。
③瘀血
脱水は脳梗塞や心筋梗塞の発症に関係あります、特に高血圧や動脈硬化や糖尿病のある方に、その発症の可能性が高くなります。
3.対策
隠れ脱水になる前に防ぐことが大事になります。
①水分補給
口の渇く前に水分を補給しましょう。食事の時にも水分やスープ類などを摂りましょう。
②加湿
加湿器などを使い、部屋の湿度を50%前後にしましょう。冬は湿度が30%以下の日が多く、暖房器具を使うことでより下がります。
③長風呂を避ける
長すぎるお風呂は避けましょう。お風呂の途中や後にすぐに水分を補給しましょう。
④適度な運動
血液循環を良くし、体内の水分代謝能力もアップします。
⑤フルーツを摂る
みかんやりんごなどのフルーツを適量摂りましょう。ミネラルの補給になるし、高血圧にもよいでしょう。ただし、摂り過ぎは禁物です。
⑥漢方薬を取り入れる
麦門冬・天門冬・知母・山薬・甘草などは肺陰を補って体を潤わせます。
当帰・地黄・芍薬・川芎などは皮膚や全身に潤いをもたらし、血行を改善させます。
さらに、病態に合わせて牡丹皮・桃仁・紅花・牛膝などで瘀血を取り除き、黄連・黄芩・山梔子・黄柏などでこもった熱毒をとります。
また、黄耆・茯苓・朮・防已などは浮腫み、人参・五味子などは疲労倦怠を解消します。
寒い日が続きますが、隠れ脱水に気を付けて冬を乗り越えていきましょう。
【関連項目】
>>記事「漢方医学からみる冬の健康」
>>記事「入浴で疲れを癒やしてリラックス|漢方薬局の入浴パック」
■オンライン相談について>>「オンライン漢方相談|来店なしでお薬お届け」
■漢方相談予約・お問合せ>>「お問い合わせ(LINE,WeChat,Skype,メールフォーム」
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