2021.05.06>高血圧
高血圧症および漢方医学治療
我が国では高血圧症の患者は4300万人にのぼると推定されており、主な国民病の一つです。高血圧は脳卒中や心筋梗塞、慢性腎臓病などの原因になるので、管理と治療がとても重要です。
しかし、「薬を服用したくない」「薬の副作用が怖い」「薬を飲み続けなけらばなくなるのが恐い」「少し高いだけだからまだ大丈夫」などの理由で、受診或いは治療を受けていない高血圧症の方は少なくありません。
今回、高血圧などについて、できるだけ分かりやすく解説した上で、漢方医学(漢方薬)での治療をご紹介します。
1.血圧
血圧とは、血液が血管壁に与える血管内圧のことです。一般にいう血圧は動脈血管の圧力を指します。血圧は心臓の働きや小さな動脈の抵抗、大きな動脈の硬さ、血液の量や粘度などによって決まり、心臓の収縮期に最大血圧(収縮期血圧)となり、拡張期に最小血圧(拡張期血圧)となります。
血圧の数値の単位はmmHgで表します。また、血圧は血液の量や粘度、腎臓、神経系、内分泌系など多くの因子の影響を受け、常に変動しています。
2.高血圧と高血圧症
通常、血圧は一定の範囲に維持されていますが、様々な原因で血圧が高くなることがあります。
高血圧は血圧が高いことを指しますが、例えば運動した時、怒っている時、精神的なストレスなどによる一時的なものもあります。
血圧が高い状態が持続する場合を、高血圧症と言います。この持続的な高血圧症は健康に様々な弊害を引き起こすため、治療や管理が大切になります。
3.高血圧の基準
日本高血圧学会は最新の高血圧の基準(2019年)を下表の通り公表しています。
(日本高血圧学会:The Japanese Society of Hypertension (jpnsh.jp) 【「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 高血圧の話】cover2 (jpnsh.jp)より引用)
高血圧は診察室血圧(病院の診察室で測定した血圧)では、最大血圧(収縮期血圧)>140 かつ/または最小血圧(拡張期血圧)>90;あるいは家庭血圧(自宅で測定した血圧)では、最大血圧(収縮期血圧)>135 かつ/または最小血圧(拡張期血圧)>85と定義されています。
血圧に対する個々の警戒意識を高めるため、診察室では最大血圧130-139 かつ最小血圧80-89、家庭では最大血圧125-134 かつ最小血圧75-84を高値血圧としました。
また、高血圧の中で、Ⅰ度高血圧、Ⅱ度高血圧、Ⅲ度高血圧、(孤立性)収縮期高血圧に分けられています。
4.高血圧の種類
血圧はあらゆる要因で変動し、環境や心理状態も数値に影響を与えます。
診察室と自宅で測る場合、下記の種類が想定できます。
①非高血圧:診察室でも自宅でも、測りえた血圧がすべて正常範囲内のことです。
②仮面高血圧:自宅で測ると血圧が高いですが、診察室で測る時は正常です。医者に「血圧が正常だから、大丈夫」と言われがちです。このタイプはそれほど多くないですが、放置したまま状態が悪くなることもあるので、医師に家庭血圧の数値を知らせた方が良いでしょう。
③白衣高血圧:診察室で測ると血圧が高いが、自宅で測ると高くないことです。このタイプはそれほど問題はないですが、今後自宅でも高くなる可能性もあるため、定期的に計測しましょう。
④持続性高血圧:自宅でも診察室でも、血圧が高いことです。治療や管理が必要です。
(日本高血圧学会:The Japanese Society of Hypertension (jpnsh.jp) 【「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 高血圧の話】cover2 (jpnsh.jp)より引用)
5.高血圧症の分類と原因
高血圧症は、本態性高血圧症と二次性高血圧に分けられます。
①本態性高血圧症
高血圧症全体の約90%を占めます。遺伝的な因子や生活習慣等の環境因子が関与しますが、原因がはっきりとわからないものです。遺伝、加齢、食塩過剰摂取、肥満、運動不足、ストレス、喫煙、大量飲酒などが原因として考えられます。
②二次性高血圧
原因がはっきりした高血圧症です。高血圧症全体の約10%を占めます。
二次性高血圧には、下記のものが挙げられます。
A.腎性高血圧:腎実質性(腎炎、慢性腎臓病)、腎血管性(腎動脈狭窄)
B.血管性高血圧:高安動脈炎、大動脈縮窄症
C.内分泌性高血圧:原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症、先端巨大症
D.神経性高血圧:脳腫瘍、脳出血、脳炎など
E.その他:閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)、妊娠高血圧症候群(PIH)、甘草(グリチルリチン)などによる偽アルドステロン症、Liddle症候群によるなど
二次性高血圧は高血圧を引き起こす原因を除けば、高血圧は治ります。
6.血圧の調節
通常、生体の恒常性とは外界の環境の変化に対し、生体を安定した恒常的な状態に保とうとする仕組みで、神経、内分泌、免疫の相互作用によって維持されています。血圧も体温や体液などと同じく正常の範囲に調整されています。
血圧調節には多くの因子が関与しており、そのなかでも自律神経系を中心とした神経性調節と、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系( RAA系)を中心とした液性調節の影響を強く受けて一定に調節されています。
①短期調節系(秒):圧受容器反射、化学受容器反射→交感神経活性化などによる神経性調節が主に関与します。
②中期調節系(分〜時間):動脈壁の緊張・弛緩、 RAA系の活性化、毛細血管内外での体液の移動などを通して血管抵抗、血液量の調整にかかわります。
③長期調節系(数時間〜):腎臓における体液量調節、RAA系、パソプレシン(抗利尿ホルモン)を通じて体液量、血液量の調整を行います。
7.高血圧症の危害
高血圧は全身の血管を中心に大きな危害を与えます。動脈硬化脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症・腎不全、心臓肥大、心筋梗塞、心不全、不整脈、眼底出血などを引き起こします。
(ケアネット (carenet.com)より引用)
8.血圧と生活習慣
食事、運動、嗜好品、ストレス管理、体重管理、禁煙、節酒などの生活習慣を見直すことで高血圧の予防や改善が期待できます。
具体的には減塩(一日6g以下)、肥満の予防や改善、節酒、禁煙、規則的な生活、ストレスがため込めない、よい運動習慣、食事バランスなどが有効です。その他、防寒(冬でも室温を18℃以上)、お風呂を入る際に大きい温度差を避けることなども大切です。
(日本高血圧学会:The Japanese Society of Hypertension (jpnsh.jp) 【「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 高血圧の話】cover2 (jpnsh.jp)より引用)
8.高血圧の漢方治療
①高血圧症に用いられる漢方薬
許志泉の『漢方求真』を参考にまとめると、高血圧症には下記の漢方処方がよく用いられます。
麻黄剤:葛根湯、続命湯、麻黄湯
桂枝剤:桂枝茯苓丸、桃核承気湯、五苓散
柴胡剤:大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、抑肝散、冠脈通塞丸(柴胡地黄剤)
黄耆剤:当帰芍薬散加黄耆釣藤鈎、七物降下湯(地黄黄耆剤)
大黄剤:三黄瀉心湯、防風通聖散、大黄牡丹皮湯、九味梹榔湯、通導散、大承気湯
地黄剤:八味丸(六味丸、知柏地黄丸、牛車腎気丸、味麦地黄丸)、四物湯
半夏剤:釣藤散(半夏石膏剤)、半夏厚朴湯
芩連剤:黄連解毒湯、三黄瀉心湯、葛根黄芩黄連湯
附子剤:真武湯
タンジン製剤:冠元顆粒
川芎製剤:川芎茶調散
牛黄製剤:カイキョー(牛黄カプセル)
②漢方処方治療のメカニズム
漢方治療のメカニズムは現代医学と共通の部分もあり、また独特な部分もあります。そのため、漢方医学の特徴をよく理解したうえで治療を施すのが望ましいです。
--メカニズム と漢方処方(例)--
血液量 六味丸・八味丸、五苓散、当帰芍薬散加黄耆釣藤鈎
寒による血管収縮 葛根湯、麻黄湯、続命湯
肥満・積滞 防風通聖散、大柴胡湯、大承気湯、通導散
ストレス 柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散、三黄瀉心湯、黄連解毒湯、大柴胡湯、半夏厚朴湯
気逆 桂枝茯苓丸、桃核承気湯、釣藤散、抑肝散
瘀血 桂枝茯苓丸、地黄剤、当帰芍薬散加黄耆釣藤鈎、冠元顆粒
熱毒 三黄瀉心湯、黄連解毒湯、防風通聖散、大承気湯
痰滞 釣藤散、半夏厚朴湯
虚弱による調節障害 当帰芍薬散加黄耆釣藤鈎、真武湯、七物降下湯、釣藤散、抑肝散
臓器障害 腎:八味丸など、七物降下湯 心:真武湯、胃腸:釣藤散、動脈硬化:冠元顆粒、防風通聖散、柴胡加竜骨牡蛎湯 etc.
③高血圧症の漢方治療の注意点
高血圧症の漢方治療では、以下に注意しましょう。
A.漢方の専門家に相談をした上で治療を進めましょう。“漢方薬はからだにやさしいから、副作用があまりないよね”などと、自己判断で服用しないこと。
B.生活改善を同時に実行しましょう。
C.血圧手帳をつけて、定期的に漢方の専門家に相談しましょう。
D.定期的な健診、また高血圧に関連する検査、生活習慣病のチェックを総合的に行いながら、健康管理をしましょう。
今回の話は以上となりますが、高血圧、高血圧症、および漢方治療などに対して少しでも深くご理解いただければ幸いです。また、何かご質問やご相談があれば、遠慮なくお問合せください。
富士堂漢方医学研究所 所長 医学博士 許志泉
■漢方相談予約・お問合せ>>「お問い合わせ(LINE,WeChat,Skype,メールフォーム」
■オンライン相談もご利用ください>>「オンライン漢方相談|来店なしでお薬お届け」
>>所長 許志泉のインタビューはこちら
しかし、「薬を服用したくない」「薬の副作用が怖い」「薬を飲み続けなけらばなくなるのが恐い」「少し高いだけだからまだ大丈夫」などの理由で、受診或いは治療を受けていない高血圧症の方は少なくありません。
今回、高血圧などについて、できるだけ分かりやすく解説した上で、漢方医学(漢方薬)での治療をご紹介します。
1.血圧
血圧とは、血液が血管壁に与える血管内圧のことです。一般にいう血圧は動脈血管の圧力を指します。血圧は心臓の働きや小さな動脈の抵抗、大きな動脈の硬さ、血液の量や粘度などによって決まり、心臓の収縮期に最大血圧(収縮期血圧)となり、拡張期に最小血圧(拡張期血圧)となります。
血圧の数値の単位はmmHgで表します。また、血圧は血液の量や粘度、腎臓、神経系、内分泌系など多くの因子の影響を受け、常に変動しています。
2.高血圧と高血圧症
通常、血圧は一定の範囲に維持されていますが、様々な原因で血圧が高くなることがあります。
高血圧は血圧が高いことを指しますが、例えば運動した時、怒っている時、精神的なストレスなどによる一時的なものもあります。
血圧が高い状態が持続する場合を、高血圧症と言います。この持続的な高血圧症は健康に様々な弊害を引き起こすため、治療や管理が大切になります。
3.高血圧の基準
日本高血圧学会は最新の高血圧の基準(2019年)を下表の通り公表しています。
(日本高血圧学会:The Japanese Society of Hypertension (jpnsh.jp) 【「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 高血圧の話】cover2 (jpnsh.jp)より引用)
高血圧は診察室血圧(病院の診察室で測定した血圧)では、最大血圧(収縮期血圧)>140 かつ/または最小血圧(拡張期血圧)>90;あるいは家庭血圧(自宅で測定した血圧)では、最大血圧(収縮期血圧)>135 かつ/または最小血圧(拡張期血圧)>85と定義されています。
血圧に対する個々の警戒意識を高めるため、診察室では最大血圧130-139 かつ最小血圧80-89、家庭では最大血圧125-134 かつ最小血圧75-84を高値血圧としました。
また、高血圧の中で、Ⅰ度高血圧、Ⅱ度高血圧、Ⅲ度高血圧、(孤立性)収縮期高血圧に分けられています。
4.高血圧の種類
血圧はあらゆる要因で変動し、環境や心理状態も数値に影響を与えます。
診察室と自宅で測る場合、下記の種類が想定できます。
①非高血圧:診察室でも自宅でも、測りえた血圧がすべて正常範囲内のことです。
②仮面高血圧:自宅で測ると血圧が高いですが、診察室で測る時は正常です。医者に「血圧が正常だから、大丈夫」と言われがちです。このタイプはそれほど多くないですが、放置したまま状態が悪くなることもあるので、医師に家庭血圧の数値を知らせた方が良いでしょう。
③白衣高血圧:診察室で測ると血圧が高いが、自宅で測ると高くないことです。このタイプはそれほど問題はないですが、今後自宅でも高くなる可能性もあるため、定期的に計測しましょう。
④持続性高血圧:自宅でも診察室でも、血圧が高いことです。治療や管理が必要です。
(日本高血圧学会:The Japanese Society of Hypertension (jpnsh.jp) 【「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 高血圧の話】cover2 (jpnsh.jp)より引用)
5.高血圧症の分類と原因
高血圧症は、本態性高血圧症と二次性高血圧に分けられます。
①本態性高血圧症
高血圧症全体の約90%を占めます。遺伝的な因子や生活習慣等の環境因子が関与しますが、原因がはっきりとわからないものです。遺伝、加齢、食塩過剰摂取、肥満、運動不足、ストレス、喫煙、大量飲酒などが原因として考えられます。
②二次性高血圧
原因がはっきりした高血圧症です。高血圧症全体の約10%を占めます。
二次性高血圧には、下記のものが挙げられます。
A.腎性高血圧:腎実質性(腎炎、慢性腎臓病)、腎血管性(腎動脈狭窄)
B.血管性高血圧:高安動脈炎、大動脈縮窄症
C.内分泌性高血圧:原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症、先端巨大症
D.神経性高血圧:脳腫瘍、脳出血、脳炎など
E.その他:閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)、妊娠高血圧症候群(PIH)、甘草(グリチルリチン)などによる偽アルドステロン症、Liddle症候群によるなど
二次性高血圧は高血圧を引き起こす原因を除けば、高血圧は治ります。
6.血圧の調節
通常、生体の恒常性とは外界の環境の変化に対し、生体を安定した恒常的な状態に保とうとする仕組みで、神経、内分泌、免疫の相互作用によって維持されています。血圧も体温や体液などと同じく正常の範囲に調整されています。
血圧調節には多くの因子が関与しており、そのなかでも自律神経系を中心とした神経性調節と、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系( RAA系)を中心とした液性調節の影響を強く受けて一定に調節されています。
①短期調節系(秒):圧受容器反射、化学受容器反射→交感神経活性化などによる神経性調節が主に関与します。
②中期調節系(分〜時間):動脈壁の緊張・弛緩、 RAA系の活性化、毛細血管内外での体液の移動などを通して血管抵抗、血液量の調整にかかわります。
③長期調節系(数時間〜):腎臓における体液量調節、RAA系、パソプレシン(抗利尿ホルモン)を通じて体液量、血液量の調整を行います。
7.高血圧症の危害
高血圧は全身の血管を中心に大きな危害を与えます。動脈硬化脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症・腎不全、心臓肥大、心筋梗塞、心不全、不整脈、眼底出血などを引き起こします。
(ケアネット (carenet.com)より引用)
8.血圧と生活習慣
食事、運動、嗜好品、ストレス管理、体重管理、禁煙、節酒などの生活習慣を見直すことで高血圧の予防や改善が期待できます。
具体的には減塩(一日6g以下)、肥満の予防や改善、節酒、禁煙、規則的な生活、ストレスがため込めない、よい運動習慣、食事バランスなどが有効です。その他、防寒(冬でも室温を18℃以上)、お風呂を入る際に大きい温度差を避けることなども大切です。
(日本高血圧学会:The Japanese Society of Hypertension (jpnsh.jp) 【「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子 高血圧の話】cover2 (jpnsh.jp)より引用)
8.高血圧の漢方治療
①高血圧症に用いられる漢方薬
許志泉の『漢方求真』を参考にまとめると、高血圧症には下記の漢方処方がよく用いられます。
麻黄剤:葛根湯、続命湯、麻黄湯
桂枝剤:桂枝茯苓丸、桃核承気湯、五苓散
柴胡剤:大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、抑肝散、冠脈通塞丸(柴胡地黄剤)
黄耆剤:当帰芍薬散加黄耆釣藤鈎、七物降下湯(地黄黄耆剤)
大黄剤:三黄瀉心湯、防風通聖散、大黄牡丹皮湯、九味梹榔湯、通導散、大承気湯
地黄剤:八味丸(六味丸、知柏地黄丸、牛車腎気丸、味麦地黄丸)、四物湯
半夏剤:釣藤散(半夏石膏剤)、半夏厚朴湯
芩連剤:黄連解毒湯、三黄瀉心湯、葛根黄芩黄連湯
附子剤:真武湯
タンジン製剤:冠元顆粒
川芎製剤:川芎茶調散
牛黄製剤:カイキョー(牛黄カプセル)
②漢方処方治療のメカニズム
漢方治療のメカニズムは現代医学と共通の部分もあり、また独特な部分もあります。そのため、漢方医学の特徴をよく理解したうえで治療を施すのが望ましいです。
--メカニズム と漢方処方(例)--
血液量 六味丸・八味丸、五苓散、当帰芍薬散加黄耆釣藤鈎
寒による血管収縮 葛根湯、麻黄湯、続命湯
肥満・積滞 防風通聖散、大柴胡湯、大承気湯、通導散
ストレス 柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散、三黄瀉心湯、黄連解毒湯、大柴胡湯、半夏厚朴湯
気逆 桂枝茯苓丸、桃核承気湯、釣藤散、抑肝散
瘀血 桂枝茯苓丸、地黄剤、当帰芍薬散加黄耆釣藤鈎、冠元顆粒
熱毒 三黄瀉心湯、黄連解毒湯、防風通聖散、大承気湯
痰滞 釣藤散、半夏厚朴湯
虚弱による調節障害 当帰芍薬散加黄耆釣藤鈎、真武湯、七物降下湯、釣藤散、抑肝散
臓器障害 腎:八味丸など、七物降下湯 心:真武湯、胃腸:釣藤散、動脈硬化:冠元顆粒、防風通聖散、柴胡加竜骨牡蛎湯 etc.
③高血圧症の漢方治療の注意点
高血圧症の漢方治療では、以下に注意しましょう。
A.漢方の専門家に相談をした上で治療を進めましょう。“漢方薬はからだにやさしいから、副作用があまりないよね”などと、自己判断で服用しないこと。
B.生活改善を同時に実行しましょう。
C.血圧手帳をつけて、定期的に漢方の専門家に相談しましょう。
D.定期的な健診、また高血圧に関連する検査、生活習慣病のチェックを総合的に行いながら、健康管理をしましょう。
今回の話は以上となりますが、高血圧、高血圧症、および漢方治療などに対して少しでも深くご理解いただければ幸いです。また、何かご質問やご相談があれば、遠慮なくお問合せください。
富士堂漢方医学研究所 所長 医学博士 許志泉
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