2024.04.24>不眠症
【不眠症・睡眠障害】漢方で睡眠薬をやめられた3症例
近年、人々の生活様式が多様化し、情報が多い社会の中で、不眠症・睡眠障害で悩む人は増えてきています。眠れないことによるストレスや焦り・不安だけではなく、集中力の低下、意欲の低下など生活に支障を来たし、日常生活に様々な弊害をもたらします。
今回は不眠でお悩みの方へ、不眠症の分類・原因、改善のための生活習慣、不眠症の漢方薬を解説するとともに、「漢方服用で睡眠薬を手放せた3症例」についてご紹介させて頂きます。
入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害など睡眠の問題が一カ月以上続き、日中に倦怠感や意欲低下・集中力が低下するなども症状を来すものです。
そんな不眠症には、以下の4つのタイプがあります。
1.入眠困難 寝付くまでに時間がかかる
2.中途覚醒 途中で何度も起きてしまう
3.早朝覚醒 目覚まし時計よりも早めに目が覚めてしまう
4.熟眠障害 眠りが浅く夢を見がち
眠ることには疲れを回復するだけでなく、精神を安定させ、不要な記憶を処理し、必要な記憶を定着させるなどの効果があります。
逆に睡眠不足が続くと血行不良、血圧や血糖値の上昇、免疫力の低下、認知症リスク増大などにつながるので注意が必要です。
不眠になる原因として、下記のような内容があげられます。
1.ストレス:普段から緊張しやすい、責任の重い仕事についている、不安感が強いなど
2.スマートフォン・PCの見過ぎ:ブルーライトの刺激により眠れなくなります
3.加齢:加齢によって体内時計がずれてくるため眠れなくなります
4.栄養不良:充分な栄養を取っていないため脳を栄養で養うことができなくなり不眠を引き起こします
心地良い睡眠を得るために日常生活の中で気を付けた方がいいでしょう。
1.入浴:巡りがよくなることでリラックス効果を期待できます。また入浴して体を温め、寝る直前に深部体温下がることにより、良い睡眠へと導きやすくなります。
2.スマートフォンやパソコンを見すぎない:光の刺激により脳が覚醒してしまいますので、寝る前のスマートフォン・パソコンは避けるようにしましょう。
3.夕方からはリラックスして過ごす:人間の脳はいきなりスイッチオフにはなりません。夕方以降も頭を使いすぎることや寝る直前まで仕事をするなどは避けて過ごしていった方がいいでしょう。
4.朝起きたら太陽光を浴びる:朝、太陽光を浴びることで、約14時間後に睡眠を促す物質メラトニンが分泌されます。このことによって体内時計がリセットされます。
5.リラックスを心がける:緊張して、体に力が入っている状態では良い睡眠は得られません。日頃から、疲れる前にリラックスを心がけるようにしましょう。
【柴胡剤】:柴胡加竜骨牡蛎湯 抑肝散 加味逍遥散など
気を巡らせリラックスを助ける処方。ストレスによって自律神経が乱れ気の巡りが悪くなっている人に使う処方です。普段から緊張が強く、肋骨下を抑えると抵抗・痛みを感じる人に使用します。
【桂枝剤】:桂枝加竜骨牡蠣湯など
神経過敏によって睡眠の質が悪くなっている人 動悸や自然発汗などの症状もみられます。
【地黄剤】:知柏地黄丸 杞菊地黄丸 三物黄芩湯
手足のほてり、足のむずむず感を伴う入眠困難、加齢による夜間尿での中途覚醒や早朝覚醒なども見られるタイプに使用することがあります。
【その他】:加味帰脾湯 酸棗仁湯 牛黄カプセル など
加味帰脾湯 普段から心配事が多く、食が細い。眠りが浅くて夢を多く見るタイプ。
酸棗仁湯 脳に酸素がいかないため眠れない症状がでている人に用います。
牛黄カプセル 考え過ぎて脳が充血してしまっていて、ヒートアップしているタイプに用います。
~睡眠薬と漢方薬との併用~
漢方薬は眠りやすい体質へと少しずつ導くものです。しばらくの間、睡眠薬と併用しながら漢方薬の服用を続け、睡眠薬を徐々に減量していくといいでしょう。
【症例1】80代 女性
40代から徐々に不眠症が現れるようになる。60代になると睡眠導入剤を服用しないと眠れなくなる。普段は腎機能低下による蛋白質の制限をしていることから貧血も見られる。痩せ、食欲が以前より落ちる、睡眠導入剤によって記憶力が安定しなくなった気がするとのこと。
⇒人参養栄湯と酸棗仁湯の煎じ薬を併用。
2週間で睡眠導入剤を手放す。睡眠導入剤なしで起きた朝のすっきり感が嬉しいとのことでご報告頂きました。
【症例2】30代 女性(経営者)
眠れない日が一週間続き睡眠薬を服用。眠れないことによるイライラ・焦燥感あり。
仕事のことが頭から離れず、落ち着かない。相談中も言葉がうまくまとまらない。体に力が入りすぎ緊張状態にある。夜間、歯のくいしばりもある。
⇒抑肝散加陳皮半夏と加味帰脾湯を併用。
一週間後に睡眠薬なしで眠れるようになる。精神的にも落ち着きオンオフの切り替えができるようになりました。
【症例3】20代 女性
20歳から寝つきが悪い。6年間睡眠薬を毎日服用していた。ストレスはなく、症状としてあるのは貧血のみ。
⇒酸棗仁湯と知柏地黄丸を併用。
最初の2週間で睡眠薬が半量に。4週間後には睡眠薬を手放すことができ、2カ月後に漢方薬を卒業できました。
良い睡眠は健康のバロメーターの一つです。特に精神的な健康状態と深く関係しています。
不眠症は漢方薬で改善していくことができます。筆者も産後何度も子供に起こされているうちに、不眠症に悩まされた一人です。睡眠薬がいらなくなった時に迎える朝の清々しさを是非経験して頂きたいと思います。
最近眠れなくなった方、長年眠れなくて悩んでいる方は諦めずにぜひご相談ください。
■漢方相談予約・お問合せ>>「お問い合わせ(LINE,WeChat,Skype,メールフォーム」
■オンライン相談について詳しくはこちら>>「オンライン漢方相談|来店なしでお薬お届け」
□漢方相談をご検討中の方へ>>「よくあるご質問Q&A」「お客様の声(2019-2021年)」
今回は不眠でお悩みの方へ、不眠症の分類・原因、改善のための生活習慣、不眠症の漢方薬を解説するとともに、「漢方服用で睡眠薬を手放せた3症例」についてご紹介させて頂きます。
1.不眠症4分類
入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害など睡眠の問題が一カ月以上続き、日中に倦怠感や意欲低下・集中力が低下するなども症状を来すものです。
そんな不眠症には、以下の4つのタイプがあります。
1.入眠困難 寝付くまでに時間がかかる
2.中途覚醒 途中で何度も起きてしまう
3.早朝覚醒 目覚まし時計よりも早めに目が覚めてしまう
4.熟眠障害 眠りが浅く夢を見がち
眠ることには疲れを回復するだけでなく、精神を安定させ、不要な記憶を処理し、必要な記憶を定着させるなどの効果があります。
逆に睡眠不足が続くと血行不良、血圧や血糖値の上昇、免疫力の低下、認知症リスク増大などにつながるので注意が必要です。
2.不眠症の原因
不眠になる原因として、下記のような内容があげられます。
1.ストレス:普段から緊張しやすい、責任の重い仕事についている、不安感が強いなど
2.スマートフォン・PCの見過ぎ:ブルーライトの刺激により眠れなくなります
3.加齢:加齢によって体内時計がずれてくるため眠れなくなります
4.栄養不良:充分な栄養を取っていないため脳を栄養で養うことができなくなり不眠を引き起こします
3.不眠改善に役立つ生活習慣を身に付けよう
心地良い睡眠を得るために日常生活の中で気を付けた方がいいでしょう。
1.入浴:巡りがよくなることでリラックス効果を期待できます。また入浴して体を温め、寝る直前に深部体温下がることにより、良い睡眠へと導きやすくなります。
2.スマートフォンやパソコンを見すぎない:光の刺激により脳が覚醒してしまいますので、寝る前のスマートフォン・パソコンは避けるようにしましょう。
3.夕方からはリラックスして過ごす:人間の脳はいきなりスイッチオフにはなりません。夕方以降も頭を使いすぎることや寝る直前まで仕事をするなどは避けて過ごしていった方がいいでしょう。
4.朝起きたら太陽光を浴びる:朝、太陽光を浴びることで、約14時間後に睡眠を促す物質メラトニンが分泌されます。このことによって体内時計がリセットされます。
5.リラックスを心がける:緊張して、体に力が入っている状態では良い睡眠は得られません。日頃から、疲れる前にリラックスを心がけるようにしましょう。
4.不眠症によく使われる漢方薬
【柴胡剤】:柴胡加竜骨牡蛎湯 抑肝散 加味逍遥散など
気を巡らせリラックスを助ける処方。ストレスによって自律神経が乱れ気の巡りが悪くなっている人に使う処方です。普段から緊張が強く、肋骨下を抑えると抵抗・痛みを感じる人に使用します。
【桂枝剤】:桂枝加竜骨牡蠣湯など
神経過敏によって睡眠の質が悪くなっている人 動悸や自然発汗などの症状もみられます。
【地黄剤】:知柏地黄丸 杞菊地黄丸 三物黄芩湯
手足のほてり、足のむずむず感を伴う入眠困難、加齢による夜間尿での中途覚醒や早朝覚醒なども見られるタイプに使用することがあります。
【その他】:加味帰脾湯 酸棗仁湯 牛黄カプセル など
加味帰脾湯 普段から心配事が多く、食が細い。眠りが浅くて夢を多く見るタイプ。
酸棗仁湯 脳に酸素がいかないため眠れない症状がでている人に用います。
牛黄カプセル 考え過ぎて脳が充血してしまっていて、ヒートアップしているタイプに用います。
~睡眠薬と漢方薬との併用~
漢方薬は眠りやすい体質へと少しずつ導くものです。しばらくの間、睡眠薬と併用しながら漢方薬の服用を続け、睡眠薬を徐々に減量していくといいでしょう。
5.漢方が著効し睡眠薬を手放せた不眠症3症例
【症例1】80代 女性
40代から徐々に不眠症が現れるようになる。60代になると睡眠導入剤を服用しないと眠れなくなる。普段は腎機能低下による蛋白質の制限をしていることから貧血も見られる。痩せ、食欲が以前より落ちる、睡眠導入剤によって記憶力が安定しなくなった気がするとのこと。
⇒人参養栄湯と酸棗仁湯の煎じ薬を併用。
2週間で睡眠導入剤を手放す。睡眠導入剤なしで起きた朝のすっきり感が嬉しいとのことでご報告頂きました。
【症例2】30代 女性(経営者)
眠れない日が一週間続き睡眠薬を服用。眠れないことによるイライラ・焦燥感あり。
仕事のことが頭から離れず、落ち着かない。相談中も言葉がうまくまとまらない。体に力が入りすぎ緊張状態にある。夜間、歯のくいしばりもある。
⇒抑肝散加陳皮半夏と加味帰脾湯を併用。
一週間後に睡眠薬なしで眠れるようになる。精神的にも落ち着きオンオフの切り替えができるようになりました。
【症例3】20代 女性
20歳から寝つきが悪い。6年間睡眠薬を毎日服用していた。ストレスはなく、症状としてあるのは貧血のみ。
⇒酸棗仁湯と知柏地黄丸を併用。
最初の2週間で睡眠薬が半量に。4週間後には睡眠薬を手放すことができ、2カ月後に漢方薬を卒業できました。
おわりに~良い睡眠は健康のバロメーター~
良い睡眠は健康のバロメーターの一つです。特に精神的な健康状態と深く関係しています。
不眠症は漢方薬で改善していくことができます。筆者も産後何度も子供に起こされているうちに、不眠症に悩まされた一人です。睡眠薬がいらなくなった時に迎える朝の清々しさを是非経験して頂きたいと思います。
最近眠れなくなった方、長年眠れなくて悩んでいる方は諦めずにぜひご相談ください。
■漢方相談予約・お問合せ>>「お問い合わせ(LINE,WeChat,Skype,メールフォーム」
■オンライン相談について詳しくはこちら>>「オンライン漢方相談|来店なしでお薬お届け」
□漢方相談をご検討中の方へ>>「よくあるご質問Q&A」「お客様の声(2019-2021年)」
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