2020.10.28>アトピー・皮膚炎・蕁麻疹・乾癬など
乾燥性皮膚炎の痒みが漢方薬で軽快、自律神経の乱れも改善
冬場など気温が低く乾燥しがちな季節になると増える主訴が『皮膚のかゆみ』です。
繰り返すかゆみに悩まされ、夜も熟睡できないことが数年以上続く、そんなケースも珍しくありません。
今回は10年以上、皮膚のかゆみに悩まされてきた60歳の患者様の症例について見ていきましょう。
担当 所長・許志泉先生
数年前の冬(2月)。皮膚掻痒10年間、口渇、煩躁、集中力や記憶力の低下を訴えた60歳の女性が、漢方治療を求めてご来店。
10年前=50歳(更年期)になってから、冬に背中にかゆみを伴う赤い湿疹が出るようになりました。
症状は年々悪化し冬のみでなく夏以外の季節にも症状が出るようになりました。
最終的には一年中ひどい痒みが出るようになり、皮膚表面はカサカサ乾燥。2年ぐらい前より腹部、胸部までに広がり、全身に広がりました。
口がいつも渇き、カラカラでお茶をよく飲む。膣の乾燥感や痛みを感じる。
物忘れが頻繁にあり、病院で認知症テストをしたが、結果は正常だった。
汗はかかない。食欲はある。一日一回排便あり。
ドライアイではない。運動習慣はない。
既往歴:3年前に帯状疱疹
薬歴、副作用:ピリン系鎮痛剤で発疹が出る
中医学では、血が虚にして風・燥が生じて痒くなり、風・燥は「熱毒」に化けていると判断。
そこで、漢方治療は血を養い、風を袪し、燥を潤し、熱毒をさまし、痒みを止めることをねらいとした。
漢方薬は当帰・地黄・シツリシ・芍薬・川芎・防風・荊芥・何首烏・黄柏・荊芥・山梔子・黄連・黄柏・黄芩・茵陳蒿などを選択。
漢方服用後、2週間のうちに効き目を感じた。
痒みがみるみる軽快。その他、のどの渇き・集中しにくい・健忘やボーっとする症状なども改善。
一年間の治療で、すべての症状はなくなり、漢方治療は終了となりました。
この症例は、三つの段階で捉えることができます。
1、<冬のみ>単純な乾燥性皮膚炎
50歳より毎年冬に出る皮膚乾燥は、乾燥性皮膚炎とみるべきでしょう。
また、膣の乾燥や痛みもあり、乾燥性膣炎ともいえるでしょう。
2、<一年中>皮膚掻痒・皮膚炎
冬のみだった症状が、一年中みられる皮膚掻痒・皮膚炎に変貌しました。
皮膚掻痒および掻き壊すことで皮膚がより敏感になり、一年中痒い状態となってしまいました。
3、皮膚掻痒・皮膚炎による不眠、精神面や自律神経失調症
皮膚掻痒・皮膚炎による眠れない、イライラなどの精神面や自律神経失調症となっている段階です。
皮膚掻痒・皮膚炎による熱毒が生じてきて、イライラ・睡眠障害・喉の乾燥感・記憶低下・自律神経の乱れがでました。
この症例から見えることは、皮膚症状が皮膚の局部だけではなく、全身にも影響することです。
外用薬のみの治療では不足があり、体質を踏まえて根本から、より全体的に漢方治療を行うことが肝要です。
富士堂漢方薬局所長・医学博士 許志泉
【関連記事】
>>症例:アトピー性皮膚炎(10年以上)が漢方1年で寛解
>>症例:ステロイド性皮膚炎の漢方治療
>>蕁麻疹に対する漢方医学の認識と漢方薬治療
>>アトピー・湿疹・蕁麻疹と漢方治療症例
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繰り返すかゆみに悩まされ、夜も熟睡できないことが数年以上続く、そんなケースも珍しくありません。
今回は10年以上、皮膚のかゆみに悩まされてきた60歳の患者様の症例について見ていきましょう。
担当 所長・許志泉先生
1年中ひどい痒みあり、記憶力の低下も気になります|漢方治療のスタート
数年前の冬(2月)。皮膚掻痒10年間、口渇、煩躁、集中力や記憶力の低下を訴えた60歳の女性が、漢方治療を求めてご来店。
10年前=50歳(更年期)になってから、冬に背中にかゆみを伴う赤い湿疹が出るようになりました。
症状は年々悪化し冬のみでなく夏以外の季節にも症状が出るようになりました。
最終的には一年中ひどい痒みが出るようになり、皮膚表面はカサカサ乾燥。2年ぐらい前より腹部、胸部までに広がり、全身に広がりました。
患者様について|体質・生活習慣など
口がいつも渇き、カラカラでお茶をよく飲む。膣の乾燥感や痛みを感じる。
物忘れが頻繁にあり、病院で認知症テストをしたが、結果は正常だった。
汗はかかない。食欲はある。一日一回排便あり。
ドライアイではない。運動習慣はない。
既往歴:3年前に帯状疱疹
薬歴、副作用:ピリン系鎮痛剤で発疹が出る
漢方治療プラン|血を養い、熱毒をさまし、痒みを止める
中医学では、血が虚にして風・燥が生じて痒くなり、風・燥は「熱毒」に化けていると判断。
そこで、漢方治療は血を養い、風を袪し、燥を潤し、熱毒をさまし、痒みを止めることをねらいとした。
漢方薬は当帰・地黄・シツリシ・芍薬・川芎・防風・荊芥・何首烏・黄柏・荊芥・山梔子・黄連・黄柏・黄芩・茵陳蒿などを選択。
漢方服用後の経過|漢方薬の効果を二週間で感じるように。痒みがみるみる軽快!
漢方服用後、2週間のうちに効き目を感じた。
痒みがみるみる軽快。その他、のどの渇き・集中しにくい・健忘やボーっとする症状なども改善。
一年間の治療で、すべての症状はなくなり、漢方治療は終了となりました。
本症例から分かる3つのこと|皮膚掻痒・皮膚炎によって不眠、自律神経失調症も生じた
この症例は、三つの段階で捉えることができます。
1、<冬のみ>単純な乾燥性皮膚炎
50歳より毎年冬に出る皮膚乾燥は、乾燥性皮膚炎とみるべきでしょう。
また、膣の乾燥や痛みもあり、乾燥性膣炎ともいえるでしょう。
2、<一年中>皮膚掻痒・皮膚炎
冬のみだった症状が、一年中みられる皮膚掻痒・皮膚炎に変貌しました。
皮膚掻痒および掻き壊すことで皮膚がより敏感になり、一年中痒い状態となってしまいました。
3、皮膚掻痒・皮膚炎による不眠、精神面や自律神経失調症
皮膚掻痒・皮膚炎による眠れない、イライラなどの精神面や自律神経失調症となっている段階です。
皮膚掻痒・皮膚炎による熱毒が生じてきて、イライラ・睡眠障害・喉の乾燥感・記憶低下・自律神経の乱れがでました。
この症例から見えることは、皮膚症状が皮膚の局部だけではなく、全身にも影響することです。
外用薬のみの治療では不足があり、体質を踏まえて根本から、より全体的に漢方治療を行うことが肝要です。
富士堂漢方薬局所長・医学博士 許志泉
【関連記事】
>>症例:アトピー性皮膚炎(10年以上)が漢方1年で寛解
>>症例:ステロイド性皮膚炎の漢方治療
>>蕁麻疹に対する漢方医学の認識と漢方薬治療
>>アトピー・湿疹・蕁麻疹と漢方治療症例
■漢方相談予約・お問合せ>>「お問い合わせ(LINE,WeChat,Skype,メールフォーム」
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□漢方相談をご検討中の方へ>>【漢方相談Q&A】
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