2020.10.10>産前・産後ケア
産後うつに「血」を養う漢方
先日、日本を代表する女優が自ら命を絶ち、この世を去りました。生後8カ月の子供を残し、様々な憶測が飛び交い報道される中、お問い合わせの多い「産後うつ」に関して今回はご紹介させて頂きます。
妊娠中は妊娠を維持するためにエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが大量に分泌されている状態です。これらの女性ホルモンは、妊娠を維持するだけでなく精神の安定にも関係しています。出産後ホルモンバランスが大きく変化することで精神的に不安定になりやすくなるのは当然のこと。産後2週間以内は心身の変化は起こり得るものなので心配要りませんが、2週間以上続くようであれば何らかの対応を考えなければなりません。
また、寝不足など今までの生活とは異なり様々な制限のある生活を送ることに心身共に慣れなかったり、夫や周囲からの協力が得られないワンオペ育児など様々な係数が絡み合い、産後うつの状態と陥ってしまうのです。
・なんでもないのに泣けてくる
・不安感が強い
・極度の疲労を感じる
・急に怒りっぽくなる
・ふさぎ込む
これらの症状が見られるようになります。人とは普通に話せるし、今まで通り仕事もこなせてしまうので、周りからは一見して産後うつに見えない場合もあります。社会的生活は今まで通りこなせてしまう分、自分自身でも気づきにくいことがあります。
今まで自分一人で何でもこなしてきてしまった人は、産後周囲からの協力が得られなかったとしても一人で何とかこなしてしまおうとして実は知らず知らずのうちに大きく負担がかかっていることがあります。
また、強かった時の自分が弱くなった自分を認めることができないという人も今の自分を受け入れがたく鬱になりやすいので注意が必要です。
漢方医学的には出産は大量の「血(ケツ)」を失うことです。また授乳によっても「血」は失われます。「血」は体を栄養する役割だけでなく、精神を落ち着ける物質でもありますので、この「血」が大量に失われることで疲れやすくなったり精神的に不安定になってしまいます。そのため、産後の体を立て直すためには「血」を養うような漢方薬が使われることがあります。
・不安感や動悸がある、眠りが浅い:加味帰脾湯 桂枝加竜骨牡蛎湯
・いらいら、鬱々とする:抑肝散加陳皮半夏 加味逍遙散
・むくみや冷え、疲労感が強い:当帰芍薬散
・産後悪露:折衝飲
これらはほんの一例になります。その方の体質に合わせて心の不調に対するカウンセリングもしながら、オーダーメイドの漢方薬をお作りしております。お悩みの方は是非ご相談ください。
薬剤師・国際中医薬膳師 田村英子

>>関連ブログ「漢方は産後女性の味方です!~産後の漢方養生~」「産後・流産後の不調におすすめの漢方(産後脱毛・産後鬱など)」
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〇産後うつは何が原因?
妊娠中は妊娠を維持するためにエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが大量に分泌されている状態です。これらの女性ホルモンは、妊娠を維持するだけでなく精神の安定にも関係しています。出産後ホルモンバランスが大きく変化することで精神的に不安定になりやすくなるのは当然のこと。産後2週間以内は心身の変化は起こり得るものなので心配要りませんが、2週間以上続くようであれば何らかの対応を考えなければなりません。
また、寝不足など今までの生活とは異なり様々な制限のある生活を送ることに心身共に慣れなかったり、夫や周囲からの協力が得られないワンオペ育児など様々な係数が絡み合い、産後うつの状態と陥ってしまうのです。
〇産後うつの症状は?
・なんでもないのに泣けてくる
・不安感が強い
・極度の疲労を感じる
・急に怒りっぽくなる
・ふさぎ込む
これらの症状が見られるようになります。人とは普通に話せるし、今まで通り仕事もこなせてしまうので、周りからは一見して産後うつに見えない場合もあります。社会的生活は今まで通りこなせてしまう分、自分自身でも気づきにくいことがあります。
〇産後うつになりやすい人の性質
今まで自分一人で何でもこなしてきてしまった人は、産後周囲からの協力が得られなかったとしても一人で何とかこなしてしまおうとして実は知らず知らずのうちに大きく負担がかかっていることがあります。
また、強かった時の自分が弱くなった自分を認めることができないという人も今の自分を受け入れがたく鬱になりやすいので注意が必要です。
〇鬱に有効な漢方薬
漢方医学的には出産は大量の「血(ケツ)」を失うことです。また授乳によっても「血」は失われます。「血」は体を栄養する役割だけでなく、精神を落ち着ける物質でもありますので、この「血」が大量に失われることで疲れやすくなったり精神的に不安定になってしまいます。そのため、産後の体を立て直すためには「血」を養うような漢方薬が使われることがあります。
・不安感や動悸がある、眠りが浅い:加味帰脾湯 桂枝加竜骨牡蛎湯
・いらいら、鬱々とする:抑肝散加陳皮半夏 加味逍遙散
・むくみや冷え、疲労感が強い:当帰芍薬散
・産後悪露:折衝飲
これらはほんの一例になります。その方の体質に合わせて心の不調に対するカウンセリングもしながら、オーダーメイドの漢方薬をお作りしております。お悩みの方は是非ご相談ください。
薬剤師・国際中医薬膳師 田村英子

>>関連ブログ「漢方は産後女性の味方です!~産後の漢方養生~」「産後・流産後の不調におすすめの漢方(産後脱毛・産後鬱など)」
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