2020.09.19所長・COVID-19記事
COVID-19 を理解する20ヶ条(第5版)
ウィズコロナの時代における「新しい生活様式」が定着しつつある今日、コロナウイルスの第二波感染者数は未だ増減を繰り返しており、終息の兆しは見えていません。
富士堂漢方薬局では、これまで複数のコロナ感染者の漢方相談をオンラインで行い、一人一人異なる「証」(個人生体反応)を見極め漢方処方・治療を行ってきました。
コロナ関連記事はこちら>>「新型コロナウイルス感染症39例の漢方治療レポート」「漢方を用いた新型コロナ肺炎治療の実例」
また、その他の患者様からも、免疫を高めるためにできることは?、コロナ感染の不安や生活変化・自粛ストレス・運動不足なども影響して体調が優れない、自律神経が乱れているといったご相談も増えており、それぞれの状態に合わせて漢方処方のみならず、食事指導・生活アドバイス等のサポートを続けています。
富士堂オンライン相談はこちら>>「オンライン漢方相談|ご来店なしで漢方お届け」
そこで、より多くの方々が新型コロナウイルス(COVID-19) について理解できるように、最新知見を取り入れながら『COVID-19 を理解する20条』を「予防・社会・病態診断・治療」のジャンルに分けてまとめました。
ぜひご参考になさってください。
医学博士・富士堂漢方薬局所長 許志泉
1. 日本での第二波感染者数は未だ増減を繰り返しており、しばらく続くだろう。幸い、重症者はあまり出ていない
2. 飛沫、エアロゾル、接触による感染を防止するため、三密(密集・密接・密閉)の回避、Social Distance(2m以上)の保持が重要である
3. 手洗い、咳エチケット、消毒、充分な換気、マスクの着用などが個人予防の基本となる
4. 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)がある前提で暮らしや仕事の仕方を工夫する新生活様式の定着
5. 10月1日より東京発着も対象になる「GoToトラベル」。経済回復促進にはやむを得ない
6. ある程度の強制力を持つ新型コロナウイルス感染症特措法の整備が必要だと思われる
7. ワクチンの安全性の検証には時間がかかるが、安全、かつ充分な効果のあるワクチンがオリンピックに間に合うよう願う
8. 流行の制圧には国家トップの迅速な判断、充分な検査体制、陽性者隔離、クラスター対策、水際対策、医療システム整備、有効なワクチン、透明な情報と知識普及、国際協力等が不可欠である
9. With コロナ、After コロナにより社会の価値観やシステムが変わるにつれ、個人、企業、国家だけではなく、世界の構図も変化していく。
10. SARS-CoV-2が人体細胞の表面にある受容体ACE2と結合することによって感染する。感染者の8割以上は軽症ないし無症状であるが、一部の感染者は重症化、最悪の場合は死に至る。ウイルスが陰性になった後も後遺症が数か月間残ることもある
11. 発熱、だるさ、咽頭痛、胸痛、息苦しさ、味覚や嗅覚の低下(約3割、特に女性が多い)には要注意
12. 初期症状はインフルエンザや感冒に似ており、それらの流行時期に鑑別するのは困難である場合もある
13. 唾液によるPCR検査と抗原検査を効率よく使い分けるべき。抗原検査は簡便かつ短時間(約30分間)で結果がでるため、大規模スクリーニング検査に活用すべきで、PCR検査は費用が比較的高く結果が出るまでに半日以上かかるが、感度がより高く、診断や証明に用いる
14. COVID-19が重症化すると、サイトカインストーム(過剰な免疫反応)が引き金となり急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を起こしたり、血栓症や重篤な臓器障害を起こしたりすることがある。血栓症にはマクロとミクロのものがある。マクロ血栓症では、動脈血栓症としては脳梗塞、心筋梗塞、四肢動脈血栓症など、静脈血栓症としては深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症、静脈血栓塞栓症などが挙げられる。画像に反映されないミクロ血栓症では、高度の血管内皮障害が関与する血栓性微小血管障害がある。小児では川崎病に類似した疾患を誘発することがある
15. 重症化マーカーでは、①尿中L-FABPの上昇(体内酸素が少ないほど上昇する)、②D-dimerの上昇、③CRPの上昇、④LDHの上昇、⑤フェリチンの上昇、⑥リンパ球の低下、⑦クレアチニンの上昇などが挙げられる
16. 高年齢、慢性心臓病、慢性肺疾患、高IL-6値、高D-dimer値が死亡リスクの判定に役立つ。死因としては呼吸不全が最も多いが、サイトカインストームを伴った凝固活性化、血栓症(脳梗塞や心筋梗塞など)や播種性血管内凝固症候群(DIC)発症、多臓器不全への進展も死因になる
17. 漢方には免疫調整(免疫応答と抗体産生の促進やサイトカイン過剰産生の抑制)や気道修復、全身症状や後遺症の改善などに作用があるため早期からの活用が望ましい。個人生体反応(証)を見極めて治療する。軽症から中等の場合漢方のみでも充分に有効。重症者への治療にも漢方の併用によりさらに効果的に
18. 「レムデシビル」(英: Remdesivir、中: 瑞德西韦)は細胞内のウイルス増殖を抑制
19. 中・重症肺炎に気管支喘息シクレソニド(Ciclesonide)が有効である可能性がある。サイトカインストームが起きた重症患者には、ステロイド剤のデキサメタゾン(Dexamethasone)、IL-6受容体に対する抗体医薬の「アクテムラ」(Tocilizumab)、サリルマブ(Sarilumab)が有効で、死亡率を下げられる
20. 血清療法(COVID-19の回復期にある患者から採取した血漿を重症患者に投与する方法)も重症患者の治療の選択肢の一つになる
富士堂漢方薬局では、これまで複数のコロナ感染者の漢方相談をオンラインで行い、一人一人異なる「証」(個人生体反応)を見極め漢方処方・治療を行ってきました。
コロナ関連記事はこちら>>「新型コロナウイルス感染症39例の漢方治療レポート」「漢方を用いた新型コロナ肺炎治療の実例」
また、その他の患者様からも、免疫を高めるためにできることは?、コロナ感染の不安や生活変化・自粛ストレス・運動不足なども影響して体調が優れない、自律神経が乱れているといったご相談も増えており、それぞれの状態に合わせて漢方処方のみならず、食事指導・生活アドバイス等のサポートを続けています。
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そこで、より多くの方々が新型コロナウイルス(COVID-19) について理解できるように、最新知見を取り入れながら『COVID-19 を理解する20条』を「予防・社会・病態診断・治療」のジャンルに分けてまとめました。
ぜひご参考になさってください。
医学博士・富士堂漢方薬局所長 許志泉
予防
1. 日本での第二波感染者数は未だ増減を繰り返しており、しばらく続くだろう。幸い、重症者はあまり出ていない
2. 飛沫、エアロゾル、接触による感染を防止するため、三密(密集・密接・密閉)の回避、Social Distance(2m以上)の保持が重要である
3. 手洗い、咳エチケット、消毒、充分な換気、マスクの着用などが個人予防の基本となる
4. 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)がある前提で暮らしや仕事の仕方を工夫する新生活様式の定着
社会
5. 10月1日より東京発着も対象になる「GoToトラベル」。経済回復促進にはやむを得ない
6. ある程度の強制力を持つ新型コロナウイルス感染症特措法の整備が必要だと思われる
7. ワクチンの安全性の検証には時間がかかるが、安全、かつ充分な効果のあるワクチンがオリンピックに間に合うよう願う
8. 流行の制圧には国家トップの迅速な判断、充分な検査体制、陽性者隔離、クラスター対策、水際対策、医療システム整備、有効なワクチン、透明な情報と知識普及、国際協力等が不可欠である
9. With コロナ、After コロナにより社会の価値観やシステムが変わるにつれ、個人、企業、国家だけではなく、世界の構図も変化していく。
病態診断
10. SARS-CoV-2が人体細胞の表面にある受容体ACE2と結合することによって感染する。感染者の8割以上は軽症ないし無症状であるが、一部の感染者は重症化、最悪の場合は死に至る。ウイルスが陰性になった後も後遺症が数か月間残ることもある
11. 発熱、だるさ、咽頭痛、胸痛、息苦しさ、味覚や嗅覚の低下(約3割、特に女性が多い)には要注意
12. 初期症状はインフルエンザや感冒に似ており、それらの流行時期に鑑別するのは困難である場合もある
13. 唾液によるPCR検査と抗原検査を効率よく使い分けるべき。抗原検査は簡便かつ短時間(約30分間)で結果がでるため、大規模スクリーニング検査に活用すべきで、PCR検査は費用が比較的高く結果が出るまでに半日以上かかるが、感度がより高く、診断や証明に用いる
14. COVID-19が重症化すると、サイトカインストーム(過剰な免疫反応)が引き金となり急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を起こしたり、血栓症や重篤な臓器障害を起こしたりすることがある。血栓症にはマクロとミクロのものがある。マクロ血栓症では、動脈血栓症としては脳梗塞、心筋梗塞、四肢動脈血栓症など、静脈血栓症としては深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症、静脈血栓塞栓症などが挙げられる。画像に反映されないミクロ血栓症では、高度の血管内皮障害が関与する血栓性微小血管障害がある。小児では川崎病に類似した疾患を誘発することがある
15. 重症化マーカーでは、①尿中L-FABPの上昇(体内酸素が少ないほど上昇する)、②D-dimerの上昇、③CRPの上昇、④LDHの上昇、⑤フェリチンの上昇、⑥リンパ球の低下、⑦クレアチニンの上昇などが挙げられる
16. 高年齢、慢性心臓病、慢性肺疾患、高IL-6値、高D-dimer値が死亡リスクの判定に役立つ。死因としては呼吸不全が最も多いが、サイトカインストームを伴った凝固活性化、血栓症(脳梗塞や心筋梗塞など)や播種性血管内凝固症候群(DIC)発症、多臓器不全への進展も死因になる
治療
17. 漢方には免疫調整(免疫応答と抗体産生の促進やサイトカイン過剰産生の抑制)や気道修復、全身症状や後遺症の改善などに作用があるため早期からの活用が望ましい。個人生体反応(証)を見極めて治療する。軽症から中等の場合漢方のみでも充分に有効。重症者への治療にも漢方の併用によりさらに効果的に
18. 「レムデシビル」(英: Remdesivir、中: 瑞德西韦)は細胞内のウイルス増殖を抑制
19. 中・重症肺炎に気管支喘息シクレソニド(Ciclesonide)が有効である可能性がある。サイトカインストームが起きた重症患者には、ステロイド剤のデキサメタゾン(Dexamethasone)、IL-6受容体に対する抗体医薬の「アクテムラ」(Tocilizumab)、サリルマブ(Sarilumab)が有効で、死亡率を下げられる
20. 血清療法(COVID-19の回復期にある患者から採取した血漿を重症患者に投与する方法)も重症患者の治療の選択肢の一つになる
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