2020.02.08薬膳・養生
【管理栄養士監修】薬膳で風邪などの感染症に負けない体作り
新型肺炎が猛威をふるっています。
予防のために必要なこと、まずは手洗いです。マスクも多少の効果はありますが、何よりも手洗いが大事です。食事の前に必ず手を洗いましょう。
食事については、「○○がいい」といった噂レベルの情報がありますが、それさえ食べれば感染しないという魔法はありません。まずは、免疫力が落ちないように、しっかりと栄養のあるものを食べることが基本です。
特に冬は、冷えと乾燥に対策を考える必要があります。
◆薬膳では、身体を温める食品として・・・
生姜、ニンニク、ニラ、長ネギ、玉ねぎなどの香味野菜、黒砂糖、南瓜、鮭、鶏肉、羊肉などがあげられます。生姜のジンゲロール、ニンニクのアリシンは殺菌効果もありますが、これを食べれば万全というものではありません。身体を冷やすことにより、風邪に引きやすくなるのはご存知の通り、冷えは免疫力を低下させてしまうので、体を温めることは、冬の養生の基本です。
◆喉の乾燥を防ぐことも重要・・・
まずは、室内の湿度を50%程度に保つこと。外出時はマスクをすることも喉の乾燥を防ぐことに役立ちます。
そして、こまめな水分補給に、紅茶や緑茶など。
カテキンの殺菌効果が風邪の予防に良いとされますが、万全ではありません。ちなみに薬膳では、緑茶は体を冷やす方に分類されています。温かい室内での飲用やうがいには緑茶もよいでしょう。
感染症予防に使われる生薬、板藍根(バンランコン)を使用したお茶もお勧めです。→富士堂のオリジナル漢方茶「インフルよけ」
イオン飲料は、汗をかいた時や下痢が続く時の、脱水防止やカロリー補給になりますので、予防ではなく、感染してしまった時に摂るようにしましょう。
◆免疫力を高めるために・・・
近年、花粉症などのアレルギー対策に、腸内環境を整えることの効果がわかってきました。不思議な一致ですが、五行学説で肺(空気の通り道の鼻や喉も含む)と大腸は「金」に属し、密接な関係にあります。
つまり免疫のバリア機能を高めるために、腸内環境を整えることが大切です。また、便通の状態は心身の健康にはとても重要で、漢方の問診でも判別のポイントとして必ず確認をしています。腸内細菌の構成、いわゆる腸内フローラは、人によって違うため、何か一つの食品に偏ることなく、幅広く食べることが大事です。
・食物繊維の多い食品:キャベツ、大根、白菜、ゴボウ、レンコンや、きのこ、海藻、リンゴ(できれば皮ごと)、みかん(白いすじごと)など
・発酵食品:納豆、味噌、ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け、酒粕、甘酒など
・抗酸化作用のある食品:βカロテンやビタミンCを多く含む、人参、南瓜、ブロッコリー、トマト(水煮缶でもOK)、春菊、菜の花など
・不飽和脂肪酸を多く含む食品:サバ、イワシ、ブリなどの青魚(缶詰もOK)
◆疲れにくい体になるために・・・
・肝機能を高めるタウリンを含む食品:しじみ、カキ、イカ、ハマグリなど
・代謝を良くするビタミンB群を多く含む食品:豚肉、胚芽米、胡麻、ニンニク、アーモンドなど
こうして、書き連ねていると、難しいことは考えなくても、旬の食材や日本各地の郷土料理、行事食の中で頂く食材(冬至に南瓜、節分にイワシ、桃の節句によもぎ餅やハマグリ等々)が多いとつくづく感じます。
ご家庭では、何を作ればよいか迷ったら、鍋料理や豚汁のような具沢山の味噌汁がオススメです。
汁物や鍋物で、味噌や酒粕を使えば、肉や魚、根菜、キノコやこんにゃく、発酵食品がいっぺんに食べられます。石狩鍋やカキの土手鍋のような味噌味以外も、豆乳鍋やトマト鍋、キムチ鍋も栄養満点です。
加えて、十分な睡眠をとることも非常に大切です。健康の三大要素といわれる「快眠」「快食」「快便」の充実が、風邪などの感染症に負けない体作りに欠かせません。
管理栄養士 寺島容子
予防のために必要なこと、まずは手洗いです。マスクも多少の効果はありますが、何よりも手洗いが大事です。食事の前に必ず手を洗いましょう。
食事については、「○○がいい」といった噂レベルの情報がありますが、それさえ食べれば感染しないという魔法はありません。まずは、免疫力が落ちないように、しっかりと栄養のあるものを食べることが基本です。
特に冬は、冷えと乾燥に対策を考える必要があります。
◆薬膳では、身体を温める食品として・・・
生姜、ニンニク、ニラ、長ネギ、玉ねぎなどの香味野菜、黒砂糖、南瓜、鮭、鶏肉、羊肉などがあげられます。生姜のジンゲロール、ニンニクのアリシンは殺菌効果もありますが、これを食べれば万全というものではありません。身体を冷やすことにより、風邪に引きやすくなるのはご存知の通り、冷えは免疫力を低下させてしまうので、体を温めることは、冬の養生の基本です。
◆喉の乾燥を防ぐことも重要・・・
まずは、室内の湿度を50%程度に保つこと。外出時はマスクをすることも喉の乾燥を防ぐことに役立ちます。
そして、こまめな水分補給に、紅茶や緑茶など。
カテキンの殺菌効果が風邪の予防に良いとされますが、万全ではありません。ちなみに薬膳では、緑茶は体を冷やす方に分類されています。温かい室内での飲用やうがいには緑茶もよいでしょう。
感染症予防に使われる生薬、板藍根(バンランコン)を使用したお茶もお勧めです。→富士堂のオリジナル漢方茶「インフルよけ」
イオン飲料は、汗をかいた時や下痢が続く時の、脱水防止やカロリー補給になりますので、予防ではなく、感染してしまった時に摂るようにしましょう。
◆免疫力を高めるために・・・
近年、花粉症などのアレルギー対策に、腸内環境を整えることの効果がわかってきました。不思議な一致ですが、五行学説で肺(空気の通り道の鼻や喉も含む)と大腸は「金」に属し、密接な関係にあります。
つまり免疫のバリア機能を高めるために、腸内環境を整えることが大切です。また、便通の状態は心身の健康にはとても重要で、漢方の問診でも判別のポイントとして必ず確認をしています。腸内細菌の構成、いわゆる腸内フローラは、人によって違うため、何か一つの食品に偏ることなく、幅広く食べることが大事です。
・食物繊維の多い食品:キャベツ、大根、白菜、ゴボウ、レンコンや、きのこ、海藻、リンゴ(できれば皮ごと)、みかん(白いすじごと)など
・発酵食品:納豆、味噌、ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け、酒粕、甘酒など
・抗酸化作用のある食品:βカロテンやビタミンCを多く含む、人参、南瓜、ブロッコリー、トマト(水煮缶でもOK)、春菊、菜の花など
・不飽和脂肪酸を多く含む食品:サバ、イワシ、ブリなどの青魚(缶詰もOK)
◆疲れにくい体になるために・・・
・肝機能を高めるタウリンを含む食品:しじみ、カキ、イカ、ハマグリなど
・代謝を良くするビタミンB群を多く含む食品:豚肉、胚芽米、胡麻、ニンニク、アーモンドなど
こうして、書き連ねていると、難しいことは考えなくても、旬の食材や日本各地の郷土料理、行事食の中で頂く食材(冬至に南瓜、節分にイワシ、桃の節句によもぎ餅やハマグリ等々)が多いとつくづく感じます。
ご家庭では、何を作ればよいか迷ったら、鍋料理や豚汁のような具沢山の味噌汁がオススメです。
汁物や鍋物で、味噌や酒粕を使えば、肉や魚、根菜、キノコやこんにゃく、発酵食品がいっぺんに食べられます。石狩鍋やカキの土手鍋のような味噌味以外も、豆乳鍋やトマト鍋、キムチ鍋も栄養満点です。
加えて、十分な睡眠をとることも非常に大切です。健康の三大要素といわれる「快眠」「快食」「快便」の充実が、風邪などの感染症に負けない体作りに欠かせません。
管理栄養士 寺島容子
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