ここでは、月経不順・生理不順の際に主に用いる漢方薬27種について解説します。

【加味逍遥散】【加味逍遥散合四物湯】【逍遥散】

当帰・白朮・柴胡・山梔子・生姜・芍薬・茯苓・牡丹皮・甘草・薄荷/+地黄・川芎

体質虚弱で、神経質な婦人、肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状（多様な愁訴）、ときに便秘の傾向、貧血性で、四肢だるく、頭重、めまい、不眠、のぼせ、微熱または時に灼熱感を伴う生理異常がある方に。

皮膚乾燥、色つや・血色の悪い、貧血傾向の婦人に四物湯と合方。

熱症は酷くない時に【逍遥散】を用いる。

【当帰芍薬散】

当帰・芍薬・茯苓・沢瀉・川芎・白朮

比較的に体力乏しく、色白く、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、頻尿または尿利減少（浮腫みを伴う）、胃内停水、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴える方に。

【桂枝茯苓丸】

桂枝・茯苓・牡丹皮・桃仁・芍薬

体力あり、のぼせ症で、血色よく、頭痛、肩こり、めまい、下腹部痛、足腰の冷え、鬱血が確認された方に。

【小建中湯】【当帰建中湯】【帰耆建中湯】

桂枝・生姜・大棗・芍薬・甘草/+当帰

体質虚弱で疲労しやすく、血色がすぐれず、腹痛、動悸、手足のほてり、冷え。腹直筋が表面に浮かんで拘攣している方に用いることが多い。

血色更に悪い方には、当帰を加味

【桃核承気湯】【通導散】

桃仁・大黄・甘草・硫酸マグネシウム・桂皮

当帰・大黄・甘草・硫酸マグネシウム・枳実・厚朴・陳皮・木通・紅花・蘇木

比較的に頑丈な体質者で、のぼせや冷えがあり便秘がちのもの、月経時に精神異常を呈する方に。

便秘や瘀血が酷い方に【通導散】

【温経湯】

半夏・麦門冬・当帰・川芎・芍薬・人参・桂皮・牡丹皮・甘草・生姜・呉茱萸・阿膠

手足がほてり、煩熱、唇がかわく、下腹部の膨満感また不快感がある方に。腰部の冷え、腹痛、下痢、咳嗽、吐き気にも。

【五積散】

茯苓・白朮・陳皮・半夏・当帰・芍薬・川芎・厚朴・白芷・枳実・桔梗・生姜・桂皮・麻黄・大棗・甘草

【八味地黄丸】【六味地黄丸】

地黄・山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮・桂皮・炮附子

下半身の疲労脱力、冷え、ほてり、多尿頻尿・尿利減少、尿の淋漓、腰痛が見られる方に。

火照りや冷えがそれ程酷くない方に【六味地黄丸】

【牛膝散】【折衝飲】

牛膝・桂皮・芍薬・桃仁・当帰・牡丹皮・延胡索・木香

牛膝・桂皮・芍薬・桃仁・当帰・牡丹皮・延胡索・川芎・紅花

経血が少量で、下腹部に瘀血があり、臍を中心に疼痛が甚だしく、或いは下腹や腰に引きつり痛み、ときに胸部までも痛む方に。

折衝飲： 痛みを止め、破血の力が更に強い

【芎帰調血飲第一加減】【芎帰調血飲】

当帰・地黄・川芎・芍薬・茯苓・烏薬・牡丹皮・大棗・陳皮・生姜・白朮・香附子・益母草・甘草・桃仁・紅花・枳実・桂皮・牛膝・木香・延胡索

貧血気味、脾胃消化器の活力をつけ、頭痛、耳鳴り、動悸、めまい、神経症状ある時に用いる。腹中の瘀血塊、或いは産後の悪露瘀血を去る。

腹部軟弱で、瘀血塊を認めていない時に【芎帰調血飲】

 

【四物湯】【桃紅四物湯】【温清飲】

当帰・熟*地黄・川芎・芍薬/+桃仁・紅花/+黄芩・黄連・黄柏・山梔子

皮膚乾燥、色つやの悪い体質で、胃腸障害がない方に。

瘀血が強い（生理痛、ほくろなど）時に【桃紅四物湯】

皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、皮膚搔痒症を伴う時に【温清飲】

【四君子湯】【六君子湯】【八珍湯】【十全大補湯】

人参・白朮・茯苓・甘草・生姜・大棗/+半夏・陳皮

+当帰・芍薬・地黄・川芎・桂皮・炮附子

痩せて顔色が悪く、食欲なく、疲れやすい、脈は軟弱、腹も軟らかい方に。

更に胃内停水があり、めまいの時に【六君子湯】

貧血気味、皮膚乾燥の時に【八珍湯】

冷え、のぼせが伴う時に【十全大補湯】

【鹿茸大補湯】

鹿茸・人参・肉蓯蓉・熟地黄・杜仲・芍薬・白朮・当帰・石斛・五味子・半夏・黄耆・茯苓・大棗・甘草・生姜・附子末

身体が衰弱し、冷え、痩せて皮膚が枯燥して貧血食欲不振を呈する方に。

【婦宝当帰湯】

当帰，黄耆・地黄・芍薬・茯苓・党参，甘草・川芎、阿膠

更年期障害による下記疾患：頭痛，肩こり，貧血，腰痛，腹痛，めまい，のぼせ，耳鳴り，生理不順，生理痛，冷え症などが見られる方に。

 

◎関連ブログ：「月経不順・生理不順の基礎」