定義

子宮に発生する肉腫の総称、子宮筋層を構成する平滑筋に発生する良性腫瘍（平滑筋腫）で、発生、増大にエストロゲンが関与するエストロゲン依存性疾患である。全子宮悪性腫瘍の３～５％を占める。組織学的に、子宮内膜間質肉腫、平滑筋肉腫、癌肉腫、その他に分類される。ほとんどは子宮体部（約95％）に発生する。

　臨床特徴（症候・検査など）

 鉄欠乏性貧血、過多月経、不正性器出血、月経困難症、不妊、下腹部腫瘤、下腹部痛、頻尿、腰痛などがみられる
 内診で形状が不整で固く腫大した子宮を触れる。
 超音波検査（経腹、経膣）、ＭＲＩ，子宮鏡（ヒステロスコピー）などで、骨盤内に充実性の腫瘤が認められる

原因説明
好発：３０～４０歳代女性

未分化な子宮平滑筋細胞が、胎児期の分化の過程でいろいろな影響を受け、筋腫の芽になる細胞が子宮筋層内に発生し、思春期から増えてくる性ステロイドホルモンに反応して子宮筋腫に成長していくといわれている。実際、初潮が来る前には子宮筋腫はみられず、また閉経後には筋腫の発生はなく、すでにある筋腫も縮小する。

（西洋医学治療概要）
治療と経過観察の判断は、過多月経による貧血の程度、圧迫症状、疼痛、筋腫の大きさと存在部位、挙児希望などを総合して行われる。
１．経過観察：　明らかに良性で、無症状、挙児希望がない場合、３～６か月ごとの検診
２．薬物療法：ＧｎＲＨアゴニスト（下垂体機能を抑制し、卵巣からのエストロゲン産生を低下させ、筋腫を縮小させる）点鼻（スプレキュア、ナサニール）または注射薬（スプレキュア、リュープリン、ゾラデックス）
３．手術療法：　 ａ．筋腫核摘出
ｂ．単純子宮全摘出術・・・根治療法
＊対症療法（貧血改善、鎮痛薬）のみ行うこともある。

 

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