2018.09.26眼疾(緑内障など)・耳鼻咽喉・花粉症・アレルギー
眼精疲労における漢方治療
漢方では、生体機能を担っている基本的な構成成分として、気、血、水の3つの要素があります。気は人体のすべての生理機能を動かす生命エネルギーであり、血、水は体を構成する要素です。血は血液に相当し、水は体液やリンパ液など体内の水分であり、血、水は気のエネルギーが原動力になって体の中を循環しています。
気、血、水は一定の量を保っていて、互いにバランスを取って、体中を巡っています。気、血、水の量のバランスがよく、循環が良好であると、体の新陳代謝、生体防御力、恒常性維持機能が十分に働いて、体の自然治癒力が高まります。
量の過不足、流動の乱れ、停滞、或いはバランスが取れなくなると、目、体が病気になります。漢方医学では、体の自然治癒力を高めるためには、気、血、水のバランスを良くし、循環を良好な状態にすることが必要条件と考えています。
漢方治療は気、血、水のバランスの調和、五臓六腑機能の調節によって、目の病気を治療し、全身的な機能を回復 、強化することが出来ます。
古人が「肝脈は目に注ぎ、目は肝竅たり」、眼精疲労は漢方には肝労と言います。近距離の眼の使いすぎで起きた目の張り痛み、乾燥感、かすみなどの症状です。目周りの骨の痛み、頭痛、眩暈、いらいら、どきどき、不眠、健忘の症状も現れる。性別、季節と関連がなく、近視、遠視、斜視、老眼、目を良く使う人、虚弱の人が良くかかります。
肝労の病名は唐の時代「千金要方・七竅門」に初めて記載された。該書には、”其読書、博奕等過度用目者、名曰肝労”。「黄帝内経」には、本病の発生が労心傷血と相関、「久視者必労心、故傷血」と書いています。明代著名医家傅仁宇の「審視瑤函」には、発病の原因が腎水(腎の陰)の不足と考えられます。要するに、眼精疲労は五臓の肝、心、腎と関連があります。
緑内障も目の張り痛み、頭痛、目頭の酸痛、かすみの症状があるけど、眼底検査で視神経が萎縮、視野検査で欠損が見られ、目が硬く、視界がだんだん狭くなることが眼精疲労と区別できます。
中医学では、五臓六腑の栄養物質が上行灌注で、目は物が見られ、五色の色見分けができると考えます。多くは肝腎不足、心血不足、脾胃虚弱、肝気欝結などの要素と深く関わりがあります。目の使いすぎ、用眼の不適切が誘因になります。バランスが崩れた五臓の機能を調節してから、眼精疲労の症状が大分軽減され、起きる頻度も段々減ります。治療を続けて、用眼を注意すれば、治癒も可能です。
◆原因:心が主る血は脈を通して目に栄養を与え、目の視機能が発揮できます。
出血・過度の心労などによる心血の消耗、あるいは脾虚で血の生化の源が不足すると、目の栄養が足り無くなって、眼精疲労になります。
◆症状: ドライアイ、目の乾燥感、痛み、頭痛、動悸、眩暈、手足のしびれ感、舌質はやや淡白、脈は細。
◆漢方薬: 地黄・当帰・麦門冬・酸棗仁・天門冬・ハクシニン・遠志・キキョウ・茯苓・丹参・党参など
◆原因:目は肝が貯蔵している血、腎が貯蔵している精、気(栄養物質)を受け取って、視機能を実現している。血、精、気が不足だと、目が栄養不足になる。
◆症状:目が脹って痛い、用眼が時間長いと症状が重くなる。ドライアイ、酸痛、他に頭が脹り、眩暈、耳鳴り、健忘、不眠、腰や膝がだるく痛む、冷え、疲れ、夜間尿が多い。舌質はやや淡白、脈は沈細、無力。
◆漢方薬:枸杞子・牛膝・地黄・山茱萸・山薬・茯苓・沢瀉・菊花・附子・桂皮など
◆ 原因:七情内傷によって肝の疏泄(肝気の流れ)が欝滞し、陽気の停滞あるいは平素から内熱があるために、引き続いて肝火の症状が現れること。
◆症状:目が痛い、光に弱い、涙が出る頭痛、目頭が痛い。憂鬱感、情緒不安定、ヒステリー、しゃべりたがらない、ため息、胸脇部が脹って痛い、胸苦しい、食欲不振、吐気、排便してもすっきり出ない、便が細い、便秘と下痢が交互に生じる、頻尿などが見られます。舌質は淡紅、舌苔は薄白、脈は弦。
◆漢方薬:山梔子・牡丹皮・当帰・芍薬・薄荷・茯苓・白朮・菊花・柴胡など
気、血、水は一定の量を保っていて、互いにバランスを取って、体中を巡っています。気、血、水の量のバランスがよく、循環が良好であると、体の新陳代謝、生体防御力、恒常性維持機能が十分に働いて、体の自然治癒力が高まります。
量の過不足、流動の乱れ、停滞、或いはバランスが取れなくなると、目、体が病気になります。漢方医学では、体の自然治癒力を高めるためには、気、血、水のバランスを良くし、循環を良好な状態にすることが必要条件と考えています。
漢方治療は気、血、水のバランスの調和、五臓六腑機能の調節によって、目の病気を治療し、全身的な機能を回復 、強化することが出来ます。
1.眼精疲労に対する中医学(漢方医学)の認識
古人が「肝脈は目に注ぎ、目は肝竅たり」、眼精疲労は漢方には肝労と言います。近距離の眼の使いすぎで起きた目の張り痛み、乾燥感、かすみなどの症状です。目周りの骨の痛み、頭痛、眩暈、いらいら、どきどき、不眠、健忘の症状も現れる。性別、季節と関連がなく、近視、遠視、斜視、老眼、目を良く使う人、虚弱の人が良くかかります。
肝労の病名は唐の時代「千金要方・七竅門」に初めて記載された。該書には、”其読書、博奕等過度用目者、名曰肝労”。「黄帝内経」には、本病の発生が労心傷血と相関、「久視者必労心、故傷血」と書いています。明代著名医家傅仁宇の「審視瑤函」には、発病の原因が腎水(腎の陰)の不足と考えられます。要するに、眼精疲労は五臓の肝、心、腎と関連があります。
2.病証鑑別
緑内障も目の張り痛み、頭痛、目頭の酸痛、かすみの症状があるけど、眼底検査で視神経が萎縮、視野検査で欠損が見られ、目が硬く、視界がだんだん狭くなることが眼精疲労と区別できます。
3.眼精疲労の漢方治療
中医学では、五臓六腑の栄養物質が上行灌注で、目は物が見られ、五色の色見分けができると考えます。多くは肝腎不足、心血不足、脾胃虚弱、肝気欝結などの要素と深く関わりがあります。目の使いすぎ、用眼の不適切が誘因になります。バランスが崩れた五臓の機能を調節してから、眼精疲労の症状が大分軽減され、起きる頻度も段々減ります。治療を続けて、用眼を注意すれば、治癒も可能です。
(1)心血不足
◆原因:心が主る血は脈を通して目に栄養を与え、目の視機能が発揮できます。
出血・過度の心労などによる心血の消耗、あるいは脾虚で血の生化の源が不足すると、目の栄養が足り無くなって、眼精疲労になります。
◆症状: ドライアイ、目の乾燥感、痛み、頭痛、動悸、眩暈、手足のしびれ感、舌質はやや淡白、脈は細。
◆漢方薬: 地黄・当帰・麦門冬・酸棗仁・天門冬・ハクシニン・遠志・キキョウ・茯苓・丹参・党参など
(2)肝腎不足
◆原因:目は肝が貯蔵している血、腎が貯蔵している精、気(栄養物質)を受け取って、視機能を実現している。血、精、気が不足だと、目が栄養不足になる。
◆症状:目が脹って痛い、用眼が時間長いと症状が重くなる。ドライアイ、酸痛、他に頭が脹り、眩暈、耳鳴り、健忘、不眠、腰や膝がだるく痛む、冷え、疲れ、夜間尿が多い。舌質はやや淡白、脈は沈細、無力。
◆漢方薬:枸杞子・牛膝・地黄・山茱萸・山薬・茯苓・沢瀉・菊花・附子・桂皮など
(3)肝気欝結
◆ 原因:七情内傷によって肝の疏泄(肝気の流れ)が欝滞し、陽気の停滞あるいは平素から内熱があるために、引き続いて肝火の症状が現れること。
◆症状:目が痛い、光に弱い、涙が出る頭痛、目頭が痛い。憂鬱感、情緒不安定、ヒステリー、しゃべりたがらない、ため息、胸脇部が脹って痛い、胸苦しい、食欲不振、吐気、排便してもすっきり出ない、便が細い、便秘と下痢が交互に生じる、頻尿などが見られます。舌質は淡紅、舌苔は薄白、脈は弦。
◆漢方薬:山梔子・牡丹皮・当帰・芍薬・薄荷・茯苓・白朮・菊花・柴胡など
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