2018.09.25>不妊症症例
不妊症(女性)の漢方治療および妊娠成功例
不妊治療はもちろん原因治療が重要だと思います。西洋医学では、卵子誘発剤、人工授精、体外受精、顕微授精、卵子と精子の冷凍技術、配偶子卵管内移植(GIFT)などが行われております。
しかし、卵巣過剰刺激症候群、人工授精や体外受精の成功率、女性の心身への過多負担などが問題になっております。
多くの方々は西洋医学の不妊検査を受けながら、或いは西洋医学の不妊治療を受けながら、漢方治療を受けております。或いは検査を受けてから、単独的に漢方治療を受けることで不妊克服しております。
ここで、我々の不妊の漢方治療経験をまとめてのべます。
不妊の基本は腎虚・精虚・血虚になります。無排卵、黄体ホルモン不足、基礎体温の低温層と高温層のメリハリがない、生理不順などがやはり腎虚、精血不足と関係が深いです。ですので、補腎、養精血は生殖機能を根本から強めます。
症状としては、月経時の血液量が少ない、月経周期不順、性欲がない、冷え性、無排卵、おりものが少ない、などがよく見られます。
治療には、補腎、養血、補精などの漢方が必要です。
不妊症の女性は月経周期が乱れることが多いです。生理が不定期だったり、周期が長かったり、基礎体温が低温のままだったりすることがよく見られます。
正常な月経周期にすることが、不妊治療の重要なポイントとなります。また体質、症状、月経周期と合わせて、体の臓腑機能、陰陽、気血の状態や働きを改善することです。
近年、私の恩師の夏桂成教授(南京中医薬大学)が提唱された周期療法が大きく応用されております。その要旨は卵胞期に養陰血が基本で、排卵期に気剤を加えて、高温期に補陽剤も組み合わせるなどで悪い月経周期を正常化させます。
しかし、月経の周期療法が機械的に利用され、患者様の体質および症状を無視して、だれでも固定な周期療法で治療することで問題になっております。
私のところに不妊治療に来る方々には、「周期療法」を受けても妊娠できないケースが多くいらっしゃいます。結局、全身からしっかりと体質や症状などを詳しくみたうえでの治療で、多くの方は妊娠成功となります。
精子と卵子をうまく合わせて、受精、着床することが妊娠につながります。女性としては、子宮頚管、子宮環境を改善することが大事です。
おなかの冷え ( 陽気虚弱 )、代謝が悪くておなかの肥満 ( 痰湿内阻 )、子宮筋腫など (お血) などは子宮環境に大きく影響します。
これらを治療することで、妊娠しやすくすることができます。
女性の正常な月経周期を作ったら、排卵期が予測しやすくなります。そのタイミングをうまく捕まえて、性交することで妊娠の成功率がアップします。
もうひとつ重要なことは、女性体内に抗精子抗体がある場合です。精子が女性の体内に入ると、精子が生きられなくなります。この場合では、当然妊娠できません。
漢方治療では、清熱涼血剤(血の熱を冷ます)などが有効な治療法となります。
不妊症の漢方治療成功の鍵の一つは全身から治療することです。
腎・肝は重要ですが、ほかの臓腑および臓腑の関係の理解のうえでの治療がより重要です。心の不安定、脾の機能低下、肺の粛降や宣発などにも関係します。
同じ症状であっても、本人の体質が虚実の差があります。たとえば、不正出血は瘀血の実証によるものもあれば、気虚・瘀血などによるものもあります。虚実をよく鑑別せず治療する場合、副作用がよく出ます。
心身のバランスがとても大事です。不妊治療にはよく採卵などがあったり、何度も人工授精・体外受精をやっても失敗になったりすることがよくあります。職場・家庭・夫婦・医療機関などのストレスが多くかかっています。よい生活習慣・ゆとりのある不妊治療、漢方治療家との信頼関係なども心身バランスによい影響を与えるでしょう。
患者さんの気持ちや認識をよく理解して、信頼を得ながら、真心から患者さんの精神状態を支えることが肝心でしょう。
不妊治療を受けている患者さんの中には、西洋医学的な原因不明なケースが少なくありません。また、漢方医学でも明らかな変調もない場合もあります。
この場合では、体質からの治療が不可欠です。体質の偏り、生活習慣の不良などから着手し、体質改善することで、つまり妊娠しやすい体質づくりすることができます。
体質改善できることは漢方医学の優れた臨床技術です。多くの場合は妊娠成功に至ります。
婦人科でも・不妊症でも、ほかの疾患でも、漢方治療技術のうまさはやはり内科の基本臨床技術のうまさによって決定されます。
不妊症の治療のプロセスには、婦人科以外の悩みも出ることがよくあります。たとえば、不眠(睡眠障害)、下痢・便秘、逆上せ、アレルギー性疾患などがよく遭遇します。
いかに病態の急か緩、病状の軽か重、治療プロセスの先か後などの総合判断、総合技能が問われます。
富士堂漢方薬局で不妊漢方治療を受けている方はいろんな不妊治療でなかなか授からなかった方が多いです。ここでいくつの成功例を簡単に紹介します。なかなか授からない方でもぜひあきらめないください。
瘀血・気逆・熱毒などメカニズムから活血降気解毒などの漢方治療で生理不順・多嚢胞卵巣症候群・クインケ浮腫などが治癒し、正常に採卵できました。ご主人は手術を受け、妊娠成功になりました。
ひどい瘀血で生理痛・性交痛などで、数年不妊症。駆お血剤の漢方薬で、ただ2か月間の治療で性交痛もなくなり、妊娠成功になりました。
結婚5年でも妊娠しない。周期療法・当帰婦宝などの漢方治療を2年間受けましたが、妊娠できませんでした。憂鬱・イライラ・情緒不安定・夫婦喧嘩などで漢方治療があきらめましたところ、HPのきっかけで富士堂漢方薬局飯田橋本店に不妊治療に来ました。「まず、気から治療しましょう」と私は言いました。気を安らかにして、理気解鬱剤の漢方で治療しました。気持ちが安定するとともに、わずか2か月弱で、妊娠陽性になりました。その後、一切順調で、男の子が生まれました。幸せの家庭になりました。
結婚数年で妊娠できないため、検査を受けました。卵巣のう腫、高プロラクチン血症が判明しました。またひどい花粉症(鼻水・くしゃみ・鼻づまり)がかかっています。また、気分憂鬱で、ストレスがかかると胃痛が出ます。痰湿・水毒・気滞から漢方治療していますが、半年間の漢方治療で自然妊娠になりました。安産でした。
30代後半、不妊原因不明で、西洋医学の不妊治療を受けましたが、妊娠しないため、漢方不妊治療に来ました。気血水・臓腑から生理周期を調節し、一年半で妊娠成功になりました。
42歳、結婚して早く妊娠したいため、漢方治療に来ました。それほど症状はないが、疲れやすい、浮腫みやいなどで、精気血を補いながら、利水薬を用いて、半年で妊娠して、その後安産しました。
不妊症ですが、口臭や気分不安などが気になります。2012年4月より、鬱熱・気の上衝から漢方治療を始めました。症状も改善するとともに、9月に5か月間で妊娠成功になりました。
しかし、卵巣過剰刺激症候群、人工授精や体外受精の成功率、女性の心身への過多負担などが問題になっております。
多くの方々は西洋医学の不妊検査を受けながら、或いは西洋医学の不妊治療を受けながら、漢方治療を受けております。或いは検査を受けてから、単独的に漢方治療を受けることで不妊克服しております。
ここで、我々の不妊の漢方治療経験をまとめてのべます。
1.古代からの不妊の中医学治療経験:補虚-調経-種子
① 補虚: 腎虚、精虚、血虚を補うこと
不妊の基本は腎虚・精虚・血虚になります。無排卵、黄体ホルモン不足、基礎体温の低温層と高温層のメリハリがない、生理不順などがやはり腎虚、精血不足と関係が深いです。ですので、補腎、養精血は生殖機能を根本から強めます。
症状としては、月経時の血液量が少ない、月経周期不順、性欲がない、冷え性、無排卵、おりものが少ない、などがよく見られます。
治療には、補腎、養血、補精などの漢方が必要です。
② 調経: 月経周期を調節し、良い月経周期をつくること
不妊症の女性は月経周期が乱れることが多いです。生理が不定期だったり、周期が長かったり、基礎体温が低温のままだったりすることがよく見られます。
正常な月経周期にすることが、不妊治療の重要なポイントとなります。また体質、症状、月経周期と合わせて、体の臓腑機能、陰陽、気血の状態や働きを改善することです。
近年、私の恩師の夏桂成教授(南京中医薬大学)が提唱された周期療法が大きく応用されております。その要旨は卵胞期に養陰血が基本で、排卵期に気剤を加えて、高温期に補陽剤も組み合わせるなどで悪い月経周期を正常化させます。
しかし、月経の周期療法が機械的に利用され、患者様の体質および症状を無視して、だれでも固定な周期療法で治療することで問題になっております。
私のところに不妊治療に来る方々には、「周期療法」を受けても妊娠できないケースが多くいらっしゃいます。結局、全身からしっかりと体質や症状などを詳しくみたうえでの治療で、多くの方は妊娠成功となります。
③ 種子: 女性の子宮環境を良くすること、男性の精子の質を高めタイミングよく性交すること
精子と卵子をうまく合わせて、受精、着床することが妊娠につながります。女性としては、子宮頚管、子宮環境を改善することが大事です。
おなかの冷え ( 陽気虚弱 )、代謝が悪くておなかの肥満 ( 痰湿内阻 )、子宮筋腫など (お血) などは子宮環境に大きく影響します。
これらを治療することで、妊娠しやすくすることができます。
女性の正常な月経周期を作ったら、排卵期が予測しやすくなります。そのタイミングをうまく捕まえて、性交することで妊娠の成功率がアップします。
もうひとつ重要なことは、女性体内に抗精子抗体がある場合です。精子が女性の体内に入ると、精子が生きられなくなります。この場合では、当然妊娠できません。
漢方治療では、清熱涼血剤(血の熱を冷ます)などが有効な治療法となります。
2.全身からの治療を忘れずに
不妊症の漢方治療成功の鍵の一つは全身から治療することです。
①臓腑から
腎・肝は重要ですが、ほかの臓腑および臓腑の関係の理解のうえでの治療がより重要です。心の不安定、脾の機能低下、肺の粛降や宣発などにも関係します。
②虚実から
同じ症状であっても、本人の体質が虚実の差があります。たとえば、不正出血は瘀血の実証によるものもあれば、気虚・瘀血などによるものもあります。虚実をよく鑑別せず治療する場合、副作用がよく出ます。
③心身から
心身のバランスがとても大事です。不妊治療にはよく採卵などがあったり、何度も人工授精・体外受精をやっても失敗になったりすることがよくあります。職場・家庭・夫婦・医療機関などのストレスが多くかかっています。よい生活習慣・ゆとりのある不妊治療、漢方治療家との信頼関係なども心身バランスによい影響を与えるでしょう。
④より良い精神状態にすること
患者さんの気持ちや認識をよく理解して、信頼を得ながら、真心から患者さんの精神状態を支えることが肝心でしょう。
3.体質からの治療
不妊治療を受けている患者さんの中には、西洋医学的な原因不明なケースが少なくありません。また、漢方医学でも明らかな変調もない場合もあります。
この場合では、体質からの治療が不可欠です。体質の偏り、生活習慣の不良などから着手し、体質改善することで、つまり妊娠しやすい体質づくりすることができます。
体質改善できることは漢方医学の優れた臨床技術です。多くの場合は妊娠成功に至ります。
4.漢方治療の総合技能のうまさ
婦人科でも・不妊症でも、ほかの疾患でも、漢方治療技術のうまさはやはり内科の基本臨床技術のうまさによって決定されます。
不妊症の治療のプロセスには、婦人科以外の悩みも出ることがよくあります。たとえば、不眠(睡眠障害)、下痢・便秘、逆上せ、アレルギー性疾患などがよく遭遇します。
いかに病態の急か緩、病状の軽か重、治療プロセスの先か後などの総合判断、総合技能が問われます。
妊娠成功例
富士堂漢方薬局で不妊漢方治療を受けている方はいろんな不妊治療でなかなか授からなかった方が多いです。ここでいくつの成功例を簡単に紹介します。なかなか授からない方でもぜひあきらめないください。
1.Sさんーー生理不順・多嚢胞卵巣症候群・口唇クインケ浮腫・ご主人閉塞性無精子症
瘀血・気逆・熱毒などメカニズムから活血降気解毒などの漢方治療で生理不順・多嚢胞卵巣症候群・クインケ浮腫などが治癒し、正常に採卵できました。ご主人は手術を受け、妊娠成功になりました。
2.Mさんーーひどい生理痛、子宮内膜症、性交痛、不妊症
ひどい瘀血で生理痛・性交痛などで、数年不妊症。駆お血剤の漢方薬で、ただ2か月間の治療で性交痛もなくなり、妊娠成功になりました。
3.Tさんーー不妊、憂鬱、イライラ
結婚5年でも妊娠しない。周期療法・当帰婦宝などの漢方治療を2年間受けましたが、妊娠できませんでした。憂鬱・イライラ・情緒不安定・夫婦喧嘩などで漢方治療があきらめましたところ、HPのきっかけで富士堂漢方薬局飯田橋本店に不妊治療に来ました。「まず、気から治療しましょう」と私は言いました。気を安らかにして、理気解鬱剤の漢方で治療しました。気持ちが安定するとともに、わずか2か月弱で、妊娠陽性になりました。その後、一切順調で、男の子が生まれました。幸せの家庭になりました。
4.Yさんーー不妊症、卵巣のう腫、高プロラクチン血症、アレルギー性鼻炎・憂鬱・胃痛
結婚数年で妊娠できないため、検査を受けました。卵巣のう腫、高プロラクチン血症が判明しました。またひどい花粉症(鼻水・くしゃみ・鼻づまり)がかかっています。また、気分憂鬱で、ストレスがかかると胃痛が出ます。痰湿・水毒・気滞から漢方治療していますが、半年間の漢方治療で自然妊娠になりました。安産でした。
5.Mさんーー原因不明の不妊症
30代後半、不妊原因不明で、西洋医学の不妊治療を受けましたが、妊娠しないため、漢方不妊治療に来ました。気血水・臓腑から生理周期を調節し、一年半で妊娠成功になりました。
6.Kさんーー原因不明の不妊症
42歳、結婚して早く妊娠したいため、漢方治療に来ました。それほど症状はないが、疲れやすい、浮腫みやいなどで、精気血を補いながら、利水薬を用いて、半年で妊娠して、その後安産しました。
7.Mさんーー不妊症、口臭、気分不安
不妊症ですが、口臭や気分不安などが気になります。2012年4月より、鬱熱・気の上衝から漢方治療を始めました。症状も改善するとともに、9月に5か月間で妊娠成功になりました。
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