2018.09.25>ダイエット・肥満
肥満・肥満症とは?
肥満は急激に増加傾向にあり、世界的に重要な問題です。
日本においても食事の欧米化に伴い肥満者は増加し、平均BMIの上昇の一途を辿っています。
厚生労働省の国民健康・栄養調査結果の概要(平成23年)によると日本人の肥満の割合は男性で約30%、女性で約22%。肥満及び肥満症はご存知の通り生活習慣と密接に関連があります。
肥満の定義は『体脂肪が過剰に蓄積した状態』です。
BMI(体格指数:body mass index)の値により判定します。
BMI = 体重kg ÷ (身長m × 身長m)
BMI 25以上が肥満と判定されます(国際合意基準)。
(日本肥満学会では、BMI 22を標準と設定。この値はやせや肥満を原因とする病気にかかりにくいとされています。)
注)BMI35以上を「高度肥満」と定義。肥満(BMI25以上)は、医学的に減量を要する状態とは限らない
肥満は原発性(単純性)肥満と二次性(症候性)肥満に分類されます。
大部分(98~99%)は体質あるいは過食などの生活習慣による原発性肥満です。
頻度がごくまれな二次性肥満には内分泌性・遺伝性・視床下部性・前頭葉性・薬剤性肥満に分類されます。
二次性肥満の大部分は内分泌性で、遺伝性・視床下部性肥満は稀です。
また蓄積する体脂肪の分布により、内臓脂肪型肥満、皮下脂肪型肥満に分類されます。
内臓脂肪型肥満はハイリスクの肥満であり、後述の肥満症に含まれます。
摂取エネルギーが消費エネルギーを超過すると、脂肪組織の過剰蓄積となり肥満に近づきます。
食欲、ホルモン分泌(性ホルモン・腎皮質ステロイド・ンスリンなど)、自律神経系、運動不足、食生活などの原因因子が複雑的に関連し合い、肥満が形成されるのです。
原因疾患には以下のようなものがあります。
①原発性肥満
②二次性肥満
③内分泌性
Cushing症候群
糖尿病
インスリノーマ
甲状腺機能低下症
偽性副甲状腺機能低下症
④遺伝性
Bardet-Biedl症候群
Edwards症候群
Biemond症候群 など
⑤視床下部性
脳腫瘍:頭蓋咽頭腫,下垂体腺腫,松果体腫瘍,神経膠腫
トルコ鞍空洞症
頭部外傷後遺症
視床下部炎症性疾患:脳炎,サルコイドーシス,結核
白血病
脳血管障害 など
⑥前頭葉性
前頭葉性腫瘍
⑦薬物性
シプロヘプタジン
クロルプロマジン
フェノチアジン など
原発性肥満と比べて、二次性肥満では、多毛,低血糖発作,脱毛,無月経,テタニー,低身長,知能低下,網膜色素変性,性器発育不全,難聴などの症状が肥満症状以外にみられることもあり、不均衡に太っている場合もあります。
肥満症とは、『肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態』です。
肥満症の診断は肥満と判定されたもの(BMI25以上)のうち、以下のいずれかの条件を満たすもの
a.肥満に起因ないし関連し、減量を要する(減量により改善する,または進展が防止される)健康障害を有するもの。
b.健康障害を伴いやすいハイリスク肥満
ウエスト周囲長のスクリーニングにより内臓脂肪蓄積を疑われ、腹部CT検査によって確定診断された内臓脂肪型肥満。
a. の肥満に起因ないし関連し、減量を要する健康障害とは?
1.肥満症の診断基準に必要な合併症
1)耐糖能障害(2型糖尿病,耐糖能異常など)
2)脂質異常症
3)高血圧
4)高尿酸血症・痛風
5)冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症
6)脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作(TIA)
7)脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患/NAFLD)
8)*月経異常,妊娠合併症(妊娠高血圧症候群,妊娠糖尿病,難産)
9)*睡眠時無呼吸症候群(SAS)・肥満低換気症候群
10)*整形外科的疾患:変形性関節症(膝・股関節)・変形性脊椎症,腰痛症
11)肥満関連腎臓病
2.診断基準には含めないが,肥満に関連する疾患
1)良性疾患:胆石症,静脈血栓症・肺塞栓症,気管支喘息,皮膚疾患(偽性黒色表皮腫,摩擦疹,汗疹)
2)悪性疾患:胆道癌,大腸癌,乳癌,子宮内膜癌
*脂肪細胞の量的異常がより強く関与
② の内臓脂肪型肥満は皮下細胞に比べ内臓脂肪が過剰に蓄積した状態です。
内臓脂肪面積が100平方cm以上になると内臓脂肪型肥満と診断されます。
日常診療ではウエスト周囲径を測定し、男性では85cm以上・女性では90cm以上を内臓脂肪型肥満とする方法が用いられています。
ではなぜ、内臓脂肪型肥満は健康障害をもたなくても後のハイリスク肥満として危険視されるのでしょうか?
内臓脂肪は「腹腔の腸間膜周囲に沈着する脂肪」です。
食事の摂取エネルギーが消費エネルギーより過剰になると中性脂肪(エネルギー源)として体内に蓄えられます。
腸間膜にはもともと脂肪はついてないのですが、中性脂肪が使いきれない場合、小腸から近い腸間膜に蓄積するのです。
特に男性や閉経後の女性は、過剰摂取エネルギーを皮下脂肪として蓄積させやすいエストロゲンが不足しているため、特に内臓脂肪にエネルギーを蓄積しやすい傾向にあります。
内臓脂肪は周囲の血流が豊富ですので、血中の中性脂肪はすぐに蓄えられてしまうのです。
またエネルギーが必要な時は、自らの脂肪を分解し遊離脂肪酸とグリセロールの形で全身に供給します。
中性脂肪を蓄えるために脂肪組織は、細胞のサイズを肥大(約直径1.7倍)および細胞自身の分裂により細胞数を増加させます。
このようにエネルギーの貯蔵と供給の役割を果たしている脂肪細胞は、生理活性物質も分泌しています。
脂肪細胞を含めた脂肪組織は、身体にとって良い働きをしているのです。
しかし、肥満の状態での脂肪組織には悪玉のマクロファージがたくさん集まっておりそれらは炎症を促進するため慢性炎症がおきています。
結果、脂肪細胞から善玉因子の分泌が減り、一方で悪玉因子が増えてきてしまいます。
具体的には肥大化していない小型の脂肪細胞から分泌される善玉の生理活性物質の1つには、アディポネクチンがあり、炎症抑制作用があります。
これは慢性炎症性疾患である糖尿病や、動脈硬化症の発症を抑制する作用があります。
他にも上記枠内のような生理活性物質が分泌されます。
ところが肥大化した脂肪細胞は、悪玉の生理活性物質であるTNF-αやMCP-1、遊離脂肪酸などを放出します。
一方アディポネクチンなど善玉生理活性物質の分泌は抑制されます。
TNF-αはインスリンの働きを悪化させて糖尿病発症に関与し、MCP-1や遊離脂肪酸は動脈硬化の発症に関与していると考えられています。
他にも、血栓を作り出す因子が分泌されることが分かっているそうです。
肥満症は数多くの健康被害の中核を成しています。肥満症は脂肪細胞の質的異常と量的異常に分類されます。
質的異常タイプは内臓脂肪の蓄積が病態の中心となります。この場合の合併症を引き起こす主原因は二通りあります。
1つは脂肪が門脈から肝臓に入り、高脂血症をおこし脂肪肝に。
もう1つは前述のように脂肪細胞から分泌する種々の生理活性物質の量がかわり結果、耐糖能異常、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸値血症などの発症リスクを高めます。
量的異常タイプは皮下脂肪の蓄積が病態の中心です。
合併症としては骨・関節疾患、睡眠時無呼吸症候群などがあり、BMI30以上の場合が多いです。(脂肪細胞の質的・量的異常はBMIによって絶対的に区別されるものではない)
肥満症により惹起される合併症を治療により予防することです。
治療方法には、食事療法、運動療法、行動療法、精神療法、薬物療法、外科療法があります。
○食事療法
基本は摂取エネルギー量が消費エネルギー量を超えないことです。
摂取エネルギー量を1000~1800kcal/日とし肥満症タイプや年齢、性別、身長、体重、仕事量、体動、運動量に応じて多種に分類された摂取エネルギーから選択します。
>栄養素を確保するため、以下のように設定
・タンパク質 [標準体重×1.0~1.2g/日]
・必須脂肪酸 [脂質20g/日以上]
・炭水化物 [80~100g/日以上]
・ビタミン・ミネラルなどの確保
BMI30kg/㎡以上で健康障害改善のため、迅速かつ大幅な体重減少が必要な肥満の場合には、超低エネルギー食(1日600kcal以下)を摂取させることあり。
1日3回、一口30回程度咀嚼してゆっくり食事する。
○運動療法
必ず食事療法を併用して行うことが必要です。
運動の強さは120拍/分(60~70才代 100拍/分)程度がのぞましいです。
具体的には散歩、ジョギング、体操、水泳などをするとよい。
1回に10~30分、できれば1日2~3回、週3~5日以上実施することが効果的です。筋力の低下した高齢者では筋力トレーニングを併用。
○行動療法
食事の記録、体重の記録は行動療法として有効です。
行動療法はリバウンド防止に効果があります。しかし、過食症では体重へのこだわりを強化してしまうため禁忌です。
○食事の記録
時、場所、状況、食事内容、食事の量を記録
○体重の記録
起床してトイレに行った後、食事を取る前の同じ時間帯に体重をはかりグラフにする。
その日に行った運動、出来事、体調なども合わせてメモしておくと良い。
○薬物療法
食欲抑制薬(マジンドール)があるが適応基準を順守する必要があります。
○外科療法
胃や小腸に操作を加えてエネルギー摂取を制限する。
BMI35以上の肥満症で肥満関連健康被害を有する内科治療抵抗性の方に適応を限定しています。
1.脂肪細胞の質的異常タイプ(内臓脂肪蓄積を標的に減量治療)
体重・腹囲の5%減を減量目標に設定。
食事療法(摂取エネルギーを1800~1200cal)、その他、行動療法、運動療法を導入。
約3か月毎に治療効果を判定し目標達成なら、治療継続
目標未達成ならば摂取エネルギーの制限を強化する。
また質的異常による合併症が2つ以上あれば薬物療法を併用。
2.脂肪細胞の量的異常タイプ
体重・腹囲の5~10%減を減量目標に設定。
食事療法(摂取エネルギーを1400~1000cal)、及び行動療法。量的異常による合併症があれば薬物療法の併用も検討。
このタイプの場合は初期、食事療法が優先され運動療法は推奨されていない。
約3か月毎に治療効果を判定し目標達成なら、治療継続
目標未達成ならば摂取エネルギーの制限を強化し、この時運動療法を導入する。その後も薬物療法の再導入を含めた治療法の見直しを行う。
肥満は多種の健康障害を引き起こす可能性があるため、解消する必要があります。
特に内臓脂肪型肥満は糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を発症しやすく、無症状のうちに動脈硬化を促進し脳卒中や虚血性心疾患を発症し、最悪の場合死に至る可能性が一段と増加します。
日頃から健康維持のため太らないように食生活を気をつけましょう。同時に筋肉量が減らないよう運動もしましょう(筋肉は基礎代謝の要)。
また、過食の原因であるストレス対策も重要です。
富士堂では体質に合う漢方薬処方の他、生活・食事・運動指導でダイエットをトータルサポートしています。ダイエット・肥満にお悩みの方はぜひ一度、ご相談ください。
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日本においても食事の欧米化に伴い肥満者は増加し、平均BMIの上昇の一途を辿っています。
厚生労働省の国民健康・栄養調査結果の概要(平成23年)によると日本人の肥満の割合は男性で約30%、女性で約22%。肥満及び肥満症はご存知の通り生活習慣と密接に関連があります。
【肥満とは】
肥満の定義は『体脂肪が過剰に蓄積した状態』です。
BMI(体格指数:body mass index)の値により判定します。
BMI = 体重kg ÷ (身長m × 身長m)
BMI 25以上が肥満と判定されます(国際合意基準)。
(日本肥満学会では、BMI 22を標準と設定。この値はやせや肥満を原因とする病気にかかりにくいとされています。)
注)BMI35以上を「高度肥満」と定義。肥満(BMI25以上)は、医学的に減量を要する状態とは限らない
【肥満の分類】
肥満は原発性(単純性)肥満と二次性(症候性)肥満に分類されます。
大部分(98~99%)は体質あるいは過食などの生活習慣による原発性肥満です。
頻度がごくまれな二次性肥満には内分泌性・遺伝性・視床下部性・前頭葉性・薬剤性肥満に分類されます。
二次性肥満の大部分は内分泌性で、遺伝性・視床下部性肥満は稀です。
また蓄積する体脂肪の分布により、内臓脂肪型肥満、皮下脂肪型肥満に分類されます。
内臓脂肪型肥満はハイリスクの肥満であり、後述の肥満症に含まれます。
【肥満の原因】
摂取エネルギーが消費エネルギーを超過すると、脂肪組織の過剰蓄積となり肥満に近づきます。
食欲、ホルモン分泌(性ホルモン・腎皮質ステロイド・ンスリンなど)、自律神経系、運動不足、食生活などの原因因子が複雑的に関連し合い、肥満が形成されるのです。
原因疾患には以下のようなものがあります。
①原発性肥満
②二次性肥満
③内分泌性
Cushing症候群
糖尿病
インスリノーマ
甲状腺機能低下症
偽性副甲状腺機能低下症
④遺伝性
Bardet-Biedl症候群
Edwards症候群
Biemond症候群 など
⑤視床下部性
脳腫瘍:頭蓋咽頭腫,下垂体腺腫,松果体腫瘍,神経膠腫
トルコ鞍空洞症
頭部外傷後遺症
視床下部炎症性疾患:脳炎,サルコイドーシス,結核
白血病
脳血管障害 など
⑥前頭葉性
前頭葉性腫瘍
⑦薬物性
シプロヘプタジン
クロルプロマジン
フェノチアジン など
原発性肥満と比べて、二次性肥満では、多毛,低血糖発作,脱毛,無月経,テタニー,低身長,知能低下,網膜色素変性,性器発育不全,難聴などの症状が肥満症状以外にみられることもあり、不均衡に太っている場合もあります。
【肥満症とは】
肥満症とは、『肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測される場合で、医学的に減量を必要とする病態』です。
肥満症の診断は肥満と判定されたもの(BMI25以上)のうち、以下のいずれかの条件を満たすもの
a.肥満に起因ないし関連し、減量を要する(減量により改善する,または進展が防止される)健康障害を有するもの。
b.健康障害を伴いやすいハイリスク肥満
ウエスト周囲長のスクリーニングにより内臓脂肪蓄積を疑われ、腹部CT検査によって確定診断された内臓脂肪型肥満。
a. の肥満に起因ないし関連し、減量を要する健康障害とは?
1.肥満症の診断基準に必要な合併症
1)耐糖能障害(2型糖尿病,耐糖能異常など)
2)脂質異常症
3)高血圧
4)高尿酸血症・痛風
5)冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症
6)脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作(TIA)
7)脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患/NAFLD)
8)*月経異常,妊娠合併症(妊娠高血圧症候群,妊娠糖尿病,難産)
9)*睡眠時無呼吸症候群(SAS)・肥満低換気症候群
10)*整形外科的疾患:変形性関節症(膝・股関節)・変形性脊椎症,腰痛症
11)肥満関連腎臓病
2.診断基準には含めないが,肥満に関連する疾患
1)良性疾患:胆石症,静脈血栓症・肺塞栓症,気管支喘息,皮膚疾患(偽性黒色表皮腫,摩擦疹,汗疹)
2)悪性疾患:胆道癌,大腸癌,乳癌,子宮内膜癌
*脂肪細胞の量的異常がより強く関与
② の内臓脂肪型肥満は皮下細胞に比べ内臓脂肪が過剰に蓄積した状態です。
内臓脂肪面積が100平方cm以上になると内臓脂肪型肥満と診断されます。
日常診療ではウエスト周囲径を測定し、男性では85cm以上・女性では90cm以上を内臓脂肪型肥満とする方法が用いられています。
(出典:肥満症診断基準2011より引用)
ではなぜ、内臓脂肪型肥満は健康障害をもたなくても後のハイリスク肥満として危険視されるのでしょうか?
内臓脂肪は「腹腔の腸間膜周囲に沈着する脂肪」です。
食事の摂取エネルギーが消費エネルギーより過剰になると中性脂肪(エネルギー源)として体内に蓄えられます。
腸間膜にはもともと脂肪はついてないのですが、中性脂肪が使いきれない場合、小腸から近い腸間膜に蓄積するのです。
特に男性や閉経後の女性は、過剰摂取エネルギーを皮下脂肪として蓄積させやすいエストロゲンが不足しているため、特に内臓脂肪にエネルギーを蓄積しやすい傾向にあります。
内臓脂肪は周囲の血流が豊富ですので、血中の中性脂肪はすぐに蓄えられてしまうのです。
またエネルギーが必要な時は、自らの脂肪を分解し遊離脂肪酸とグリセロールの形で全身に供給します。
中性脂肪を蓄えるために脂肪組織は、細胞のサイズを肥大(約直径1.7倍)および細胞自身の分裂により細胞数を増加させます。
このようにエネルギーの貯蔵と供給の役割を果たしている脂肪細胞は、生理活性物質も分泌しています。
脂肪細胞を含めた脂肪組織は、身体にとって良い働きをしているのです。
しかし、肥満の状態での脂肪組織には悪玉のマクロファージがたくさん集まっておりそれらは炎症を促進するため慢性炎症がおきています。
結果、脂肪細胞から善玉因子の分泌が減り、一方で悪玉因子が増えてきてしまいます。
具体的には肥大化していない小型の脂肪細胞から分泌される善玉の生理活性物質の1つには、アディポネクチンがあり、炎症抑制作用があります。
これは慢性炎症性疾患である糖尿病や、動脈硬化症の発症を抑制する作用があります。
他にも上記枠内のような生理活性物質が分泌されます。
ところが肥大化した脂肪細胞は、悪玉の生理活性物質であるTNF-αやMCP-1、遊離脂肪酸などを放出します。
一方アディポネクチンなど善玉生理活性物質の分泌は抑制されます。
TNF-αはインスリンの働きを悪化させて糖尿病発症に関与し、MCP-1や遊離脂肪酸は動脈硬化の発症に関与していると考えられています。
他にも、血栓を作り出す因子が分泌されることが分かっているそうです。
【肥満症の合併症】
肥満症は数多くの健康被害の中核を成しています。肥満症は脂肪細胞の質的異常と量的異常に分類されます。
質的異常タイプは内臓脂肪の蓄積が病態の中心となります。この場合の合併症を引き起こす主原因は二通りあります。
1つは脂肪が門脈から肝臓に入り、高脂血症をおこし脂肪肝に。
もう1つは前述のように脂肪細胞から分泌する種々の生理活性物質の量がかわり結果、耐糖能異常、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、高尿酸値血症などの発症リスクを高めます。
量的異常タイプは皮下脂肪の蓄積が病態の中心です。
合併症としては骨・関節疾患、睡眠時無呼吸症候群などがあり、BMI30以上の場合が多いです。(脂肪細胞の質的・量的異常はBMIによって絶対的に区別されるものではない)
【肥満症の治療】
<治療目的>
肥満症により惹起される合併症を治療により予防することです。
<治療方法>
治療方法には、食事療法、運動療法、行動療法、精神療法、薬物療法、外科療法があります。
○食事療法
基本は摂取エネルギー量が消費エネルギー量を超えないことです。
摂取エネルギー量を1000~1800kcal/日とし肥満症タイプや年齢、性別、身長、体重、仕事量、体動、運動量に応じて多種に分類された摂取エネルギーから選択します。
>栄養素を確保するため、以下のように設定
・タンパク質 [標準体重×1.0~1.2g/日]
・必須脂肪酸 [脂質20g/日以上]
・炭水化物 [80~100g/日以上]
・ビタミン・ミネラルなどの確保
BMI30kg/㎡以上で健康障害改善のため、迅速かつ大幅な体重減少が必要な肥満の場合には、超低エネルギー食(1日600kcal以下)を摂取させることあり。
1日3回、一口30回程度咀嚼してゆっくり食事する。
○運動療法
必ず食事療法を併用して行うことが必要です。
運動の強さは120拍/分(60~70才代 100拍/分)程度がのぞましいです。
具体的には散歩、ジョギング、体操、水泳などをするとよい。
1回に10~30分、できれば1日2~3回、週3~5日以上実施することが効果的です。筋力の低下した高齢者では筋力トレーニングを併用。
○行動療法
食事の記録、体重の記録は行動療法として有効です。
行動療法はリバウンド防止に効果があります。しかし、過食症では体重へのこだわりを強化してしまうため禁忌です。
○食事の記録
時、場所、状況、食事内容、食事の量を記録
○体重の記録
起床してトイレに行った後、食事を取る前の同じ時間帯に体重をはかりグラフにする。
その日に行った運動、出来事、体調なども合わせてメモしておくと良い。
○薬物療法
食欲抑制薬(マジンドール)があるが適応基準を順守する必要があります。
○外科療法
胃や小腸に操作を加えてエネルギー摂取を制限する。
BMI35以上の肥満症で肥満関連健康被害を有する内科治療抵抗性の方に適応を限定しています。
<治療の流れ>
1.脂肪細胞の質的異常タイプ(内臓脂肪蓄積を標的に減量治療)
体重・腹囲の5%減を減量目標に設定。
食事療法(摂取エネルギーを1800~1200cal)、その他、行動療法、運動療法を導入。
約3か月毎に治療効果を判定し目標達成なら、治療継続
目標未達成ならば摂取エネルギーの制限を強化する。
また質的異常による合併症が2つ以上あれば薬物療法を併用。
2.脂肪細胞の量的異常タイプ
体重・腹囲の5~10%減を減量目標に設定。
食事療法(摂取エネルギーを1400~1000cal)、及び行動療法。量的異常による合併症があれば薬物療法の併用も検討。
このタイプの場合は初期、食事療法が優先され運動療法は推奨されていない。
約3か月毎に治療効果を判定し目標達成なら、治療継続
目標未達成ならば摂取エネルギーの制限を強化し、この時運動療法を導入する。その後も薬物療法の再導入を含めた治療法の見直しを行う。
~最後に~
肥満は多種の健康障害を引き起こす可能性があるため、解消する必要があります。
特に内臓脂肪型肥満は糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病を発症しやすく、無症状のうちに動脈硬化を促進し脳卒中や虚血性心疾患を発症し、最悪の場合死に至る可能性が一段と増加します。
日頃から健康維持のため太らないように食生活を気をつけましょう。同時に筋肉量が減らないよう運動もしましょう(筋肉は基礎代謝の要)。
また、過食の原因であるストレス対策も重要です。
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