皮膚の痒みが消えない、ステロイド・アレグラ処方あり｜漢方治療スタート

主訴：皮膚の痒み（50代男性）

5年前海外（南国）で湿疹が出現、原因不明。

【発症当時】全身の痒み（+）・膨疹（+）・赤み（+）・痛み（+）・熱感（-）・分泌液（-）

滞在地の医師にステロイド剤外用薬（強）を処方され、使用後症状は大分改善された。

しかし、わずかな痒みが今でもなかなか消えない。

最初の症状の酷さを本人の感覚で「１０」とすれば、今は「2」。現在もその時処方された強いステロイド剤外用薬を使用中。

【富士堂初来店時】全身に湿疹は散在。痒み（+）・赤み（-）・痛み（-）膨らみ（-）・色素沈着（+）・皮膚の乾燥（+）

アレグラは4時間ごとで3-4回/日服用。便通正常で、血圧130+/90+、LDL（悪玉コレステロール）値が高い。
脈力あり、やや大。腹大、やや硬め、厚みあり、力あり。淡紅舌、苔は薄い黄ややじ。

漢方治療の経過｜荊芥連翹湯、防風通聖散、十味敗毒湯など漢方薬チョイス

漢方薬「荊芥連翹湯」と「防風通聖散」を中心に治療。

ステロイド剤と「中黄膏」を1：1で合わせて使用。痒みはやや増、湿疹範囲やや広がったが、痒くない時期も増えた。

元々3回服用していたアレグラを飲み忘れる時もあり、１日2回服用が多くなってきた。

就寝中、痒くて目が覚めることあり、胸のあたりに痒みを多く感じる。

飲酒後に痒みが増えることにから考察し「十味敗毒湯」を追加。その後は痒みも範囲も大分軽減し、就寝中の痒みもなくなってきた。

⇒ステロイド剤の用量も2割以下（1：4）に減った。色素沈着はまだ見られるが、痒みはほぼなくなった。その後内服薬（アレグラ）は中止し、外用薬のみになった。

 

中医師張冬先生のコメント｜皮膚表面にたまった熱を発散する治療プラン

ステロイドの長期使用により、皮膚にストレスがたまります。本症例では柴胡剤の使用により、皮膚表面に溜まっている熱（ストレス）を発散させることをねらいとしました。

その効果により、一時的に症状が悪化したように見えたもののそれは好転反応であり、継続服用することで症状が軽快しました。



 

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