2016.03.03>花粉症・アレルギー鼻炎
症例報告~猫アレルギーに五虎湯と防已黄耆湯~
約4年前、猫を飼い始めた頃から猫アレルギー発症。愛猫家で、仕事帰りに猫といる時間が長く、猫の毛などにより咳やくしゃみが出ることにお悩みで、漢方治療をされた患者様の症例です。
30代、男性、177cm、75Kg
主訴:猫アレルギーにより喘息、咳
内科・耳鼻科に問題なく、スギ・ヒノキアレルギ(++)で、アレルギー科で抗ヒスタミン剤や喘息薬の吸入剤を処方中。一見したところでは異常な印象はうけない。
色白で、明るい方で、自汗が多く、暑がりで、ストレスか病気で気分が塞がり梅核気らしい訴えがある。仕事場で喘息や咳は落ち着きますが、家に帰ると症状が増悪。
腹力(+-)、心下痞硬(-)。胸脇苦満(-)、振水音(-)
淡白紅舌でやや湿めの薄白苔がある。歯痕(+)、裂紋(-)舌下静脈怒張(-)脈力あり。
食欲・便通異常なし。咳で夜眠れない時もあるが、咳が出ない時には眠れる。
<初回>
アレルギー、色白、自汗、ややポッチャリの体格より水の代謝が悪く「水滞」と咳、喘息より「気逆」に対応する防已黄耆湯エキス(1日3回朝昼晩)と五虎湯エキス(1日3回昼晩眠前)2週間分を処方。
咳が酷くならない限り、抗ヒスタミン剤と喘息薬を飲まないようにアドバイスした。
<2回目>
漢方を服用開始日から、咳や喘息ほとんどでなくなって、この2週間に新薬のほう一回飲むこともない。
猫と一緒にいても、喉のムズムズ感はまだありますが、咳が出るまでにはいかない。
体質改善するため防已黄耆湯が継続、五虎湯の残薬は咳が出る時に服用する。
<3回目>
体調が安定し、体質改善のため、防已黄耆湯を継続服用
<5回目>
長い連休中でも、咳が出ない。「ようやく楽しく猫と一緒に遊べるようになった」とのこと。
<6回目以後>
喉の不快感がある時に半夏厚朴湯と併用し、体質改善のため防已黄耆湯を減量で服用する。
アレルギーを治療する際、緊迫性がある時期には対症療法、症状が比較的穏やかな時期には根本的に治療するための体質改善療法が必要です。
本症例には緊迫性がある咳や喘息に対し、麻黄・杏仁を用い、喘咳を治すことを目指しました。
一方、アレルギー体質は主に「水の代謝」が悪いと考え、アレルギーによりヒスタミンを代謝しきれず、限界を超えると過敏症状が出るととらえ漢方治療を行います。
防已黄耆湯に防已と朮は利尿、黄耆は体表の水を去ると皮膚を滋養する効果があり、処方をしました。
溜まっているヒスタミンなど「水毒」を速やかに代謝し、皮膚の滋養をすることで、アレルギー物質が安易に侵入する事ができなくなるのです。漢方で猫アレルギー卒業が期待できます!
患者様について
30代、男性、177cm、75Kg
主訴:猫アレルギーにより喘息、咳
内科・耳鼻科に問題なく、スギ・ヒノキアレルギ(++)で、アレルギー科で抗ヒスタミン剤や喘息薬の吸入剤を処方中。一見したところでは異常な印象はうけない。
色白で、明るい方で、自汗が多く、暑がりで、ストレスか病気で気分が塞がり梅核気らしい訴えがある。仕事場で喘息や咳は落ち着きますが、家に帰ると症状が増悪。
腹力(+-)、心下痞硬(-)。胸脇苦満(-)、振水音(-)
淡白紅舌でやや湿めの薄白苔がある。歯痕(+)、裂紋(-)舌下静脈怒張(-)脈力あり。
食欲・便通異常なし。咳で夜眠れない時もあるが、咳が出ない時には眠れる。
漢方治療&経過
<初回>
アレルギー、色白、自汗、ややポッチャリの体格より水の代謝が悪く「水滞」と咳、喘息より「気逆」に対応する防已黄耆湯エキス(1日3回朝昼晩)と五虎湯エキス(1日3回昼晩眠前)2週間分を処方。
咳が酷くならない限り、抗ヒスタミン剤と喘息薬を飲まないようにアドバイスした。
<2回目>
漢方を服用開始日から、咳や喘息ほとんどでなくなって、この2週間に新薬のほう一回飲むこともない。
猫と一緒にいても、喉のムズムズ感はまだありますが、咳が出るまでにはいかない。
体質改善するため防已黄耆湯が継続、五虎湯の残薬は咳が出る時に服用する。
<3回目>
体調が安定し、体質改善のため、防已黄耆湯を継続服用
<5回目>
長い連休中でも、咳が出ない。「ようやく楽しく猫と一緒に遊べるようになった」とのこと。
<6回目以後>
喉の不快感がある時に半夏厚朴湯と併用し、体質改善のため防已黄耆湯を減量で服用する。
中国医師・張冬先生のコメント
アレルギーを治療する際、緊迫性がある時期には対症療法、症状が比較的穏やかな時期には根本的に治療するための体質改善療法が必要です。
本症例には緊迫性がある咳や喘息に対し、麻黄・杏仁を用い、喘咳を治すことを目指しました。
一方、アレルギー体質は主に「水の代謝」が悪いと考え、アレルギーによりヒスタミンを代謝しきれず、限界を超えると過敏症状が出るととらえ漢方治療を行います。
防已黄耆湯に防已と朮は利尿、黄耆は体表の水を去ると皮膚を滋養する効果があり、処方をしました。
溜まっているヒスタミンなど「水毒」を速やかに代謝し、皮膚の滋養をすることで、アレルギー物質が安易に侵入する事ができなくなるのです。漢方で猫アレルギー卒業が期待できます!
富士堂漢方薬局 中国医師 張冬
張先生の紹介・予約日・症例集>>「張先生の漢方治療日記」
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