去年切迫流産で、漢方を求めにきたAさんが、無事に出産しました。
今回は咳が長く続いていると、電話でのご相談でした。

経緯：

約一週間前から風邪っぽく、咽喉の痛みとやや咳があったが、熱はなかった。
近所の病院から風邪薬をもらったが、授乳中のため、せき止めは出されなかった。
咳が段々酷くなり、ほかの病院から咳止め（コデインリン酸塩散１％）を出されたが、飲んでも改善されなかった。

症状：

咳が酷く、昼も夜も咳がでて、夜は咳のため10回以上目がさめ、眠れない。
空咳がメインで、たまに黄緑色の痰が出る。
寒気（-）・熱（-）・喘息既往（-）・咽喉と耳の間に違和感（＋）。
唾液が多く出ている状態。

治療：

麦門冬湯と竹茹温胆湯を朝・晩・就寝前服用で7日分処方。

１回目の服用後に咳の回数は激減し、その日の夜は目が覚めたのは１回だけだった。

翌日、昼間に咳はまだ出ているが、夜はほとんど出なくなった。

3日後には咳がほとんどなく、授乳中の為服用を中止したい旨の申し出があったが、今回の処方は授乳に影響がないので、念のため７日分飲み切るよう指示。

コメント：

漢方薬も即効性があります。典型的な麦門冬湯証の場合には、痰がないのが一般的ですが、今回は、「黄緑色の痰が出る、夜に咳で眠れない」を考慮し、竹茹温胆湯と一緒に投与したことで、良い結果が出ました。

富士堂漢方薬局　飯田橋店長　張冬