Treatment病状別漢方治療

- 痛み(肩こり、神経痛、関節痛、腰痛など)
- 1.痛み(肩こり、神経痛、関節痛、腰痛)を漢方薬で治療する理由
肩こり・腰痛・神経痛・関節痛など、慢性的な「痛み」に関するご相談は、富士堂漢方薬局でも非常に多く寄せられています。
「病院で検査しても原因が見つからないのに痛む」
「痛み止めの薬・神経ブロック注射に頼るしかなく、不安を感じている」
「できるだけ薬に頼らずに改善したい」
こうしたお悩みを抱える方が年々増えており、痛みによって日常生活が制限されたり、気分が落ち込んだりするなど、心身ともに大きな負担を感じている方も少なくありません。
痛みの感じ方や原因は一人ひとり異なり、筋肉の緊張、血行不良、冷え、体力の低下、ストレスの蓄積、加齢による変化など、さまざまな要因が重なって現れることが多くあります。
富士堂漢方薬局では、局所的な痛みだけでなく、全身の状態や生活環境も含めて総合的に評価し、その方の体質に合わせた漢方処方をご提案します。痛みに悩む方のつらさに寄り添いながら、自然な改善と生活の質(QOL)の向上を目指します。
■よくあるご相談内容
肩こり、腰痛、坐骨神経痛、関節痛、首の痛み、背中の痛み、変形性膝関節症、五十肩、腱鞘炎、手足のしびれ、線維筋痛症、関節リウマチ、筋肉痛、慢性疲労による全身の痛み、骨粗しょう症による痛み、天候による痛みの悪化、術後の痛み、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、長引く痛みによる不眠や抑うつ傾向など
今回はその中でも特にご相談の多い以下の5項目と実際の症例などについて解説いたします。(タップで各項目へ)
※関節リウマチについては免疫性疾患ページにて解説しております
- 1. 痛み(肩こり、神経痛、関節痛、腰痛)を漢方薬で治療する理由
- 2. 痛みに対する富士堂の漢方治療の特徴
- 3. 症状別:漢方治療アプローチ
- ➤3-1. 肩こり
- ➤3-2. 腰痛
- ➤3-3. 神経痛(坐骨神経痛、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、肋間神経痛など)
- ➤3-4. 関節痛・膝の痛み
- ➤3-5. 原因不明の痛み
- 4. 実際の症例
- 5. 富士堂の漢方が選ばれる理由
- 6. ご相談・カウンセリングの流れ
- 7. 肩こり・腰痛・神経痛・関節痛・膝の痛みでお悩みの方へにお悩みの方へ 〜富士堂からのメッセージ〜
痛みに対する富士堂の漢方治療の特徴
富士堂漢方薬局では、慢性痛や原因不明の痛みに対する漢方相談を多数行っており、長年の経験に基づいた専門的な視点から丁寧なサポートを行っています。
初回のご相談では、痛みの部位や強さ、発症時期、時間帯による変化、冷えや天候の影響、生活スタイルや食習慣などを細かくお伺いし、痛みの背景を多角的に分析します。さらに、漢方医学の見地から舌や脈、お腹の状態も確認し、現在のお体の状態を的確に把握します。
富士堂では、これらの詳細な情報と漢方医学的な診断に基づき、痛みの急性期と慢性期を鑑別し、その状態に応じて細やかに処方を調整していきます。
例えば、急性期の強い炎症を伴う痛みには、即効性があり炎症を抑える処方を、一方、慢性期に入り痛みが長引く場合には、根本的な体質改善を目指し、血行促進や滋養強壮を目的とした処方へと切り替えるなど、柔軟に対応します。
このように、富士堂は一人ひとりのお客様に寄り添った細やかな対応を最も大切にしています。痛みの症状が変化したり、季節や体調の変化に応じて、処方内容を丁寧に調整し、お客様が「痛みに悩まない生活」を送れるよう、最適なサポートを提供いたします。
3.症状別:漢方治療アプローチ
1.肩こり
肩こりは、日本人に非常に多くみられる慢性症状のひとつです。「常に肩が重い」「張って痛む」「頭痛や吐き気まで出てくる」など、単なる筋肉疲労にとどまらず、日常生活の質を大きく損なう要因となることもあります。
現代医学では、マッサージやストレッチ、湿布、筋弛緩薬、鎮痛剤などが一般的な対処法とされますが、「治療を受けてもすぐに戻ってしまう」「根本的に改善したい」といったお悩みも少なくありません。
富士堂漢方薬局には、こうした慢性的な肩こりに悩む方が多くご相談に訪れており、漢方を用いた体質改善・再発予防を希望されるケースが年々増加しています。単なる筋肉の緊張だけではなく、血流、神経、自律神経、冷え、ストレス、胃腸機能など、多方面から原因を捉えることで、症状の根本改善を目指します。
① 漢方医学における肩こりの考え方
漢方では、肩こりを「肩だけの不調」とは見なさず、身体全体の巡りやバランス、内臓の働き、精神的な影響などと密接に関係していると捉えます。
特に以下のような要因が肩こりの背景にあることが多くあります:
・長時間の同じ姿勢(デスクワーク、スマホ操作など
・ストレスや緊張による筋肉のこわばり
・血行不良や冷えによる循環障害
・自律神経の乱れ
・胃腸の不調、睡眠の質の低下
・気圧や天候の影響に敏感
富士堂では、症状が起きている「背景」や「体質の傾向」に注目し、全身を整えることで肩こりの改善・再発予防に取り組んでいます。
② 肩こりの漢方治療
富士堂漢方薬局では、肩こりの漢方相談において、問診・舌診・脈診・腹診を通して、症状の現れ方だけでなく全身の状態を丁寧に確認します。原因や体質に合わせたオーダーメイドの処方を行うことで、より効果的な治療を目指します。
▼体質・症状別の 主な処方例 ※あくまでも一例です
■ストレス・緊張型の肩こり
ストレスや神経の緊張から肩・首がこわばり、寝ても疲れが取れないタイプには、気の巡りを整え、筋肉の緊張を和らげる処方を用います。
処方例:加味逍遙散、大柴胡湯、柴胡桂枝湯、四逆散、血府逐瘀丸
■血行不良型の肩こり
冷えや運動不足、年齢による循環の低下が原因で血流が滞り、筋肉が硬直しているタイプ。刺すような痛みや慢性的な重だるさが特徴です。
処方例:冠心逐瘀丹、桂枝茯苓丸、疎経活血湯、血府逐瘀丸、独活寄生湯
■冷えや虚弱体質に伴う肩こり
体力や代謝が低下し、冷えとともに肩こりが悪化するケースでは、身体を内側から温め、巡りを促す漢方が効果的です。
処方例:五積散、当帰芍薬散、八味地黄丸、真武湯、附子理中湯、温経湯
■水分代謝の乱れによる肩こり
体内の余分な水分が滞り、むくみや頭の重さを伴う肩こりには、利水作用を持つ処方で全身のバランスを整えます。
処方例:苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯、五苓散、当帰芍薬散
■対症療法として(気温差・疲労・風邪の前ぶれにも)
寒暖差や気圧の変化、ストレス、睡眠不足などをきっかけに急に肩がこわばる方や、「風邪の引き始めのようなだるさ」「首すじから背中にかけての張り」を感じる方には、早めの漢方対応が効果的です。
こうした肩こりは、放置すると慢性化しやすいため、体調の変化に合わせて対症療法を上手に組み合わせることをおすすめします。
処方例:葛根湯、独活葛根湯、桂枝加葛根湯、桂枝湯
富士堂漢方薬局では、単なる「筋肉の緊張」だけにとどまらず、あなたの肩こりがなぜ起こるのか、どのような体質背景があるのかを丁寧に見極め、最適な処方と生活サポートをご提案いたします。
漢方だからこそできる“根本からのアプローチ”で、つらい肩こりのない毎日をサポートします。お気軽にご相談ください。
2.腰痛
腰痛は、働き盛りの年代から高齢者まで幅広い層が悩む症状のひとつであり、その背景には急性腰痛(ぎっくり腰)、慢性腰痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、筋膜性腰痛など多様な病態が含まれます。特に慢性的に続く腰痛は、立ち上がりや歩行、就寝時の寝返りなど日常生活の基本動作に支障をきたし、仕事や家事への意欲を大きく削ぐ要因となります。
西洋医学では、消炎鎮痛薬、筋弛緩薬、神経ブロック注射、理学療法などの治療が中心となりますが、痛みが一時的に和らいでも根本的な改善に至らず、「薬を飲み続けている」「痛みが繰り返す」といった悩みを抱える方が少なくありません。
このような背景から、腰痛に対しては「体質の根本改善」や「再発予防」を重視した漢方治療を希望される方が増えています。腰痛に適した漢方薬は多岐にわたり、患者様それぞれの症状や体質、痛みの性質に合わせて処方を選択することが可能です。全身の血流、筋肉の緊張、水分代謝、腎機能の調整を図ることで、慢性腰痛の根本的な改善を目指していきます。
①漢方医学における腰痛の考え方
漢方では、腰痛を「腰だけの問題」と捉えるのではなく、全身状態との関連から総合的に評価します。例えば、過労による体力低下、冷えによる血流停滞、ストレスによる筋肉の緊張、加齢による骨や筋力の衰え、水分代謝の乱れ、胃腸機能の低下などが腰痛の誘因・悪化因子として関係していると考えます。
特に以下のような背景がみられるケースでは、腰痛は「体の不調の一部」として現れている可能性があります。
・疲れやすく、朝起きるのがつらい
・冷え性で、寒い時期に悪化しやすい
・脚のしびれやむくみを伴う
・夜間痛があり、眠りが浅い
・生理周期に伴って腰が重くなる
このような症状を含めて全体を調整することで、根本的な改善につなげていくのが漢方治療の特徴です。
②富士堂での腰痛の漢方治療
富士堂では、腰痛にお悩みの方に対して、問診だけでなく舌・脈・腹の状態を丁寧に観察し、個々の体質と腰痛の関連性を立体的に捉えるよう心がけています。
そのうえで、腰部の血流調整、筋肉の緊張緩和、炎症の鎮静、水分代謝の改善、腎機能の強化などを視野に入れた処方設計を行っています。
▼体質・症状別の 主な処方例 ※あくまでも一例です
■急性期・炎症性の腰痛(ぎっくり腰、熱感、動作で悪化)
突然発症した急性腰痛や、炎症による熱感・腫れを伴う腰痛には、炎症を鎮め、痛みを和らげる処方が有効です。動作時の激痛や、安静時でも続く痛みに対して、速やかな症状緩和を目指します。
処方:治打撲一方、大承気湯、通導散、疎経活血湯、芍薬甘草湯など
■慢性的な血行不良による腰痛(冷え、夜間痛、刺すような痛み)
腰部の血流が滞り、筋肉が硬くなることで生じる慢性腰痛には、血流を改善し、筋肉の緊張を和らげる処方を用います。特に冷えによって悪化しやすい方や、夜間に痛みが増すタイプに適しています。
処方:桂枝茯苓丸、疎経活血湯、治打撲一方、桃核承気湯、独活寄生丸など
■水分代謝の乱れ、冷えによる腰痛(むくみ、重だるさ、湿気で悪化)
腰部の水分停滞や全身のむくみを伴う腰痛には、体内の水分バランスを調整し、余分な水分を排出する処方を使用します。梅雨時期や雨の日に悪化しやすい特徴があります。
処方:五積散、桂枝加苓朮附湯、苓姜朮甘湯、防己黄耆湯、真武湯、五苓散など
■腎虚による腰痛(加齢、疲労、脚の弱さ、夜間頻尿)
加齢や過労によって腎機能が低下し、腰や脚の力が弱くなるタイプの腰痛には、腎機能を補い、体力を回復させる処方を用います。朝のこわばりや脚のだるさ、夜間頻尿などを伴うことが多いのが特徴です。
処方:八味地黄丸、牛車腎気丸、独活寄生丸、動物性補腎薬(亀板・鹿角など)など
富士堂漢方薬局では、長年の臨床経験をもとに、腰痛の背景にある体質や生活習慣を丁寧に分析し、お一人おひとりに最適な漢方薬をご提案いたします。痛みの症状だけでなく、疲労感、冷え、睡眠の質、消化機能など、お体全体のバランスを整えることで、腰痛の根本改善を目指します。
毎日の痛みでお困りの方に、そっと寄り添いながら、改善への道筋をご一緒に見つけてまいります。症状の奥にある"体質の歪み"を見抜き、改善の糸口をご提案いたします。
3.神経痛(坐骨神経痛、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、肋間神経痛など)
神経痛は、末梢神経の損傷や炎症によって引き起こされる特有の痛みであり、坐骨神経痛、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、肋間神経痛など多様な病態が含まれます。この痛みは、電気が走るような鋭い痛み、焼けるような痛み、しびれを伴う痛みなど、通常の痛みとは異なる特殊な性質を持ち、日常生活に深刻な影響を与えます。
西洋医学では、抗てんかん薬、三環系抗うつ薬、神経ブロック注射、ビタミンB12製剤などの治療が中心となりますが、効果が不十分であったり、副作用による眠気やふらつきに悩まされるケースも少なくありません。また、一時的に痛みが軽減しても、根本的な改善に至らず長期間にわたって症状が続くことが多いのが現状です。
このような背景から、神経痛に対しては「体質の根本改善」や「神経の修復力向上」を重視した漢方治療を希望される方が増えています。神経痛に適した漢方薬は豊富にあり、患者様それぞれの症状や体質、痛みの部位や性質に合わせて処方を選択することが可能です。血流改善、神経の栄養状態向上、炎症の鎮静、全身の調和を図ることで、神経痛の根本的な改善を目指していきます。
①漢方医学における神経痛の考え方
漢方では、神経痛を「神経だけの問題」と捉えるのではなく、全身状態との関連から総合的に評価します。例えば、血流の停滞による神経への栄養不足、冷えによる循環障害、ストレスによる自律神経の乱れ、加齢による回復機能の低下、水分代謝の異常、免疫力の低下などが神経痛の誘因・悪化因子として関係していると考えます。
特に以下のような背景がみられるケースでは、神経痛は「体の不調の一部」として現れている可能性があります。
・疲れやすく、回復力が低下している
・冷え性で、寒い時期に痛みが悪化する
・ストレスが多く、精神的な緊張が強い
・睡眠の質が悪く、夜間に痛みが増す
・免疫力が低下し、感染症にかかりやすい
このような症状を含めて全体を調整することで、根本的な改善につなげていくのが漢方治療の特徴です。
②富士堂での神経痛の漢方治療
富士堂では、神経痛にお悩みの方に対して、問診だけでなく舌・脈・腹の状態を丁寧に観察し、個々の体質と神経痛の関連性を立体的に捉えるよう心がけています。
そのうえで、神経への血流改善、炎症の鎮静、神経の修復力向上、全身の免疫力強化、ストレス軽減などを視野に入れた処方設計を行っていきます。
▼体質・症状別の 主な処方例 ※あくまでも一例です
■坐骨神経痛(腰から足にかけての痛み・しびれ)
坐骨神経に沿って腰から臀部、太ももの後ろ、ふくらはぎ、足先まで痛みやしびれが走る症状です。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などが原因となることが多く、歩行困難や日常生活の制限を引き起こします。
漢方では、まず腰部の血流改善と神経の栄養状態向上を重視し、冷えや血行不良を改善する処方を中心に用います。慢性化した場合は、「腰や下肢を支える力(中医学でいう“腎精”)」を補い、筋力や神経機能の回復を促す処方も併用することがあります。
処方:疎経活血湯、独活寄生丸、桂枝加朮附湯、牛車腎気丸、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、芍薬甘草湯など
■三叉神経痛(顔面の激しい痛み)
顔面の三叉神経領域に突発的に起こる電撃様の激痛で、洗顔や歯磨き、食事などの軽い刺激でも誘発されることがあります。痛みは数秒から数分続き、発作的に繰り返すのが特徴です。
漢方では、主に顔面部の血流改善と神経の過敏性を鎮める処方を用います。ストレスや精神的な緊張が誘因となることも多いため、自律神経を調整し、心身の安定を図る処方も併用することがあります。
処方:清上蠲痛湯、抑肝散、葛根加朮附湯、五苓散、川芎茶調散、麻黄附子細辛湯など
■帯状疱疹後神経痛(ヘルペス後の持続的な痛み)
帯状疱疹の皮疹が治癒した後も、神経に沿って持続する焼けるような痛みや、衣服が触れるだけで激痛が走る症状です。高齢者に多く、痛みが数ヶ月から数年続くことがあります。
漢方では、損傷した神経の修復力を高め、炎症を鎮める処方を用います。免疫力の低下が背景にあることも多いため、全身の抵抗力を向上させる処方も併用することがあります。また、睡眠障害や抑うつ状態を伴うことが多く、精神面のケアも含めた総合的な治療も考慮します。
処方:桂枝加苓朮附湯、附子理中湯、疎経活血湯、五苓散、当帰芍薬散、芍薬甘草湯など
■その他の神経痛(肋間神経痛、後頭神経痛、手足の神経痛)
肋間神経痛は胸部から背部にかけての神経に沿った痛みで、深呼吸や体動時に悪化します。後頭神経痛は後頭部から頭頂部にかけての神経痛です。手足の神経痛は、糖尿病性神経障害、末梢神経炎、手根管症候群などによって引き起こされます。
これらの神経痛に対しては、痛みの部位や性質、随伴症状に応じて、血流改善、炎症鎮静、神経栄養の改善を図る処方を選択します。全身の代謝向上と免疫力強化も重要な治療ポイントです。
肋間神経痛:柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯、桂枝茯苓丸、疎経活血湯など
後頭神経痛:釣藤散、清上蠲痛湯、川芎茶調散、葛根湯など
手足の神経痛:八味丸、牛車腎気丸、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、疎経活血湯、桂枝加朮附湯など
富士堂漢方薬局では、長年の臨床経験をもとに、神経痛の背景にある体質や生活習慣を丁寧に分析し、お一人おひとりに最適な漢方薬をご提案いたします。痛みの症状だけでなく、睡眠の質、精神状態、免疫力、血流状態など、お体全体のバランスを整えることで、神経痛の根本改善を目指します。
4.関節痛・膝の痛み
関節痛や膝の痛みは、加齢とともに多くの方が経験する症状です。特に慢性的な痛みは、日常生活の質を大きく低下させ、歩行困難、階段の上り下りの苦痛、趣味の制限など、様々な支障をきたします。西洋医学では、鎮痛剤や湿布、ヒアルロン酸注射、時には手術といった対症療法が中心となりますが、痛みが一時的にしか治まらなかったり、長期間の服用による胃腸への負担や他の副作用を懸念される方も少なくありません。
このような状況から、関節痛や膝の痛みに対しては、体質の改善と痛みの再発予防を重視する漢方治療が注目されています。漢方では、関節の痛みだけを診るのではなく、その背景にある「体の偏り」や「不調和」を根本から整えることを目指します。全身のバランス、血流、水分代謝などを調整することで、痛みの軽減はもちろんのこと、関節の機能回復や、痛みに悩まされない健やかな生活を取り戻すサポートをいたします。
①漢方医学における関節痛・膝の痛みに対する考え方
漢方では、関節痛や膝の痛みを「関節だけの問題」とは捉えません。痛みが生じる背景には、冷えや湿気の影響で痛みが悪化したり、血行不良により栄養が行き届かず老廃物が蓄積したり、水分代謝の乱れで余分な水分が関節に溜まったり、加齢や過労による体の消耗、さらには慢性的な炎症が関与したりするなど、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えます。
特に以下のような特徴がみられる場合、関節痛や膝の痛みは「体の不調の一部」として現れている可能性があります。
・冷えると痛みが強くなる
・天候が悪い日や湿度の高い日に痛む
・関節がむくんで腫れぼったい
・足腰がだるく、疲れやすい
・夕方になると膝が重く感じる
・胃腸の調子が悪く、食欲不振や下痢をしやすい
このような全身の症状を含めて全体を調整することで、関節痛や膝の痛みの根本的な改善につなげていくのが漢方治療の大きな特徴です。
②関節痛・膝の痛みの漢方治療
富士堂漢方薬局では、関節痛や膝の痛みにお悩みの方に対して、まず詳細な問診を行い、痛みの部位、性質、悪化要因、改善要因、既往歴、生活習慣などを丁寧に伺います。さらに、漢方医学の専門的な見地から、舌の状態、脈の様子、お腹の触診などを行い、患者さんお一人おひとりの現在の体質と、関節痛・膝の痛みの関連性を多角的に分析します。
その上で、関節周囲の血流循環の改善、体内に滞る余分な水分への対応、末端の冷えの是正、関節組織の修復機能を支える代謝的サポート、慢性的な炎症反応の鎮静、さらに体力や抵抗力の向上などを総合的に視野に入れながら、お一人おひとりの状態に応じたオーダーメイドの処方設計を行っています。
▼体質・症状別の 主な処方例 ※あくまでも一例です
■冷えや湿気を伴う関節痛・膝の痛み(冷えると悪化、重だるい、むくみ)
体を温め、余分な水分の停滞を取り除く処方を選びます。関節の重だるさやむくみを伴い、冷えると痛みが強くなる方に適しています。
処方:桂枝加朮附湯、苓姜朮甘湯、防已黄耆湯、独活寄生湯、真武湯など
■血行不良(瘀血)による関節痛・膝の痛み(刺すような痛み、痛む場所が固定)
関節の血流の滞りを改善し、古くなった血液や老廃物を取り除く処方を用います。痛む場所が固定され、刺すような痛みが特徴で、夜間や冷えると悪化しやすい方に。
処方:疎経活血湯、治打撲一方、桂枝茯苓丸、通導散など
■加齢や体力低下による関節痛・膝の痛み(だるさ、筋力低下、しびれ)
体の消耗を補い、関節や足腰の機能を高める処方を選びます。慢性的なだるさ、足腰の力が入らない感じ、しびれなどを伴う高齢の方や体力が低下した方に。
処方:牛車腎気丸、八味地黄丸、独活寄生丸 、動物性補腎薬(亀板・鹿角など)
■炎症や熱を伴う関節痛・膝の痛み(熱感、腫れ、ズキズキする痛み)
関節の炎症を鎮め、体内の過剰な熱を取り除く処方を使用します。関節に熱感や腫れがあり、ズキズキとした痛みを伴う場合に。
処方:越婢加朮湯、桂枝芍薬知母湯、白虎加人参湯、薏苡仁湯、麻杏薏甘湯など
これらの処方は、単に痛みを一時的に抑えるだけでなく、「なぜ関節痛・膝の痛みが起こりやすいのか」という根本的な背景を整えることで、再発の予防や全身の安定にもつながる治療を目指しています。
富士堂漢方薬局は、長年の豊富な治療経験と専門的な知識に基づき、痛みの急性期と慢性期を鑑別し、その状態に応じて細やかに処方を調整していきます。症状の奥にある“体質の偏り”を見抜き、改善の糸口をご提案することで、「痛みに悩まない生活」という目標達成まで、力強く支え続けます。ぜひ一度、ご相談ください。
5.原因不明の痛み
原因不明の痛みは、診断がつかないことによる不安や、治療法が見つからないことによる焦りなど、患者さんにとって非常に大きな精神的・身体的負担となります。線維筋痛症、慢性疲労症候群に伴う痛み、あるいは一般的な検査では異常が見つからないが、確かに存在する痛みなど、その症状は多岐にわたります。西洋医学では、対症療法が中心となりがちですが、根本的な原因が不明なために、薬の効果が一時的であったり、副作用に悩まされるケースも少なくありません。
富士堂漢方薬局では、このような「病院では原因がわからないけれど、確かに存在する痛み」に対し、漢方医学の視点から深くアプローチします。私たちは、痛みを単なる「症状」として捉えるのではなく、身体全体のバランスが崩れている「サイン」と解釈します。豊富な臨床経験に基づき、お一人おひとりの身体の声に丁寧に耳を傾け、その背景にある「未病」の状態や「体質の偏り」を見つけ出すことを得意としています。
※まずは病院での検査を推奨します
原因不明の痛みの場合、稀に重篤な疾患が隠れている可能性もございます。そのため、漢方治療を開始する前に、必ず一度、医療機関で精密な検査を受け、他の疾患が除外されていることを確認してください。西洋医学と漢方医学、両方からのアプローチが、お客様の最善の治療へと繋がります。
①漢方医学における原因不明の痛みの考え方
漢方では、原因不明の痛みを、身体の「気(生理活動の原動力)」「血(血液・栄養)」「水(体液)」のバランスの乱れ、あるいは冷えや湿気、ストレスなどの外的・内的要因が複雑に絡み合った結果として捉えます。また、中医学の概念である「不栄則痛(ふえいそくつう)」「不通則痛(ふつうそくつう)」の概念に基づき、栄養が行き届かない状態や気血の流れが滞った状態が痛みを引き起こすと考え、特定の部位に痛みがある場合でも、その原因は全身のどこかの不調から来ているとして、身体全体を調整することで痛みの根本的な改善を目指します。
特に、以下のような特徴がみられる場合、痛みは「体の不調の一部」として現れている可能性があります。
・痛む場所が移動しやすい
・ストレスや精神的な負担で痛みが強くなる
・疲労すると痛みが悪化する
・冷え性や手足のしびれを伴う
・めまいや耳鳴り、胃腸の不調などを伴う
・気候や湿度の変化に敏感で、症状が悪化する
これらの症状を複合的に捉え、全体を調整することで、原因不明の痛みの根本的な改善と、痛みに悩まされない日常へと繋げていくのが漢方治療の特徴です。
②原因不明の痛みの漢方治療
富士堂漢方薬局では、原因不明の痛みにお悩みの方に対し、時間をかけて丁寧な問診を行います。痛みの具体的な性質、発症からの期間、症状の波、そしてお客様の日常生活、精神状態、睡眠、食欲など、細部にわたる情報を伺っていきます。加えて、舌の状態、脈の様子、お腹の触診といった漢方独自の診察法も用いて、お一人おひとりの体質と、原因不明の痛みとの関連性を、専門的かつ多角的な視点で把握します。
その上で、気の巡りの改善、血行促進、水分代謝の調整、冷えの改善、自律神経の安定、身体の消耗の補強などを視野に入れた、オーダーメイドの漢方処方を組み立てます。
▼体質・症状別の 主な処方例 ※あくまでも一例です
■ストレスや気の滞りによる痛み(痛みが移動、精神的要因で悪化、体の張り)
ストレスが原因で身体の気が滞り、痛みが移動したり、精神的な緊張で痛みが強くなる方に。気の巡りを整え、精神的な負担を和らげる処方が中心です。
処方:柴胡桂枝湯、加味逍遙散、抑肝散、四逆散など
■血行不良(瘀血)による痛み(刺すような痛み、局所的、夜間悪化)
身体の血の巡りが悪く、特定の部位に刺すような痛みが生じる場合に。血流を改善し、滞った血を取り除く処方を用います。外傷歴がない場合でも、微細な血行不良が原因となることがあります。
処方:桂枝茯苓丸、疎経活血湯、治打撲一方、桃核承気湯など
■冷えや体力の消耗による痛み(だるさ、冷えると悪化、疲れやすい)
身体が冷えやすく、全体的なだるさや疲労感を伴う痛みに。体を内側から温め、消耗したエネルギーを補う処方を選びます。
処方:麻黄附子細辛湯、人参湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯など
■水分代謝の乱れによる痛み(重だるい、むくみ、天候で悪化)
体内に余分な水分が停滞し、身体が重だるく感じたり、むくみを伴う痛みに。特に湿度の高い日や天候の変化で痛みが悪化しやすい方に。水分バランスを整える処方を用います。
処方:五苓散、防已黄耆湯、五積散、半夏白朮天麻湯など
■全体的な消耗・虚弱による痛み(慢性疲労、全身倦怠、不定愁訴)
検査では異常が見つからないものの、全身の倦怠感や慢性的な疲労、様々な不定愁訴と共に現れる痛みに。身体全体の底上げを図り、自然治癒力を高める処方を選びます。
処方:補中益気湯、十全大補湯、小建中湯など
これらの処方は、単に痛みを一時的に和らげるだけでなく、「なぜ原因不明の痛みが続くのか」という根本的な身体の偏りを整えることで、再発の予防や全身の健康状態の底上げにもつながる治療を目指しています。
「検査では異常がないのに、ずっと痛みに悩んでいる」「複数の不調が同時に現れる」「薬に頼りたくないが、痛みをどうにかしたい」——
富士堂漢方薬局は、このような複雑でデリケートなお悩みを持つお一人おひとりの生活背景、感情、そして身体の微細な変化にまで注意を払い、状態に応じて細やかに処方を調整し、最適な治療を提供してまいります。痛みに悩まされない、あなたらしい毎日を取り戻すため、ぜひ一度ご相談ください。
4. 実際の症例
**詳しい症状別の記事や実際にあった症例などについてはページ最下部のリンクからご覧いただけます**
○膝の痛み(70代・男性)
2か月前から整形外科で定期的に膝に溜まった水を抜いているものの、痛みがなかなか改善しないとのことでご来店されました。
もともと体力・食欲ともに十分で体格も良い方ですが、膝の痛みが唯一の悩みとのことでした。
問診の結果、やや肥満傾向があり、下半身の冷えや夜間尿もみられたため、漢方では膝の痛みや関節内の水の滞りに対処すると同時に、下半身の血流や水分代謝の滞りといった体質面を根本から整える方針としました。
初期にはオーダーメイドの煎じ薬を用い、まず全身状態の調整を図りました。
服用開始から2週間ほどで、下半身の冷えが軽減し、その後は夜間尿の回数も減少。膝の痛みも徐々に緩和されていきました。
その後は、再発予防と体質改善を目的に、煎じ薬から体質強化を主眼とした丸薬1種類のみに移行し、継続服用を続けていただいています。
○肩こり(60代女性)
首筋から背中、胸周りまでが張って苦しいとのことでご相談にいらっしゃいました。
1年前からのご家族の介護による疲労が重なったことが原因と考えられ、動悸やめまいなど、自律神経の乱れと思われる様々な症状も呈していました。時期によって症状が変わりやすかったため、2週間ごとにご来店いただき、その時の体の状態に応じた煎じ薬を微調整しながらお出ししました。
少しずつ落ち着き、3か月後には体調が安定したため、漢方薬の服用を卒業することができました。
■併せて読みたい完治した患者様からの口コミと解説記事
>>10ヵ月の漢方治療で数年来のばね指が完治|漢方体験談
>>漢方で肩こり・むくみや疲労感など改善&精神的なフォローで前向きになれました|体験談
5. 富士堂の漢方が選ばれる理由
1. オーダーメイドの漢方治療
「煎じ薬を試したいけど自分で煎じられるの?」
「忙しいから手軽に飲める顆粒剤がいい」
「日常生活でも気を付けることってある?」
ご来店いただく患者様は様々な悩みや不安を抱えています。富士堂の漢方相談では、病状や体質を丁寧に確認し、あなたに合った「証(しょう、=漢方を選ぶ根拠)」を見極めます。
初回相談は約1時間。体調のことだけでなく、経済面や精神的な不安も遠慮なくご相談ください。経験豊富な中医師・薬剤師が、生活アドバイスも含めた総合的なサポートを行います。
2. 豊富な臨床経験
富士堂に在籍するスタッフは中医師から薬剤師まで漢方の専門家でありながら、西洋医学の知識も豊富にもつスペシャリストで、毎年7,000名以上の患者様にご相談いただいています。
毎月の社内勉強会や毎週の症例ディスカッションを通じて、常に知識・技術を磨き、皆様の健康に最適な治療をご提供できるよう努めています。
3. 安全性を重視
皆様が安心・安全に漢方をご利用いただけるように以下のことを特に重視しております。
1.方証医学に基づいた、根拠のある漢方相談を徹底
時間を惜しまずに漢方相談を行い、服用後のフォローにも努め、副作用の予防や、効果の確認などに努めます。
2.信頼できるメーカーからのみの仕入れ
使用する生薬はすべて国内の大手漢方メーカー(ウチダ和漢薬・栃本天海堂・高砂薬業・イスクラ産業・クラシエ薬品)から仕入れています。海外からの直輸入は行いません。
3.厳格な品質管理
生薬はすべて原植物の確認、理化学試験、重金属・ヒ素・残留イオウの管理・経験的鑑別、残留農薬管理、微生物検査をクリアした安全なものです。
4. オンライン相談・宅配対応
富士堂では、LINE・WeChat・Teamsなどのビデオ通話ツールによるオンライン相談も可能です。漢方薬は店頭受け取りのほか、ご自宅への発送も承っています。忙しい方や遠方・海外にお住まいの方でも、安心してご利用いただけます。
オンライン相談について詳しくはこちら
6. ご相談・カウンセリングの流れ
漢方薬を受け取るまでの流れは以下のようになります。
ご予約➤ご相談➤漢方薬の選定➤ご確認・お会計➤調剤・お渡し(発送)
詳しくはこちらをご覧くださいませ。
漢方薬は、一人ひとりの体質や体調、生活環境、そしてその方をとりまく背景によって、必要な処方が大きく異なります。そのため富士堂漢方薬局では、最初に丁寧なカウンセリングを行い、現在のお困りの症状だけでなく、これまでの経過や生活習慣、ストレス要因なども含めて総合的に把握することを大切にしています。
ご相談は予約優先制で、個室にてプライバシーに配慮した落ち着いた環境の中、ゆっくりとお話を伺います。初回のカウンセリングでは、漢方医学に基づく「四診(望診・聞診・問診・切診)」をもとに、舌の状態、脈、腹部の緊張や冷えの有無なども丁寧に確認します。
また、西洋医学的な視点も大切にしており、血液検査や画像検査の結果がある場合には、それらも参考にしながら総合的に判断します。まずはお気軽にご相談ください。
■漢方相談予約・お問合せ>>「お問い合わせ(LINE,WeChat,メールフォーム)」
■オンライン相談について詳しくはこちら>>「オンライン漢方相談|来店なしでお薬お届け」
肩こり・腰痛・神経痛・関節痛・膝の痛みでお悩みの方へ 〜富士堂からのメッセージ〜
つらい肩こりや慢性的な腰痛、しびれを伴う神経痛、階段の上り下りがつらい膝の痛み、手足の関節痛──。痛みは日常生活の動作一つひとつに影響を与え、仕事や家事、趣味の時間まで奪ってしまいます。
湿布や痛み止めで一時的に楽になっても、またすぐに戻ってしまう。整形外科で検査を受けても「骨には異常なし」「様子を見ましょう」と言われ、根本的な解決策が見つからないまま、長年痛みと付き合い続けている方も少なくありません。
富士堂では、こうした慢性的な痛みを「気・血・水の巡りの停滞」「冷えや湿気の体内への停滞」「ストレスや疲労の蓄積による体質の変化」など、体全体のバランスの乱れから生じるものと考えています。痛みは体からのサインであり、痛みを鑑別することで全体的な体の癖や様々な体調不良の原因を見つけ、根本的な体質改善にアプローチできることが漢方治療ならではの強みです。体質や生活習慣に応じたオーダーメイドの処方により、「長年の肩こりが軽くなった」「膝の痛みで諦めていた散歩ができるようになった」といった声を多数いただいています。
「どこに行っても良くならなかった」「ずっとこのままかもしれない」と感じている方にこそ、漢方という選択肢を思い出していただきたいと願っています。一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください。
漢方治療症例・症状解説・体験談など|ブログリンク
